本資料は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴って必要となる調整力を確保するため、以下の取組に関する予算措置や制度設計の方向性を示すものである。
再生可能エネルギーは天候や時間帯により発電量が変動するため、電力需給の変動に対応する**フレキシビリティ(調整力)**が必要である。本資料では、蓄電池とDRを組み合わせ、需要家側と電力系統側の双方から調整力を確保する方向性が示されている。
資料で示された主な予算措置は以下のとおりである。
| 対象 | 予算措置 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 家庭・業務・産業用蓄電池、既存設備のIoT化 | 令和5年度補正予算100億円 | 蓄電システムの導入、既存設備のDR対応化を支援 |
| 系統用蓄電池等 | 国庫債務負担を含め総額400億円 | 系統用蓄電池、水電解装置等の導入を支援 |
| 系統用蓄電池等 | 令和6年度予算案85億円 | 新規事業として計上。複数年度事業を可能とする |
これらの予算を活用し、次の政策目標を進めるとしている。
家庭用蓄電池や業務・産業用蓄電池などの分散型エネルギーリソースを活用することで、需要家側から電力需要を調整することが可能となる。
これにより、以下への貢献が期待されている。
支援対象は、大きく以下の2つである。
電力需給の状況に応じて、電力需要の最適化やDRに活用できる蓄電システムの導入費用を補助するものである。
需要家が保有する蓄熱槽や生産設備などに、計測機器・制御機器等を追加し、DRに対応できるようにする取組である。
対象となる設備・機器には、以下が含まれる。
| 支援区分 | 主な対象 | 補助率 |
|---|---|---|
| 家庭用蓄電池 | 設備費、工事費、据付費 | 最大1/3 |
| 業務・産業用蓄電池 | 設備費、工事費、据付費 | 最大1/3 |
| 既存設備のIoT化 | 通信設備、センサー、EMS等 | 最大1/2 |
補助は、国から民間企業等に対して行われ、民間企業等がさらに事業者等へ補助する仕組みである。
DRの対象としては、以下のような取組も含めることが検討されている。
資料作成時点では支援要件を検討中であり、今年度中に公募要領を策定・公表し、順次受付を開始する予定である。
再生可能エネルギーの導入が拡大すると、発電量の変動により以下の課題が生じる。
そこで、系統に直接接続する大規模な蓄電システム等を導入し、脱炭素型の調整力として活用する方針である。
支援対象として、以下が示されている。
事業の概要は以下のとおりである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業 |
| 予算 | 国庫債務負担を含め総額400億円 |
| 令和6年度予算案 | 85億円(新規) |
| 財源・予算の性格 | GX経済移行債を活用 |
| 補助率 | 定額、2/3以内、1/2以内、1/3以内 |
補助対象や補助率の詳細は、今後設計される予定である。令和6年度予算案には国庫債務負担行為が含まれ、複数年度にわたる事業を可能とする構成である。
GX経済移行債を活用することから、GXの趣旨に加え、廃棄物処理や安全性などを考慮して要件を設計するとしている。詳細は、今後新たに設ける検討の場で議論される予定である。
系統用蓄電池等の供給事業者について、以下の項目が例示されている。
蓄電池を導入・運用する事業者等については、以下が審査項目として例示されている。
なお、温室効果ガス排出量が一定水準未満の企業や中小企業については、GXリーグへの加入等に代えて、その他の温室効果ガス排出削減の取組を提出できる扱いが示されている。
電力需要と再生可能エネルギーの発電量はいずれも変動するため、需給バランスを調整するフレキシビリティが必要である。
資料が引用するIEAの予測では、各国政府の方針がすべて達成されるシナリオにおいて、短期的な調整力の必要量は以下のように増加する。
| 時点 | 世界全体の短期的な調整力の必要量 |
|---|---|
| 2030年 | 現在の約2倍 |
| 2050年 | 現在の約4.5倍 |
さらに、蓄電池は2050年には短期的な調整力の必要量の約3分の1以上を担う重要なリソースになると予測されている。
調整力の供給手段として、資料では以下が挙げられている。
2023年5月時点の系統用蓄電池について、以下の受付状況が示されている。
| 項目 | 規模 |
|---|---|
| 接続検討受付 | 約1,200万kW |
| 契約申込 | 約112万kW |
特に北海道および九州で導入が進んでいるとされている。ただし、接続検討のすべてが接続契約に至るわけではない。また、通常、契約から設置までに約2年を要するとされている。
| 区分 | 2030年の累計導入見通し |
|---|---|
| 系統用蓄電池 | 約14.1~23.8GWh |
| 家庭用・業務・産業用蓄電池 | 約24GWh |
系統用蓄電池の見通しは、接続検討申込の状況を基に、事業化される案件を推計したものである。事業化の割合を**10%または20%**とするケースが示されている。
リチウムイオン蓄電池は、車載用蓄電池とのシナジーが大きく、短周期の需給変動対策を目的に導入されることも多い。そのため、引き続き系統用蓄電池の主要技術と位置付けられている。
一方、再生可能エネルギーの導入が進む地域では、長周期の需給変動への対応ニーズも拡大している。このため、今後は再生可能エネルギーの主力電源化や出力制御の抑制に向け、長時間充放電が可能な技術の導入が必要となる。
資料では、九州エリアについて以下の状況が示されている。
このため、再生可能エネルギーの有効活用や出力制御対策に向けて、4時間を超える長時間の充放電が可能な蓄電池の活用が期待されている。
参考資料では、蓄電池産業について、供給面の強化と需要面の拡大を一体的に進める方向性が示されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国内生産能力 | 2030年までに150GWh/年 |
| 国内排出削減 | 今後10年程度で約7,000万トン |
| 官民投資額 | 今後10年程度で約7兆円~ |
| 導入関連投資 | 官民投資額のうち約3兆円 |
GX先行投資の主な内容は以下のとおりである。
投資促進策として、以下が示されている。
本資料は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給変動や出力制御への対応として、蓄電池とDRを複数の階層で拡大する方針を示している。
| 層 | 主な取組 | 期待される役割 |
|---|---|---|
| 家庭 | 家庭用蓄電池の導入 | 自家消費、DR、需給調整 |
| 業務・産業 | 蓄電池導入、既存設備のIoT化 | 需要最適化、DR |
| 電力系統 | 系統用蓄電池、水電解装置等の導入 | 出力制御抑制、系統安定化、調整力確保 |
| 産業基盤 | 国内製造能力、次世代電池技術の強化 | 蓄電池の安定供給、国内需要への対応 |
その上で、特に以下の点が重視されている。
資料では、導入量の拡大だけでなく、蓄電池の安全性、廃棄物処理、供給事業者のGX、導入事業の実現性、国内産業の競争力などを含め、蓄電システムを持続的に普及させるための制度設計を進める方向が示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「ディマンドリスポンス等の拡大に向けた予算状況について(ご報告事項)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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