2024年の業務改善勧告後、JEPXの全コマ調査により、JERAの未供出量のうち約3.7億kWhが約定した可能性があり、約定価格の押上げによる同社の利益は合計約15.6億円、生産者余剰の増加分は影響が最も大きい東京エリアで約72億円と算定された。これは、勧告時に影響の大きい日を抽出して行った簡易試算(約6.5億kWh、1日で1億2千万円以上の利益を得たとみていた日もあった)から、全コマを対象に判定し直した結果である。
| 指標 | 勧告時の調査 | 今回の全コマ調査 |
|---|---|---|
| 約定可能性のある未供出量 | 約6.5億kWh | 約3.7億kWh |
| JERAの利益 | サンプル日で1日1億2千万円超の場合あり | 合計約15.6億円 |
| 生産者余剰の増加分 | ― | 東京エリアで約72億円 |
勧告時の約定量は、未供出ブロックの価格を対象コマのエリアプライスの約定量加重平均と比較する簡易手法による推計である。今回の値は、JEPXが全コマを調査し、実入札データに基づいてブロックの約定可否を判定した結果であり、両者は算定範囲・方法が異なる。
JERAは2019年4月から2023年10月まで、ツールの不備を認識しながら措置を講じず、本来供出すべき約54億kWhを市場に供出しなかった。委員会はこれを相場操縦行為と認定し、2024年11月12日に業務改善勧告を行った。2024年12月27日から2025年12月26日までを集中改善期間として、再発防止策を重点監視した。
期間中は4回のフォローアップ、社長へのヒアリング、東西の入札業務拠点への実地調査を実施した。JERAは入札プロセスの点検、システム改修、マニュアル改訂、法令遵守・コンプライアンス教育を進め、新たなツールのロジック不備を発見して未供出を未然に防いだ事例もあった。データ更新漏れや追加修正箇所も判明し、改修を継続している。集中改善期間後も2026年度末まで定期報告を受け、監視を続ける。
2025年の誤入札には、データ作成時の操作ミス、マニュアルの誤記、アクセス管理の不備、入札設定ミスとチェック体制の不備などがあった。委員会は12月26日付けで事例を公表し、入札参加者に自社のプロセス・システムを点検するよう注意喚起する。
適取ガイドラインは、スポット市場の売り札について余剰電力全量を限界費用に基づく価格で入札することを望ましい行為とする。特に市場支配力を有する可能性の高い事業者が、合理的理由なく高値で供出する、または全量を供出しない場合、相場操縦に該当することが強く推認される一要素となる。
委員会は今後、勧告等を速やかに行うため、従来どおり必要な範囲を調査して判断する方針である。一方、勧告等の後には事案の全容解明と監視への活用のため、相場操縦の影響を受けた全てのコマを調査する。今回、全コマ調査との比較により、従来の重点コマ分析は約定可能量を高めに見積もり得るものの、事案の特徴を高い精度で捉えていたことが確認された。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「スポット市場における不適切入札の振り返り」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
2026年度向けの卸売では、四国エリアを除くすべての評価対象エリアで常時バックアップの休止が決まった(決定済み)[DOC:53305f48-3af2-4d14-b90f-8fd6ee66f863]。同時に、電力先物の四半期約定量は2025年10〜12月期に471.1億kWhへ達し、同期のスポット市場約定量680億kWhの約7割の規模になっている [DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。中長期の価格リスクをどこで処理するか、という問いの答えが実務上すでに移動している。
JEPX(日本卸電力取引所)は、電気を売りたい事業者と買いたい事業者が集まって取引する日本で唯一の卸電力取引所です。2003年に設立され2005年に取引を開始し、電力自由化の下で発電事業者と小売電気事業者が公平に電気を売買できる場を提供しています[DOC:583b350c-f52d-4d57-8025-9c594f6b1bd0]。
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