事務局は、旧一般電気事業者による新電力向け相対卸供給について、競争排除の誘因を持たない部門が交渉することを原則とし、小売部門等を窓口とするのは通常適切でないとの考え方を示した。これは提案段階であり、会合での議論を経て次回以降に具体化する方針である。対象は常時バックアップを除く相対契約である。
| 論点 | 提示された考え方・留意点 |
|---|---|
| 交渉部門 | 発電部門など、小売事業の利益増大を直接の目的としない部門を原則とする。小売部門が交渉する場合は、必要性・妥当性と弊害防止策を厳密に検証する。 |
| 例外の可能性 | 小売部門の需給調整でやむを得ず生じた余剰の販売や、他社との共同事業に伴う卸販売は、小売部門が交渉できる場合として検討対象に挙げられた。 |
| 拒絶・優先の条件 | 財務状況から債務不履行のおそれがある場合など、経済合理性のある拒絶事由を検討する。「エリア内で小売を行う新電力とは取引しない」など合理性に乏しい拒絶は、競争者排除目的が推認される可能性がある。長期契約の相手を短期契約の相手より優先することは、通常、一定の経済合理性があるとの考えが示された。 |
旧一般電気事業者と旧卸電気事業者は、国内電源の出力ベースで83%を保有する。旧一般電気事業者は発電・小売の垂直統合構造にあり、発電部門が小売部門や新電力に対し機会費用を踏まえて利潤最大化を図り、電源アクセスの条件を均衡させることが、公正な小売競争に資するという整理である。競争者排除を目的とする取引拒絶や、経済合理性に乏しい条件設定は、独占禁止法上も問題となり得る。ただし、取引先を選ぶ自由は認められ、拒絶が直ちに違法となるわけではない。
調査では、卸供給窓口は発電・小売双方が2社、小売のみが3社、企画・需給等の部門が5社であった。小売部門に置く理由には、余剰電力の把握、需給運用の一体化、他社との提携対応が挙げられた。小売以外の部門に窓口を置く5社のうち、2社は情報遮断措置あり、3社は特段の措置なしと回答した。相対卸供給の受諾判断では信用力、価格、期間、供給余力等が考慮され、新電力の販売活動を制約する条件は調査上確認されなかった。9社に新電力向け成約実績があり、1社は実績ゼロであった。
新電力の調達はスポット市場への依存が高まり、2018年6月時点で調達量の45.5%を占める一方、常時バックアップは9.4%であった。スポット価格はコマごとの変動が大きく、高需要期に100円程度まで上昇した例があり、収益安定化のための中長期取引ニーズが高まっていると資料は説明する。中長期取引は発電事業者の固定費回収や収益安定にも資し、供給力確保に寄与し得る。
2018年6月時点の相対取引供給量は総需要の3.16%(20.4億kWh)、うちグループ外向けは2.08%(13.45億kWh)である。相対供給を行う事業者数は供給期間や集計時点で変動する。新電力からは、交渉窓口で応じてもらえない、長期交渉後に方針を理由に拒絶された、窓口が旧一電小売部門だと調達情報が伝わり競争上不利になる、との指摘があった。一方、一部地域では卸供給のオファーや短期・時間帯限定の契約も見られるとの声がある。
次回以降、交渉を担う部門の原則と例外、経済合理的な拒絶事由、取引相手の優先条件を具体的に検討する案である。常時バックアップは、手続の利便性や取引の定型性を踏まえ、既存のガイドライン上の整理があるため今回の対象外とする。資料では、2019年4月の運用開始を目指す発電情報等の掲示板も参考施策として紹介されているが、本会合での決定事項ではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第35回 制度設計専門会合:~電気の卸供給の在り方について~」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。