電力先物の取引拡大を受け、監視等委は先物取引情報を市場間相場操縦の発見端緒として把握し、現物市場の監視に活用することが望ましいとの考えを示した。情報を日々確認する監視には、不公正取引の抑止も期待される。これは会合で議論を求める提案であり、実施決定ではない。
市場間相場操縦は、先物ポジションを持つ者が現物市場価格を意図的に動かし、その価格変動に連動して上昇・下落した先物を反対売買して利益を得る行為として想定される。現物取引で損失を出しても、先物取引と合わせて利益を得る構図である。ただし、外形が似た取引でも正当な取引の場合があり、該当性は慎重な判断を要する。
| 取引状況 | 資料記載の数値・特徴 |
|---|---|
| 先物取引高 | 2021年度はTOCOM 1,577 GWh、EEX 5,626 GWh。スポット市場取引量に対する割合は約2.2%である。 |
| 参加者数(2022年10月) | TOCOMは口座開設者158社、EEXは取引実績のある者48社である。 |
| 国外取引 | 日本の電力先物の大宗を占めるEEXでは、IDB経由でOTC取引を成立させ、海外取引所で登録・清算する仕組みである。 |
国内取引所の情報は、商品先物取引法に基づき当局が取得し、監視等委が当局経由で入手できる。監視等委はEEXとMoUを締結し情報提供を受けることになったが、他の国外取引所では取得できるとは限らない。国外取引所には国内法が原則及ばず、取引所外取引についても情報を一元的に集積する機関がないため、網羅的な把握は困難である。
情報取得が困難な国外取引所の取引と取引所外取引について、電気事業者に個別に報告を求め、実態を把握する案が示された。全事業者への定期報告も選択肢となるが、現状の先物取引規模と事業者負担を踏まえ、当面は一部事業者への不定期な報告徴収とする案である。
対象候補は、スポット市場の取引量が多い事業者や、疑義のある取引について第三者から情報提供があった事業者などである。過去一定期間の先物取引情報を求め、監視に用いることが想定される。監視結果や市場動向を踏まえ、情報取得・監視の方法を必要に応じて見直す案も示された。
先物ポジションが現物取引量に比べ著しく大きく、含み益も大きい参加者は、現物市場で相場操縦を行っていないか重点確認する例として挙げられた。先物情報は疑わしい現物取引を見つけた後に確認するだけでなく、監視の端緒として用いる考えである。
資料は、適正な電力取引についての指針が、他の電力関連取引を有利にする目的で価格を高値・安値に誘導する行為を問題となる行為として例示していること、商品先物取引法にも相場操縦等の禁止規定があることを参照している。また、米国のFERCによる規制・摘発例も紹介しているが、国内での具体的な報告徴収方法や監視運用の決定を示すものではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「市場間相場操縦の監視について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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