本資料は、ガス小売の全面自由化後に進めた競争環境整備を踏まえ、卸取引でも競争を促すため、競争を不当に歪めるおそれのある契約慣行を調査し、公正な取引の在り方と必要な措置を検討することを提案する資料である。調査・措置は未実施の提案段階であり、まずアンケート等で実態を把握する方針である。
卸調達の環境は、導管接続や卸売事業者の数により4類型に分かれる。複数の調達先がある類型①②では競争が一定程度みられ、とくに関東で卸売事業者の切替えが発生している。類型③では卸取引の競争は確認されず、類型④では導管による卸供給は難しい一方、ガス事業法の対象外であるLNG取引に競争がある。
| 類型 | 調達環境 | 資料が示す競争状況 |
|---|---|---|
| ① | 複数の卸売事業者の基地と供給区域が接続 | 東京ではワンタッチ卸が活発。その他の地域の切替え実績は限定的 |
| ② | 複数の基地・ガス田が複数供給区域をまたいで接続 | 関東で卸売事業者の切替えあり。その他は限定的 |
| ③ | 単独の卸売事業者の基地・ガス田が複数供給区域をまたいで接続 | 卸取引の競争は発生していない |
| ④ | 導管接続がなく、ローリー等でLNGを調達 | ガス卸取引の競争はないが、LNG卸取引の競争はある |
自由化後、逆流連結託送の特例認可、LNG基地の第三者利用ルールの改善、スイッチング業務等の標準化を進めた。スイッチング標準化は業務フローの作成が完了し、要求情報等を整理中で、2019年2月までに一定の取りまとめを示す予定である。卸分野では熱量バンド制の検討も挙げられている。
事業者ヒアリングでは、基本契約は複数年(10年超の例もある)、年次契約は1年とする形が一般的である。価格は基本契約の算定方法をもとに年次契約で定め、JLC等を参照して調整する。契約には最低・最大引取量が設定され、未達や超過に違約金が生じる場合がある。慣行は全事業者に共通するとは限らない。
主な論点は、長期契約と中途解約補償料、最低引取量未達の違約金である。卸売側は、長期LNG調達の数量調整が難しく、卸受側の希望で長期契約となる場合もあるため、調達リスクの転嫁には理由があると説明する。一方、競争政策上は高額違約金を伴う長期契約の合理性検証が必要との整理があり、小売側からは違約金が重く契約量を抑えざるを得ないとの声がある。卸売側は最低引取量を契約量の70〜90%程度とし、未達例や引下げ要望は近年ないと述べており、評価は一致していない。
まず類型①②の主要な卸売事業者・卸受事業者を中心に調査し、契約慣行の実態と合理性、その程度を確認する提案である。LNGスポット市場の発達や卸電力取引所の流動性上昇など近年の変化も踏まえ、必要な措置を検討する。小売市場にも類似の問題があるとの指摘があるが、まず卸市場を検討し、その結果を踏まえて小売市場の取引慣行も必要に応じ検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第35回制度設計専門会合 事務局提出資料:ガスの卸調達・適正取引の在り方について ~ガスの卸取引に関する競争の促進について~」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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