中部電力パワーグリッドは、需給調整市場の応札不足・高単価を補うため、BS契約済みの揚水発電所から各1台をTSOへ貸与する揚水随意契約を締結し、2024年7月20日に本運用を開始した。TSOが貸与機の運用権と水位管理を担い、BGには同じ発電所のBG運用機の1台当たり収益実績を基準に逸失利益を精算する。供給力減少に伴う代替調達費用も、BGからの事前連絡と調達実績に基づきTSOが負担するミラー契約である。
この設計により、BGの市場拠出インセンティブを保ちつつ、TSOは火力等を含む全体需給に応じて揚水の発電・待機・ポンプ運転を選択できる。従来の24時水位合わせによる運用ロスも、BGの翌日計画に配慮しながら緩和し、水位精算は年度末に行う。
2024年度の揚水発電所全体の稼働率は、電源Ⅰ契約でTSOが過半の揚水機を専有していた2023年度に比べ、おおむね2倍程度となった。随契開始後、BG計画より実績稼働が低い断面もあり、主な要因は実需給で揚水単価がインバランス単価(主に火力)を上回り、メリットオーダー上運転機会が減ったことである。秋季には再エネ余剰をポンプ原資として稼働する断面もあった。
7月20日から11月30日までの調整力確保では、揚水随契が複合募集量の38.6%を担い、随契単価は0.58円/ΔkW・hであった。需給調整市場分と余力活用分を含む総合単価は1.87円/ΔkW・hで、RC承認単価2.25円/ΔkW・hを下回った。需給調整市場からの調達割合は2.8%にとどまり、未達分は主に余力活用で補完した実績である。これらは約4か月の試行期間の結果である。
| 調達手段 | 資料が示す役割・制約 |
|---|---|
| 需給調整市場 | 広域的に成分別のΔkWを調達できるが、週間段階では発電機態勢やkWh発動が不確実で、単価・応札量にリスクが反映されやすい。 |
| 揚水随契 | 揚水の即応性と運転モード選択を使い、市場調達や余力活用でカバーしにくい部分を補完する。 |
| 余力活用契約 | 不足時に火力の追加並列等で確保するが、GC後の権利であり、単独では事前確保を代替しない。 |
試行運用では揚水契約容量約61万kWを市場募集量から一律控除した。この方法は調達量を圧縮する一方、点検中など供出できない時間帯には余力活用等による代替が必要となり、揚水の供出可能量を使い切れない断面も生じ得る。
BS揚水の固定費は容量市場の約定価格でTSO負担額が大きく変動する。資料は、TSOが容量市場の価格変動リスクを実質的に負う構図を課題として挙げ、揚水随契等を通じた調整力への有効活用が社会コスト低減につながる可能性を示す。今後は複数年契約や運用権のあり方を含め、揚水発電所の最適活用を検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中部エリアにおける揚水随意契約について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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