第8回DRready勉強会におけるEV充電・充放電のデマンドレスポンス(DR)調査結果
資料の目的・背景
この資料は、第8回DRready勉強会におけるEV充電・充放電のデマンドレスポンス(DR)に関する調査結果を示している。特に、充電器および充放電器メーカーを対象に、DRの現状や課題についてヒアリングを行った結果をまとめている。
EV充電・充放電のDRの全体像
- EV充電・充放電のDRは、充電器・充放電器だけではなく、自動車や充電サービス事業者も関連する。
- DRの現状を把握するためには、各プレイヤーの視点が不可欠である。
関与するステークホルダー
- DRサービサー(小売電気事業者・アグリゲーター)
- 充電ポイントオペレーター(CPO)
- 充電器・充放電器メーカー
- 自動車OEM
調査の目的と方法
- 調査対象は、2022年度の出荷台数を基準にしたトップ3社またはシェア70%以上を有する企業である。
- 調査項目には以下が含まれる。
- DRの仕組み
- DRのユースケース
- DRの運用方法
- 取引データ項目
- サービス連携に関する意見
- 機器の運転モード
- 国内出荷充電器・充放電器の外部制御対応状況
EV充電器・充放電器の種類
EV充電器および充放電器は以下のように分類される。
- 普通充電器
- コンセントタイプ: 充電のみ可能
- ケーブル搭載タイプ: 充電のみ可能
- 急速充電器: 充電のみ可能
- 充放電器: 充電と放電が可能
- V2Hシステム(家庭への給電)
- V2Bシステム(建物への給電)
- V2Gシステム(系統への逆潮流)
DRのパターン
DRには以下の3つのパターンが存在する。
| DRパターン | 普通充電器 コンセントタイプ | 普通充電器 充電ケーブル搭載タイプ | 急速充電器 | 充放電器 |
|---|
| ① 充電タイミングのシフト | | | | |
| ② 家/建物への給電 (V2H/V2B) | | | | |
| ③ 系統への逆潮流 (V2G) | | | | |
DRのユースケース
一般的には以下のユースケースが考えられる。
需要家向け
- 契約容量超過回避(ブレーカー遮断回避)
- 電気料金削減
- 自家消費最大化による従量料金削減
- ピークカットによる基本料金上昇回避
小売電気事業者向け
- 経済DR(調達費用削減)
- 容量拠出金削減
電力市場や送配電向け
- 需給調整市場
- 容量市場
- 系統混雑回避(フレキシビリティ提供)
DRの運用と機器の連携方法
- DRサービスにより充電計画を策定し、指令を機器メーカーサーバーへ送信する。
- 各種情報は機器からDRサービスに送信され、制御が実施される。
| タイミング | DRサービス | 機器メーカーサーバ | 充電器/充放電器 | EV車両 |
|---|
| DR計画作成時 | 群もしくは個別機器に対する指令 | | | |
| DR指令送受信時 | 群もしくは個別機器に指令送信 | 指令受信 | | |
| DR制御時 | | | 指令送信 | DR制御動作 |
| DR制御後 | 状態受信 | 状態受信 | 状態送信 | |
機器の運転モード
- 普通充電器・コンセントタイプでは特定の運転モードは存在しない。
- 普通充電器と急速充電器では、ユーザーおよび外部からの指示による充電モードが存在する。
- 充放電器では、自家消費優先モードや停電時対応モードが確認されている。
| タイプ | ヒアリング対象全社で確認できた運転モード | 一部メーカーで確認できた運転モード |
|---|
| 普通コンセントタイプ | 充電コネクタを挿すと自動的に充電開始 | - |
| 普通ケーブル搭載タイプ | 自動的に充電開始 | 外部制御モードが存在 |
| 急速充電器 | ユーザーが指定 | 外部制御モードが存在 |
| 充放電器 | 自動的に充電開始 | 外部制御モードが存在 |
国内出荷EV充電器の外部制御への対応状況
2024年度のEV充電器の出荷台数における外部制御可能なポテンシャルは以下の通りである。
普通充電器
- サーバ経由の外部制御可能なポテンシャル: 0%
- GW経由の外部制御可能なポテンシャル: 0%
ケーブル搭載充電器
- サーバ経由の外部制御可能なポテンシャル: 50%
- GW経由の外部制御可能なポテンシャル: 10%
急速充電器
- サーバ経由の外部制御可能なポテンシャル: 55%
- GW経由の外部制御可能なポテンシャル: 8%
この結果から、充電器の外部制御の普及状況が明らかとなった。
国内出荷EV充放電器の外部制御への対応状況
概要
2024年度において、日本国内でEV充放電器を販売している企業に対して、出荷台数および外部制御可能なポテンシャルに関するアンケート調査が実施された。この調査は、三菱総合研究所によって行われた。
アンケート調査の結果
- 出荷台数のうち、実に以下の割合が外部制御可能なポテンシャルを有することが確認された。
- サーバ経由で外部制御可能なEV充放電器の割合: 94%
- GW経由で外部制御可能なEV充放電器の割合: 92%
※未対応の機器を販売している事業者は複数存在する。
外部制御可能なEV充放電器の状況
DR(需要家リスポンス)の現状
充電器・充放電器メーカーの目線
国内のEV充電・充放電のDRの現状について、以下の表に示す通り整理した。
| 項目 \n(青字:ポイント) | 普通充電器コンセントタイプ | 普通充電器充電ケーブル搭載タイプ | 急速充電器 | 充放電器(V2H機器) |
|---|
| DRの仕組み | メーカー間で機器の種類が異なる | IoTモジュール外付けによりON/OFF制御が可能 | OCPP対応でDRサービスに対応 | 基本的にGW経由でリモコン内蔵 |
| DRのユースケース | 商用レベルの実績は少ない | 需要家向けの電気料金割減で実証中 | 経済DRでの電気料金割減が主 | 商用レベルで家庭用蓄電池と同様に活用 |
| DRの運用 | DRサービスによって計画 | 充電計画の策定、充電の開始停止が可能 | ユーザ指定の充電タイミング | 自家消費優先モードも可 |
| 機器の運転モード | 基本的に外部制御モード | ユーザ指定で充電開始 | 外部制御モード | 自家消費優先モードなど |
今後の議論
今後は、サービス目線も加えた整理を行った上で、さらなる議論を進めることが重要である。
結論
本調査は、国内EV充放電器の外部制御の普及状況を明らかにし、今後の需要家リスポンスに対するサービス展開の指針となることが期待される。