2020年度から非FIT電源にも非化石証書が発行され、再エネ指定・指定なしの2種類が流通する予定である。今後、小売電気事業者の非化石電源導入量は証書の調達量で判断されるため、現行の小売営業ガイドライン(GL)が定める電源構成表示に加え、証書の使用状況も開示対象とすることが提案されている。資料はGL改定の論点を提示するもので、改定内容はまだ決定していない。
非化石証書には、非化石電源比率に算入できる価値、CO₂排出係数をゼロとして扱う価値、需要家に環境価値を表示・主張できる価値がある。再エネ指定証書は再エネ由来の価値も訴求できるが、指定なし証書では再エネ訴求ができない。証書を使わずに非化石・再エネ電源の電気を調達した場合の環境価値表示も、別途整理が必要である。
制度検討作業部会の整理を踏まえ、調達電源と証書の組み合わせに応じた表示案が示されている。特に、再エネ指定証書を使う場合の表示について、消費者の理解と誤認防止の観点から見直しが検討されている。
| 調達電源・証書の組み合わせ | 資料で示された表示案・条件 |
|---|---|
| 非FIT再エネ電源+再エネ指定証書 | 「再エネ」。電源と証書の属性が一致するため、「実質的に」は不要とする整理である。 |
| FIT電気+再エネ指定証書 | 現行整理は「実質再エネ」。変更案は、FIT電気であることやFIT制度等の説明を条件に「再エネ」と表示することを認める案である。 |
| JEPX調達・化石電源等+再エネ指定証書 | 「実質再エネ」とする案が示されている。表示に近接した分かりやすい箇所に調達電源(構成または主な電源)を示し、再エネ指定証書を使用した旨を説明することが提案されている。より分かりやすい表現があるかは未決である。 |
| 電源を問わず指定なし証書、または証書なし | 再エネ訴求は不可とする整理である。証書を使わない電気の表示方法は今後の検討事項である。 |
FIT電気の表示案は、FIT制度による費用補填が需要家全体の賦課金を原資とするという過去の整理を踏まえつつ、現行GLの説明要件を維持して非FIT再エネ電源との区別を図る考え方である。FIT電気と特定して調達したこと(発電事業者とのPPA等、または送配電買取分の特定卸供給)が前提として示されている。
作業部会の整理では、再エネ指定証書を使った場合は調達電源にかかわらず「実質ゼロエミ」、指定なしの非FIT証書を非化石電源に使った場合は「ゼロエミ」とする案が示されている。これは作業部会での整理であり、本資料ではGLへの反映が決定したとはされていない。
今回の審議を踏まえて再エネ訴求の整理を進め、証書を使わない非化石・再エネ電気(「抜け殻」の電気)の表示など残る論点を次回以降検討する方針が提案されている。その後、小売営業GLの改定案を検討する予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「非化石証書制度の変更を踏まえた 小売営業ガイドラインの改定について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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非化石証書は、原子力や再生可能エネルギーなど二酸化炭素を排出しない電源が持つ「環境価値」を、電気そのものから切り離して証書の形で取引できるようにした仕組みです。2018年5月に非化石価値取引市場が創設され[DOC:6b39f868-c6d0-4523-942d-45e6aef45eac]、環境価値の対価を非化石電源に還流させることを目的としています。
非化石証書は、電気そのものではなく**電気から切り離された環境価値**を売買する商品である。2018年5月の市場創設以来、対象電源の拡大(2020年度)、需要家の直接購入解禁(2021年)と制度が段階的に広がり、いま論点は「表示に使えるか」から「排出係数や排出量取引制度の数字に効くか」へ移りつつある。調達判断の巧拙は、証書の種類と属性情報、そして表示ルールの三点セットをどこまで正確に押さえているかで決まる。
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