北陸電力株式会社 調達効率化に向けたロードマップ
資料の目的
本資料は、北陸電力株式会社が実施する調達効率化の施策についての最終報告であり、2024年4月2日に発表される予定である。主な目的は、調達価格の低減を図ることである。
調達にかかる現状の課題認識
課題概要
北陸電力は震災後、以下の取り組みを通じて調達価格の低減に努めているが、まだ以下の課題が残っている。
- 調達業務の流れ: 従来のプロセスでは資材部門が調達方策を遅れがちであり、新規取引先の開拓が難しい。
- 仕様の確定性: 仕様や工法が確定しているため、柔軟な変更が行えない。
- 発注時期のバラツキ: 同じ種類の物品や工事の調達が異なる時期に行われ、まとめて発注しにくい。
現状の調達業務の流れ
以下の表は、これまでの調達業務のフローを示す。
| Step1:計画 | Step2:設計 | Step3:決定 | Step4:依頼 | Step5:見積 | Step6:交渉 | Step7:契約 |
|---|
| これまで | 機器取替を計画 | 機器仕様を検討 | 取替仕様実施時期等を決定 | 資材部門へ依頼 | 取引先へ見積依頼 | 取引先と価格交渉査定 | 価格決定発注 |
課題解決のために取り組む施策
施策概要
以下の施策を通じて、調達価格の低減と効率化を目指す。
- 上流購買の推進: 資材調達価格の低減を図る。
- 新技術の導入: 合理化を推進し、安定供給を前提にする。
- 申請原価に基づく132億円/年の効率化に加えて、33億円/年の追加効率化を目指す。
施策一覧
| 施策 | 概要 |
|---|
| 上流購買の推進による資材調達価格の低減 | 計画段階から技術主管部門と資材部門が連携し調達価格を低減する。 |
| 新技術の導入等による合理化 | 成功事例の水平展開を通じて工事費の低減を図る。 |
各施策の取組み範囲の設定
- 対象: 1,193億円の設備投資・修繕費。
- 施策の適用割合:
- 上流購買の推進: 資材発注額の **30%**程度適用。
- 新技術の導入: 設備修繕計画額の **15%**程度適用。
| 施策 | 更なる深掘り検討対象 | 各施策の適用を検討する割合 |
|---|
| 上流購買の推進による資材調達価格の低減 | 原則1億円超の工事件名 | 資材発注額の30%程度 |
| 新技術の導入等による合理化 | 法令等で定められた点検工事等を除く工事件名の対象 | 設備修繕計画額の15%程度 |
上流購買の推進
概要
調達方策を計画段階から早期に検討し、技術的な知見を反映させることで価格の低減を図る。
上流購買のイメージ
以下に、今後の調達業務のフローの変更点を示す。
| Step1:計画 | Step2:設計 | Step3:決定 | Step4:依頼 | Step5:見積 | Step6:交渉 | Step7:契約 |
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| 今後 | 早期に技術主管部門との連携を強化 | | | | | | |
施策と具体的内容
| 施策 | 内容 |
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| 既設メーカー代替取引先の活用 | 競争に基づいて既設設備の代替取引先を発見、採用する。 |
| VE提案型競争 | 設備機能を低下させずに価格を低減するための技術提案を求める。 |
| まとめ発注 | 同種の物品または工事をまとめて発注しスケールメリットを享受。 |
| 分離発注 | 特命発注の一部を分離し、他の取引先を競争させる。 |
新技術の導入等による合理化
概要
新技術を導入し、他業界の知見も活用して、業務効率やコストの見直しを行い、その成果を最大化する。
取組みの主な流れ
| Step1: 検討 | Step2: 予算策定 | Step3: 契約調達 | Step4: 工事 | Step5: 水平展開 |
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| 仕様工法見直し | 予算作成 | 契約交渉・物品調達 | 工事実施 | 水平展開可検討 |
新技術の導入による施策
| 施策 | 内容 | 検討対象案件 |
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| AIIoT等の活用による業務の合理化 | 発電所内の点検業務の合理化により工事費を低減。 | 原子力発電所の屋外ダクト点検 |
| 劣化状況の再評価等による設備点検の合理化 | 設備点検時期の延伸を通じて工事費を低減。 | 水力発電所の機器取替周期の見直し |
| 地元メーカーとの共同開発によるコストの合理化 | 安価な装置を開発し、導入することで工事費を低減。 | 水力発電所の一体型制御装置の導入 |
以上が北陸電力株式会社の調達効率化に向けたロードマップの概要である。