長期脱炭素電源オークションは、供給力(kW)を長期確保する容量市場の一部であり、落札電源には固定費水準の容量収入を原則20年間交付し、他市場収益の約9割を事後還付する仕組みである。2024年度応札分は、脱炭素電源の募集量500万kWに対し503.0万kW、LNG専焼火力は募集量約224.4万kWに対し131.5万kWが約定した。
| 区分 | 応札容量 | 落札容量 | 落札率・構成 |
|---|---|---|---|
| 脱炭素電源 | — | 503.0万kW | 募集量500万kW |
| 蓄電池 | 695.6万kW | 137.0万kW | 20% |
| 揚水 | 85.4万kW | 36.1万kW | 42% |
| 既設原子力の安全対策投資 | 434.8万kW | 315.3万kW | 73% |
| 既設火力の改修・一般水力 | 14.7万kW | 14.7万kW | 100% |
| LNG専焼火力 | 131.5万kW | 131.5万kW | 100% |
脱炭素電源の約定総額は年3,464億円、LNG専焼火力は年456億円である。過去3年の価格等による推定還付額控除後の参考額は、それぞれ年945億円、マイナス52億円である。過去5年を使った試算では控除後額に幅があり、実際の還付額とは異なる。蓄電池・揚水は可変費等の公表データがないため還付試算に含まれていない。
全電源の応札は1,361.9万kW、落札は634.5万kW(47%)である。落札容量の約99%は新設・リプレース等であり、実需給年度や契約期間は案件ごとに異なる。落札電源の制度適用期間は20年が47%、21〜30年が29%、31年以上が24%である。
長期オークションは容量市場の一部であり、容量確保契約金額の原資は小売電気事業者等が負担する容量拠出金である。長期オークションの他市場収益還付後の額を含む試算では、2027年度の長期分は一般送配電事業者26.0億円、小売電気事業者313.4億円、2028年度はそれぞれ53.6億円、639.3億円である。2028年度以降のメインオークションでは、長期オークションで落札した容量を控除して調達する。
国の制度検討作業部会では、第3回入札に向けて以下の見直しが議論されている。資料時点では提案・検討事項であり、確定した制度変更ではない。
| 論点 | 検討案・方向 |
|---|---|
| CCS付火力 | 既設LNG・石炭火力の改修を対象に追加する方向。新設・リプレース、バイオマス・石油火力は当面対象外とする案である。回収率、対象kW、費用・上限価格等は検討課題である。 |
| LDES | 長期エネルギー貯蔵システムを対象に加え、揚水と同じ競争条件とする案である。 |
| 事業報酬率 | 一律5%から、供給力提供開始までの期間に応じ4〜6%とする案である。 |
| 上限価格 | 水素・アンモニア・CCS以外は閾値を年10万円/kWから20万円/kWへ引き上げる案。水素・アンモニア・CCSは導入可能な水準まで引き上げる案である。 |
| 燃料等の可変費 | 水素・アンモニア・CCS火力では、燃料価格差等の可変費を応札価格に算入可能とし、支援対象を設備利用率4割分までとする案である。 |
| 落札価格補正 | 現行のコアCPI補正に加え、資本費・運転維持費・可変費・事業報酬ごとに関連指標で補正する方法を選択可能とする案である。 |
2025年度は募集要綱・約款案と業務マニュアルの作成、意見募集、事業者向け説明を進め、検討会で募集要綱を確認した後に公表する予定である。2026年度に参加登録、応札受付、約定処理・監視を行うスケジュール案が示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2024年度)および次回オークションに向けて」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou_kentoukai/)をもとに当社作成
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長期脱炭素電源オークションは、容量市場の一部として、脱炭素電源への新規投資を促すために設けられた入札制度です[DOC:18d50bc3-cad8-43f1-9cc4-d3995d14b30e]。落札した電源は原則20年間にわたり収入を得られ、投資回収の見通しを立てやすくすることを狙いとしています[DOC:18d50bc3-cad8-43f1-9cc4-d3995d14b30e]。
長期脱炭素電源オークションは2023年度に初回が実施され、2026年5月には第3回(応札年度2025年度)の約定結果が公表された(開始済み)[DOC:32a03370-b8ee-4aac-978d-2bc2f179194a]。制度が3回転したことで、「20年間の固定収入」という設計思想が実務上どう機能するのか、そして誰がそのコストをいつ負担するのかが、数字として見えてきた段階にある。
火力電源の休廃止は、もはや「将来の供給力不足リスク」ではなく、足元の調達コストと需給運用に現れている事象である。2026年度夏季の東京エリアでは8月の予備率見通しが0.9%にまで低下し、120万kWの追加供給力公募が実施された [DOC:04141b99-b33c-4e9e-9ad0-70876a34b77b]。一方で容量市場の指標価格(Net CONE)は2年で約2.1倍に上昇しており、供給力を「維持する費用」が制度を通じて可視化されつつある。
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