前回会合では、経過措置料金規制の解除後も、当面の間、旧一般電気事業者(みなし小売電気事業者)の地位濫用行為を監視するため、行政が制度的に情報収集する事務局案の方向性に賛同が得られた。本資料はその具体化に向けた考え方を示すものであり、監視期間や対象メニューなどの詳細を最終決定したものではない。
監視対象として想定する行為は、①他の小売電気事業者と比べ著しく不利な料金・取引条件を需要家に求めること、②コストを不当に上回る対価を求めることである。具体的には、コストと比べ過度に大きな差がある小売料金を課し、かつ価格または利益率が他の同様の事業者より不当に高い場合が判断の目安となる。燃料価格の高騰や託送料金の値上げなど、正当化し得る事情がない中で、一部メニューを大幅に値上げし、異例に高い利益率を得る例が想定される。
参考とされたEU競争法では、高価格がコスト等に照らして過度か、さらにそれ自体または競合製品との比較で不公正かを検討する。もっとも、地位濫用の具体的判断には明確化の余地があり、本資料は必要に応じて考え方を明確にする方針を示している。市場メカニズムが働く環境整備も重要であり、事後監視だけで競争上の問題を解決するものではない。
同一エリア内の地域ごとに競争圧力が異なる場合、旧一般電気事業者の価格差が需要家の不利益につながるとの懸念が示された。事務局が確認できた範囲では、エリア内で地域別に異なる小売価格を設定する実例は把握されていない。一方、エリア内外の価格差がある例は確認されている。ただし、エリア間の託送料金や電源調達構造の違いが価格差の要因となる場合がある。
電気小売では、同一供給区域内の託送料金は同一であり、低圧部門の営業・契約維持コストも地域によって大きく異なる可能性は乏しいと資料は整理する。この点で、輸送費が距離や顧客密度に左右される一般的な財とは事情が異なる。
英国では、2008年の調査で、旧独占地域内の電気料金が地域外より平均10%高く、その差はコストでは説明されないと報告された。Ofgemは客観的な正当化理由のない顧客グループ間の主要条件の差別を3年間禁止したが、2012年の継続検討では、地域内の高い料金が据え置かれ、地域外の競争的料金が上昇して全体の価格上昇につながったとの批判も寄せられた。電気通信事業法にも不当な差別的取扱いや、競争を不当に阻害して利用者利益を損なう料金設定への事後規制があるが、価格差そのものを一律に規制する仕組みではない。
前回資料では、解除後おおむね3年間の情報収集を行う案、エリアの旧一般電気事業者を対象とする案、収益や料金メニュー等を定期的に報告徴収する案が示された。監視対象メニューは、全メニューの把握が困難で比較可能性にも乏しいことなどから、解除時点で最も利用者の多い契約(従量電灯B相当)を中心とし、状況に応じ見直す案である。これらは前回資料の提案であり、本資料で確定した制度内容ではない。
委員等からは、競争環境の持続性が見えない段階で監視期間を固定することへの懸念、事業者向けメニューも監視すべきとの意見があった。他方、主要メニューの監視が他メニューへの牽制となるとの見方も示された。また、ガスとの制度・期間の違い、解除後に競争が弱まる可能性、地域ごとの競争状況や消費者層の違いが論点となった。解除判断の地域単位をめぐっては、地域差への懸念と、電力は送電網でつながり過疎地でも競争が起きやすいとの意見が出ている。
地位濫用行為の概念を必要に応じて明確化し、需要家に不測の損害が不当に生じないようにする方針である。地域間価格差については、現時点で同一供給区域内の地域別価格設定は確認されていないものの、今後、競争を弱めるなど消費者利益を不当に損なう事例の発生状況と競争への影響を注視する案が示された。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「経過措置料金解除後の事後監視について②」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_keika.html)をもとに当社作成
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