本資料は、2017年改正民法を前提とする立案担当者の説明と学説・判例を参照した、丸山絵美子氏の現時点での私見である。電力供給約款は、顧客の個性を重視せず、プランごとに料金算定・供給方法などを画一化してサービスを提供するため、民法上の「定型約款」に該当すると考える。ただし、定型約款の範囲や変更規律の解釈には争いがあり、確定した法解釈として提示されているものではない。
立案担当者見解は価格や給付内容などの中心条項も定型約款に含み得るとする一方、中心条項への民法548条の4の適用を否定する、または要件を厳格に適用すべきとする学説がある。判例・学説の蓄積も乏しいため、電気料金など中心条項の変更は慎重な検討を要する。資料は、問題のある変更を防ぐため、専門会合による事後監視が重要としている。
消費者契約では消費者契約法10条による変更条項の不当性審査も関係する。下級審には、変更の必要性・相当性、不利益の大きさ、代替手段、周知期間などを踏まえ、手数料変更を無効としなかった例がある。ただし、それらの判断が民法548条の4の解釈に影響する可能性は示されている。
| 判断枠組み | 資料が示す考慮点 |
|---|---|
| 相手方の一般的利益への適合 | 不利益を受ける顧客がいる場合は、この要件で処理せず、次の合理性審査に進むとの見解である。 |
| 契約目的に反しない合理的変更 | 変更の必要性、変更後の内容の相当性、変更条項の有無・内容、その他の事情を総合考慮する。 |
| その他の事情 | 顧客の不利益の程度・性質、不利益の補償や軽減、解除権、乗換えの容易さ、通知・検討の機会などが挙げられる。 |
変更条項があることだけでは、変更の合理性を裏付けない。価格や給付内容の大幅な一方的変更など不利益が大きい場合は、合理性を欠く可能性が高いとの整理である。事業者の予見・回避が可能なコスト増や経営判断の失敗による損失を顧客に転嫁する変更も、必要性や合理性を否定する要因となり得る。最終判断は個別事情の総合考慮となる。
標準的な料金メニューを念頭に、利潤増加のみを目的とする値上げは一般に合理性を否定する方向に働き得る。規制解除など事業者以外の原因や、解除・乗換えの容易さ、違約金の有無、十分な事前通知は考慮要因となる。ただし、電気は必需サービスであるため、形式上解除できるだけでは足りず、市場競争が機能し、消費者が実際に容易に乗り換えられる状況が重要とされる。
新メニューにおけるセット割、期間拘束、違約金の組合せは今回の考察対象外である。セット内の解約時期のずれなどで解約が難しい場合や、予想外の転勤・留学・入院等でも違約金が発生する場合には、期間拘束・違約金条項自体が不当条項審査の対象となり得る。また、セットサービスの一部を変更する際、他サービスを含む解約可能性を認める必要があるかという問題も指摘するが、結論は示していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電気供給約款の変更と定型約款規律(立案担当見解と学説の状況)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_keika.html)をもとに当社作成
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