本資料は、米国・英国・フランス・スウェーデンの規制機関等を日本の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)と比較し、2024~2026年を想定する中期方針と監視機能強化の方針に向けた論点を示すものである。方針や制度変更を決定した資料ではなく、海外事例を踏まえた検討提案である。主な示唆は、人員・専門性、予算、権能、デジタル監視、広報の各機能を、将来の役割に応じて強化できるか検討することである。
海外では市場監視の担当人員が日本より多い例が多く、比較対象では日本の64人に対し、FERCは388人、Ofgemは560人である。ただし、規制対象や許認可等の権限が異なるため、単純な規模比較ではない。海外機関ではエコノミスト・アナリスト、エンジニア、データ・デジタル専門人材を採用し、調査分析、料金審査、ツール開発に充てている。中途採用が難しいため、学生採用・育成、研修、人材プール、必要に応じた派遣・コンサルタント活用も行われている。
資料が示す日本への検討事項は、必要な役割を見極めた増員と専門人材の採用・育成、一時的な外部人材活用、政策当局等との人材交流、組織・人員配置の柔軟性である。人材交流では規制機関の独立性への配慮が必要とされる。
海外の予算は日本より大きく、FERCは2025年度約5億6,540万ドル、Ofgemは2022年度約1億4,000万ポンドである。両機関では近年も予算が増加し、FERCでは建設案件対応や情報技術・AI活用、Ofgemではガス危機対応、サイバーセキュリティ、役割拡大が主な要因として挙げられる。資料は、日本でも必要性を精査した上で予算を柔軟に拡大することや、被規制事業者からの料金・賦課金を財源とする方法を検討課題としている。なお、各国の年度や予算範囲は異なる。
対象国の海外機関は規則制定権を持つ。事業許可や料金規制の権限は国により異なり、罰金等の処分権限を持つ機関も多い一方、日本の電取委は規則制定・許認可・料金認可・罰則適用の権限を持たず、料金審査の実務等を担う。資料は、権限変更を既定方針とはせず、他省庁との関係や、権限を担うための体制構築の可否を踏まえて要否を判断するよう提案する。
競争当局との分担は各国で異なる。英国は管轄が重なる場合に協議して担当機関を決める方式であり、日本のように管轄を明確に分ける方式にも迅速に対応しやすい利点があると整理されている。海外ではエネルギー規制機関がデリバティブ取引も監視対象とする例があり、金融市場規制当局との重複は協議・連携で扱う。日本は現物市場を管轄しており、先物市場に範囲を広げる場合には同様の調整方法が検討対象となる。
海外機関は既成ツールと内製ツールを組み合わせ、市場取引データの分析や異常検知、情報提出の効率化に活用している。ツールの導入により、職員を定型的な処理から分析・政策立案等へ移すことが期待される。資料は、日本でも監視の効率化・高度化を進め、導入を検討するためのデータ・デジタル専門人材や開発体制を整えることを提案する。開発人材を一時的に派遣で確保する方法も示されている。
FERCやOfgem等は広報・市民参加を担う部署を設け、教育資料、SNS、消費者向け情報、問い合わせ窓口を通じて情報提供している。資料は、日本でも広報担当の部署または人材を配置し、教育資料やSNS発信によって電取委の活動を需要家に周知することを検討事項としている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「海外の電力・ガス規制機関の調査および日本との比較検証」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_emscverification.html)をもとに当社作成
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