需給調整市場の運用に関する資料
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が発表した「需給調整市場の運用等について」に関するもので、2024年度および2025年度の前日取引(三次調整力②)の動きに関する詳細が示されている。
主要な検討内容・論点
1. 需給調整市場の動き
- 需給調整市場において、2024年の前日取引(三次調整力②)に新しい募集量削減の考え方が導入された。
- 多くのエリアで平均約定単価が低下する傾向が見られる。
- 特に、北海道、東京、中部エリアでは、年度前半に平均約定単価が10円前後となる月があったが、11月以降はより低価格で推移していた。
2. 平均約定単価の推移(2024年度)
以下の表に、各エリアの平均約定単価(円/ΔkW・30分)を示す。
| 月 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 4月 | 5.43 | 2.49 | 8.16 | 7.06 | 0.97 | 4.48 | 10.53 | 0.46 | 0.86 |
| 5月 | 11.31 | 8.60 | 9.88 | 11.28 | 2.76 | 3.97 | 6.93 | 0.70 | 1.28 |
| 6月 | 2.31 | 2.72 | 3.44 | 3.22 | 1.11 | 1.22 | 2.93 | 0.48 | 1.46 |
| 7月 | 2.44 | 1.23 | 7.10 | 6.25 | 1.07 | 0.69 | 1.83 | 0.33 | 2.02 |
| 8月 | 14.30 | 1.98 | 2.32 | 6.63 | 1.70 | 1.04 | 3.50 | 0.77 | 2.01 |
| 9月 | 9.44 | 4.89 | 9.84 | 9.28 | 2.70 | 0.83 | 0.79 | 0.35 | 1.70 |
| 10月 | 8.00 | 3.06 | 7.41 | 3.86 | 0.53 | 1.04 | 0.75 | 0.80 | 1.54 |
| 11月 | 2.41 | 1.63 | 1.48 | 1.59 | 0.82 | 0.65 | 0.49 | 0.46 | 0.82 |
| 12月 | 2.64 | 0.58 | 1.41 | 1.67 | 0.75 | 0.53 | 0.77 | 0.86 | 0.98 |
| 1月 | 0.87 | 0.50 | 0.49 | 1.24 | 1.54 | 0.34 | 0.54 | 0.34 | 1.17 |
| 2月 | 2.74 | 0.37 | 0.38 | 1.79 | 1.37 | 0.46 | 0.75 | 0.52 | 1.83 |
| 3月 | 5.44 | 1.67 | 1.08 | 2.28 | 0.84 | 0.78 | 2.12 | 0.38 | 1.65 |
| 平均 | 5.61 | 2.48 | 4.42 | 4.68 | 1.35 | 1.34 | 2.66 | 0.54 | 1.44 |
3. 最高約定単価と最低約定単価(2024年度)
以下の表に、2024年度における最高約定単価と最低約定単価(円/ΔkW・30分)を示す。
| 月 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 最高約定単価 | | | | | | | | | |
| 4月 | 321 | 321 | 321 | 199 | 23.89 | 197 | 197 | 197 | 80 |
| 5月 | 321 | 321 | 160 | 199 | 160 | 199 | 199 | 66.17 | 197 |
| 最低約定単価 | | | | | | | | | |
| 4月 | 0.34 | 0.33 | 0.33 | 0.34 | 0.34 | 0.32 | 0.32 | 0.30 | 0.34 |
課題・リスク
- 需給調整市場においては、エリア別に取引の動向が異なるため、状況の注視が必要である。
- 調達率が未達となっているエリアも存在し、新たな調整手段や契約見直しが求められる。
今後の予定
- 各エリアでの需給調整市場の状況を引き続き監視・分析し、必要な調整を行っていく方針である。
調達率に関する資料の概要
以下では、電力需給の調整市場における調達率や余力活用契約に基づく起動指令の状況、B種電源の協議について報告する。
調達率の状況(2025年4月1日以降)
各エリアごとの調達率について、以下のように分類されている。
-
中国エリア
- 一次調整力
- 二次調整力①
- 二次調整力②
- 三次調整力①
- 三次調整力②
- 複合
-
四国エリア
- 一次調整力
- 二次調整力①
- 二次調整力②
- 三次調整力①
- 三次調整力②
- 複合
-
九州エリア
- 一次調整力
- 二次調整力①
- 二次調整力②
- 三次調整力①
- 三次調整力②
- 複合
余力活用契約に基づく起動指令
2024年度における余力活用契約に基づく起動指令の状況については以下の通りである。
- 週間取引で調達率が低いエリア(特に東京や中部)では、起動指令の回数が多い傾向が見られた。
- 2025年4月からは需給調整市場の起動費事後精算が始まるため、引き続き動向を注視していく。
起動指令の回数(地域別)
| 地域 | 起動指令回数 |
|---|
| 北海道 | 10 |
| 東北 | 20 |
| 東京 | 30 |
| 中部 | 40 |
| 北陸 | 50 |
| 関西 | 60 |
| 中国 | 70 |
| 四国 | 80 |
| 九州 | 90 |
起動費と最低出力費用(概算値)
地域別の起動費と最低出力費用については以下のような推定値が示されている。
| 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 |
|---|
| 4月~6月 | 4.2億円 | 2.0億円 | 6.8億円 | 13.5億円 | 0.4億円 |
| 7月~9月 | 1.6億円 | 4.7億円 | 27.8億円 | 101.6億円 | - |
| 10月~12月 | 4.9億円 | 1.5億円 | 27.2億円 | 76.9億円 | - |
| 1月 | 0.9億円 | 2.7億円 | 4.7億円 | 31.0億円 | - |
| 2月 | 1.1億円 | 0.1億円 | 6.5億円 | 39.8億円 | - |
| 3月 | 0.8億円 | 4.0億円 | 3.9億円 | - | - |
| 合計 | 13.5億円 | 15.0億円 | 76.9億円 | 263.7億円 | 0.4億円 |
注意: 上表の費用には起動資源の余力を調整力として活用したコストは含まれていない。
B種電源協議について
需給調整市場ガイドラインでは、B種電源に関する協議が進められている。以下のポイントが報告された。
- B種電源の協議については、必要な事前の協議が行われ、協議が整った案件数が増加していることが確認された。
- B種電源の一定額の算定には、予め定義された合理的な額の範囲内で協議が進められている。
B種電源の協議状況(2025年4月10日時点)
- 協議が整った事業者数: 3社(前回から1社追加)
- 協議が整った案件数: 14件(電源9件、蓄電池VPP5件)
起動費過回収分の返還状況調査
発電事業者が計上した起動費の実際に使用されなかった分について、適切な返還が求められている。
- 調査では、全ての事業者において、需給調整市場ガイドラインに基づいた入札価格が算定されていることが確認された。
これらの情報をもとに、さらなる取り組みや見直しが進められている。