2031年度の系統混雑を「移行シナリオ」「現行シナリオ」の2通りで試算した。混雑設備数は移行シナリオ177設備、現行シナリオ180設備で、2030年度想定の約140設備から増加し、増加は特にローカル系統で目立つ。再エネ導入拡大(蓄電池を含む)が主な背景である。
| 指標 | 移行シナリオ | 現行シナリオ |
|---|---|---|
| 年間出力制御電力量 | 約1,235 GWh | 約2,256 GWh |
| ピーク需要時の出力制御電力 | 約0.2万kW | 約15万kW |
| 点灯帯(16~20時)の最大出力制御電力 | 約249万kW | 約204万kW |
年間出力制御電力量は昨年度想定比でそれぞれ約0.6倍、約2.4倍である。移行シナリオでは、データセンター等の大規模需要を一定負荷として地点別に反映した見直しにより、東京の制御量が大きく減少した。一方、東北では風力導入拡大に伴い、両シナリオでローカル系統の制御量が増加した。点灯帯の制御電力は、太陽光以外の再エネや蓄電池の連系進展を反映し、昨年度より増加する見通しである。
自然変動電源の出力制御は、火力・調整電源の潮流が支配的な基幹系統の多くでは生じず、再エネ潮流が支配的な一部の基幹・ローカル系統で見込まれる。制御電力量の全国合計は、移行・現行シナリオとも昨年度の約2.5倍であり、主に東地域で増加する。エリア別の年間最大制御電力は、一部でH3需要比15%超となる見込みである。
需要・電源・系統構成は2031年度末を基本とし、火力発電単価について、2025年の発電コスト検証を反映した移行シナリオと、従来の単価を用いる現行シナリオを設定した。基幹系統等は全国メリットオーダーシミュレーションで年間8,760時間を算出し、その他のローカル系統は需要・発電出力の積み上げで算出した。大規模需要は一定負荷として扱い、一般需要にエリア需要カーブを配賦したため、該当地点の需要電力量が従来想定より増える。
今回の数値は所定の前提に基づく試算であり、電源稼働、系統運用、カーボンプライシング、将来制度等により変わり得る。基幹系統の結果はローカル系統の混雑処理を反映しておらず、ローカルからの流入潮流を多めに見積もる可能性がある。また、再エネ出力の上振れや需要の下振れは考慮していない。一般送配電事業者公表の空容量・予想潮流とは、前提と算出方法が異なる。
供給力・調整力への影響を把握するため、夏季・冬季の昼間帯と点灯帯について、混雑または空容量100万kW未満の基幹系統を調査した。複数エリアで該当設備が確認されたが、混雑設備は再給電方式で混雑解消できることを確認した。これは最上位電圧設備等を対象とした簡易調査であり、運用対策により需給運用への影響がないと考えられる系統は除外している。
今回の資料は、供給信頼度への影響や容量市場での混雑系統電源の扱い、需給調整市場におけるΔkW確保の在り方を確定していない。これらは国の審議会等と連携して今後検討する事項である。再給電は暫定措置と位置づけられ、市場主導型への移行検討も必要とされている。
混雑設備ごとの混雑量・時間、出力制御量・率等は、各一般送配電事業者が準備の整ったエリアからホームページで公表する。2031年度に混雑見通しがないエリアも、その旨を公表する。自然変動電源の出力制御見通しは、委員会での確認を踏まえて国へ報告する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2031年度の系統混雑に関する中長期見通し(報告)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/)をもとに当社作成
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