2026年度夏季の需給速報では、東京エリアの厳気象H1需要に対する8月の最小予備率は0.9%で、安定供給に最低限必要な3%を下回る見通しである。長期補修停止・休止による供給力減少などを受け、資源エネルギー庁の小委員会は、直近の2023年度夏季の対応を参考に、東京エリアで120万kWの追加供給力公募を速やかに実施する方針を決定した。資料は、公募の実施に向けた事務局提案であり、専門会合での議論を求めている。
| 論点 | 事務局提案 |
|---|---|
| 対象 | 東京エリアの電源等・DRのうち、供給計画に計上されず、容量市場でも約定していないもの。広域機関が該当状況を確認する。新設電源等は、公募がなくても提供期間中に運転し市場等へ応札する予定なら、原則として追加性を満たさない考えである。 |
| 発動 | 前々日夕方、前日夕方または当日朝に、広域予備率が5%を下回る見込みの場合。2023年度公募の8%基準等を見直し、容量市場の発動指令電源と同じ基準にそろえる提案である。 |
| 市場供出 | 発動指令時は原則、スポット・時間前市場に限界費用ベースで応札。未約定の余力は一般送配電事業者が余力活用電源として指令可能とする。事業者の任意応札は需給調整市場にも認め、入札価格を0.33円/ΔkW・30分とする案である。 |
発動指令に基づく市場供出の収益は全額、事業者の任意による市場供出の収益は9割を一般送配電事業者に還元する整理を継続する提案である。調達費用は市場収益で賄い、不足分は託送料金を通じて東京エリアの需要家から回収する。過去のkW公募では市場収益による費用回収率が0.14~42%にとどまった。
落札は、kW価格とkWh価格を総合評価し、評価用価格が安価な案件から、必要量を確保する最も経済的な組み合わせを選ぶ方式を提案している。2023年度夏季と同じ方式であり、費用最小化と需要家負担を重視する一方、部分落札できない大規模電源があると、それより安価な案件が落札されない場合がある。この懸念への対応として、一般送配電事業者が応札者と調整し、可能な限り部分落札を認めることも提案する。
募集容量は120万kW、提供期間は2026年7~9月、最低入札容量は1,000kWとする案である。発動回数は1日1回の場合6回、1日2回以上の場合12回を原則とし、継続時間はそれぞれ1回5時間以上、3時間以上とする。想定日程は募集が12月下旬~2月下旬、選定が3月上旬~4月下旬、落札者決定が5月上旬である。提案に問題がなければ、一般送配電事業者に公募準備を速やかに進めるよう求めるとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「東京エリアにおける2026年度夏季の追加供給力の確保に向けた公募について:第15回 制度設計・監視専門会合」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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火力電源の休廃止は、もはや「将来の供給力不足リスク」ではなく、足元の調達コストと需給運用に現れている事象である。2026年度夏季の東京エリアでは8月の予備率見通しが0.9%にまで低下し、120万kWの追加供給力公募が実施された [DOC:04141b99-b33c-4e9e-9ad0-70876a34b77b]。一方で容量市場の指標価格(Net CONE)は2年で約2.1倍に上昇しており、供給力を「維持する費用」が制度を通じて可視化されつつある。
日本の電力需要は全国合計では年0.4%程度の緩やかな増加見通しにとどまる一方で、特定エリア・特定地点では接続そのものが成立しない状況が生じている。審議会の議論の重心は「増える需要に系統を合わせる」から「系統の制約に需要の立地を合わせる」方向へ動きつつあり、これは立地選定とスケジュール前提の置き方を根本から変える論点である。
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