2025年7~9月期は、スポット市場の平均システムプライスが前年同期の14.20円/kWhから12.12円/kWhへ低下した一方、価格高騰は地域的に残った。30円/kWh以上のエリアプライスは33日発生し、うち北海道単独の高騰は14日・69コマで、前年同期にはなかった。北海道では供給力の減少、北海道向き潮流、高値買い札の強まりが重なり、需給がひっ迫したと推定されている。
スポット約定量は788億kWh(前年同期比1.1倍)、売り・買い入札量はいずれも前年同期比1.1倍である。新電力その他の買い約定量は513億kWh(1.2倍)と増え、旧一般電気事業者・新電力その他とも買い越しが続く。時間前市場は約定量17.3億kWh(0.8倍)、平均価格12.83円/kWh(前年同期比約15%低下)である。先渡市場の約定はなく、先物は300.2億kWh(1.5倍)に増加した。
価格は前期に続き東高西低で、特に中国・四国・九州の価格が低下した。関西―中国間の分断率は前年同期平均0.3%から25.0%、中国―四国間は8.9%から38.5%へ上昇し、四国などの安価な売り札が西側にとどまったことが価格を押し下げたと推定される。関西―四国間も9.2%から47.8%へ上昇し、主因は連系設備の作業による運用容量の減少とされる。中部―関西・中部―北陸間は8月に分断率が50%台となり、中部向き潮流の増加が要因と推定された。
価格高騰日等の入札可能量は、自社供給力に対して7~8%台であり、価格の低い日(11~18%台)を下回った。売り札引上げのサンプル調査では、GCまで1時間以内の件数は203/656件で、前四半期とほぼ同水準であった。売りブロック入札は価格高騰日に入札量が減り約定率が上がる傾向が続き、当期の約定率平均は約6%である。グロス・ビディングは2025年6月の会合で廃止が決定されており、休止後、従来0.01円/kWhで出していた一部の売り札が限界費用価格に変わったことが、ブロック約定率低下の説明として示されている。
卸電気事業者電源の切出しは約61.9万kW(対象設備約1,200万kWの約5%)で、前年同期から進展はなく、各社の追加切出しは未定である。公営水力は総設備容量約231万kWのうち約175万kW(約76%)が競争入札等による契約となり、主に長期随意契約の終了に伴い前四半期比で約32万kW増加した。旧一般電気事業者からの相対供給は9月時点で総需要の11.3%、うちグループ外向けは8.0%であった。
2025年9月の新電力シェアは総需要の22.6%、低圧では28.7%で、低圧は2か月連続で28%を超えた。規制料金から自由料金・新電力への低圧スイッチングは全国50.8%、旧一般電気事業者から新電力等への移行は24.1%で、いずれも6月から小幅増加した。2024年度の年度スイッチング率は前年度から約2ポイント上昇したが、グループ会社間の大型事業移管が大きく影響したとの留意が付されている。電力量単価は、激変緩和対策による増減を伴いつつ、長期的には上昇傾向である。
都市ガスでは、旧一般ガス事業者9社の相対卸供給が2025年9月末の全国小売供給量の約10%を占める一方、新規参入者向けは約0.4%であった。自主的なスタートアップ卸は累計131件の問合せがあり、27件が契約締結済み、16件が交渉中である。資料は当期の監視結果を報告するもので、今後も電力市場のモニタリングを継続する方針を示している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「自主的取組・競争状態のモニタリング報告(2025年7月〜9月期)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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電力の切替手続きそのものは、2016年の全面自由化時に構築された共通システムでほぼ標準化され、実務上の争点は限られた残余論点に絞られてきた。一方で、審議会が公表する「スイッチング率」「新電力シェア」は指標として異なる現象を測っており、2026年には競争状況の測り方そのものが変更された。本稿では、制度の現在地と指標の読み違えを避けるための論点を整理する。
日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
2026年度向けの卸売では、四国エリアを除くすべての評価対象エリアで常時バックアップの休止が決まった(決定済み)[DOC:53305f48-3af2-4d14-b90f-8fd6ee66f863]。同時に、電力先物の四半期約定量は2025年10〜12月期に471.1億kWhへ達し、同期のスポット市場約定量680億kWhの約7割の規模になっている [DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。中長期の価格リスクをどこで処理するか、という問いの答えが実務上すでに移動している。
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