最終保障供給(LR)原資をスポット市場で調達した場合の社会的コストを、一般送配電事業者のスポット調達費用と、調達しなかった場合の追加調整力費用を比べて分析した。エリアプライス上位10コマでは一部エリアに調達コストが増えるコマがあった一方、2022年11月~2023年2月の取引実績を期間全体で評価すると、分析対象の全エリアで全ての月に調達コスト低減が確認された。低減コマの割合は約76~100%であり、コスト増加コマは期間全体では少数(0~2割)であった。
スポット入札は前日10時までに行うため、一般送配電事業者は確保済み調整電源の上げ調整単価を想定して入札する。しかし、入札から実需給までに再エネ出力の増加、需要の減少、他エリアとの受電・送電量の変化、BG余剰インバランスなどが生じると、実際に必要となる上げ調整単価が想定より低下し、スポット約定費用を下回る場合がある。そのコマでは、スポット調達をしない場合の追加調整力費用の方が低くなり、調達コストが増加する。
エリアプライス上位10コマの要因分析では、北海道・北陸・四国で需給変動に伴う上げ調整単価の低下が確認された。東北では、寒波予報を受けて供給力確保を重視した当初の想定に対し、不足インバランスが想定を下回る、または余剰となり、高価格帯の調整力が稼働しなかった。資料は、電源台数が少なくユニット間の上げ調整単価差が大きいエリアでは、需給緩和時に単価がスポット約定単価を下回りやすい可能性を示す。ただし、今回の上位10コマ試算では、電源台数が多いエリアでのコスト増加は確認されていない。
今回の期間評価はコマごとに、実際に発動されたV1のうち最も高価な単価にLR約定量を乗じ、スポット調達をしなかった場合の調整力費用として試算した。第60回基本政策小委資料の月平均評価とは方法が異なり、数値を直接同列に比較できない。資料によれば、月平均評価は一般に控えめな評価となる。
資料は、LRのお客さまへの小売電気事業者との契約切替を促す取組を行った上で、なお残る契約分について、調達コスト増の抑制に向けスポット市場調達も活用できるよう求めている。これは資料提出者の要望であり、再開の決定を示すものではない。第60回電力・ガス基本政策小委員会では、監視等委員会と連携して入札条件等を検討し、LR契約の推移を踏まえて再開の是非を判断する整理が示されている。更なるコスト削減に向け、再エネ出力予測や需要想定の精度向上にも取り組むとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「最終保障供給原資のスポット市場調達による社会的コストへの影響に関する分析・検討」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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