公正取引委員会は2023年3月30日、中部電力、中部電力ミライズ、中国電力、九州電力、九電みらいエナジーに対し、関西電力との顧客獲得競争の制限を理由に排除措置命令等を発出した。電力・ガス取引監視等委員会は、関係5社への報告徴収とヒアリングを進め、電気事業法上の処分を検討中である。並行して、旧一般電気事業者とその子会社等を対象に、適正取引ガイドラインの改定や監視強化を検討することが本資料の提案であり、具体策は未決定である。
各社は2018年10月または11月から2020年10月まで、相手の供給区域で顧客を獲得する営業活動や安値入札を制限する合意をしていたと公取委は認定した。中部電力ミライズ、中国電力、九州電力、九電みらいエナジーには、他社との料金情報交換の禁止、法令遵守の周知・研修・監査、違反調査への協力者の取扱規程などを含む排除措置命令が出された。中部電力、中部電力ミライズ、中国電力、九州電力への課徴金は総額1,000億円超である。九州電力側は調査協力により減額され、九電みらいエナジーは課徴金ゼロ、関西電力は違反を自主申告して処分を免れた。
| 監視等委員会の対応 | 状態 |
|---|---|
| 関係5社への報告徴収、報告内容の確認・ヒアリング | 実施中。各社報告は4月12日受領 |
| 電気事業法に基づく処分 | 検討中。取消訴訟を提起する会社の扱いも論点 |
| ガイドライン改定・監視強化 | 検討課題。具体的内容は未決定 |
適正取引ガイドラインは卸売分野ではカルテル等を扱う一方、小売分野には競争者間の競争制限行為について明示的な記載がない。事務局は、小売分野にもカルテル・談合が許されないことを明記し、営業情報の交換、「仁義切り」と称する域外営業時の情報交換、安値供給への牽制、価格競争によらない相互顧客獲得の提案などを、電力の適正な取引上問題となり得る行為として示す案を提示した。会合で追加すべき記載事項も議論対象である。
公取委の情報提供には、会合等での営業情報交換のほか、モニタリング調査を利用した安値供給への牽制、顧客を相互に獲得する企図、卸供給条件や卸電力市場への投入量を通じた新電力への影響などが含まれる。開示情報は事業者名を特定できないものや過去の事実が多く、現時点で個別調査に直結する具体性は乏しいため、委員会事務局は旧一般電気事業者各社と新電力複数社へのヒアリングを予定する。なお、卸価格の内外無差別に関する指摘の行為は、事務局確認では2020年7月のコミットメント以前であり、その後は行われていないとされる。
域外供給は2022年12月時点で全体の4.6%であり、沖縄を除く全地域で確認されている。今後の案には、全国・地域別の長期推移や旧一般電気事業者グループ別の実績の分析・公表、各社への進出方針のヒアリング、各地域でのシェア推移の定期分析がある。公正競争を阻害する端緒情報が得られれば、事業者への勧告等や公取委への情報提供もあり得る。一方、シェア公表が各社の現在・将来の価格等の競争手段について相互の予測を可能にしないよう配慮が必要である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「旧一般電気事業者等による独占禁止法違反事件を踏まえた今後の対応について:第84回 制度設計専門会合 事務局提出資料」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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