本資料は、2026年度から本格稼働する排出量取引制度を念頭に、公正な炭素価格の形成を支える市場取引の法的枠組みを検討するための論点提示である。取引業者・仲介業者、取引所、不公正取引への規律について、必要性や制度設計は未決定であり、会議での議論を求めている。
制度対象者による実需取引を基本としつつ、市場を円滑に機能させるため制度対象者以外の取引業者・仲介業者の参加も想定する。検討課題は、参加資格や業務上の行為規制を設ける必要性と、その具体的内容である。目的として、取引参加者・委託者の保護、業者の適正性確保、公正な価格形成が挙げられる一方、制度内の価格上下限や価格安定化措置がある場合にも追加規律が必要かが問われている。
| 比較対象 | 市場参加・業規制の特徴 | 不公正取引規制の特徴 |
|---|---|---|
| EU-ETS | 幅広い主体が参加し、排出枠は金融商品として業者・仲介業者規制の対象 | 相場操縦・インサイダー取引等を規制 |
| K-ETS | 取引所参加者を制度対象者や指定金融機関等に限定。参加者拡大を検討 | 資本市場法の規制の一部を適用 |
| GX-ETS参考例 | GXリーグ参画代表企業が口座開設。カーボン・クレジット市場では業務体制・財務状況等を要件に法人・自治体等が参加 | 特段の規制なし |
排出枠取引所については、取引所の乱立が取引を分断し、導入初期に公正な価格形成を損なうおそれを踏まえ、取引所集中義務の要否を検討する。証券市場では1998年の法改正で競争と多様な取引ニーズを重視して集中義務を撤廃した一方、商品先物市場では取引秩序・価格形成の維持を理由に集中を維持している。取引所の開設許認可や運営規制、自主規制のほか、ストップ値幅、価格激変防止措置、サーキットブレーカーも選択肢として示されている。
相場操縦、インサイダー取引、空売り、不正行為、風説の流布、偽計等について、排出枠市場で価格形成を阻害するリスクがあるか、それぞれ規制すべきかが論点である。仮装取引・馴合取引による相場操縦や、一般的な不正行為の禁止は検討対象となる。インサイダー情報は、発行会社を持つ株券とは異なり、企業情報が排出枠の需給に影響する情報にとどまるため、対象範囲の定義が難しい可能性が示されている。空売りは市場創設期に十分な厚みがない可能性と、流動性を高める効果の双方が挙げられ、特段の規制が必要かは未決定である。
実務対応報告第15号では、活発な取引市場が整備されていない場合、時価変動益を目的とする排出クレジットでも金融投資に該当せず、事業投資として取得原価を基礎に処理する考え方が示されている。活発な市場が整備され、金融投資として保有する場合は、トレーディング目的の棚卸資産として期末時価で評価し、取得原価との差額を当期損益に計上する。今後の排出枠市場にもこの考え方が妥当するか、また「活発な取引市場」の判断基準をどう定めるかが未決の論点である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「排出枠の市場取引に係る 法的在り方に関する論点について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/gx_implementation/index.html)をもとに当社作成
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非化石証書は、電気そのものではなく**電気から切り離された環境価値**を売買する商品である。2018年5月の市場創設以来、対象電源の拡大(2020年度)、需要家の直接購入解禁(2021年)と制度が段階的に広がり、いま論点は「表示に使えるか」から「排出係数や排出量取引制度の数字に効くか」へ移りつつある。調達判断の巧拙は、証書の種類と属性情報、そして表示ルールの三点セットをどこまで正確に押さえているかで決まる。
非化石証書は、原子力や再生可能エネルギーなど二酸化炭素を排出しない電源が持つ「環境価値」を、電気そのものから切り離して証書の形で取引できるようにした仕組みです。2018年5月に非化石価値取引市場が創設され[DOC:6b39f868-c6d0-4523-942d-45e6aef45eac]、環境価値の対価を非化石電源に還流させることを目的としています。
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