本資料は、託送供給等約款の送電ロス率について、スマートメーター設置完了後の扱いを提案するものである。現行の「過去3年分の実績平均を用いて毎年度改定」は現時点では維持し、2023年度導入予定のレベニューキャップ制度下では、規制期間ごとに期初設定し、期中の乖離による費用変動を事後検証して必要に応じ翌期に調整する案が示された。いずれも本資料時点では審議対象の提案であり、決定事項ではない。
| 状況 | 約款ロス率の扱い(提案) |
|---|---|
| レベニューキャップ制度の期初 | 規制期間ごとに設定する |
| 期中 | 約款ロス率と実績ロス率の乖離に伴う調整力可変費等の変動を事後検証し、必要に応じ翌期に調整する |
| 期初時点でスマートメーター未設置 | 設置完了まで過去3年の実績平均で毎年度改定し、完了後は直近の改定値を残りの規制期間に用いる |
約款ロス率は、小売電気事業者が需要家の使用端電力量を供給するために調達する電力量を算定する基準である。約款ロス率が実績ロス率を上回ると、スマートメーター設置完了前は、新電力の需要実績が過大、旧一電小売の実績が過小に算定され、公平性を損なう。このため、2019年の整理では設置完了まで実績値の計算方法が統一されるよう、過去3年平均による毎年度改定が方向性として示された。
設置完了後は両者の計算方法が統一され、公平性は確保される一方、約款ロス率が実績を上回れば、小売全体のインバランス算定用需要が実際の発電量を上回り得る。小売がインバランスを避ける調達を行う場合、供給力が余剰となって下げ調整指令が増え、一般送配電事業者の収入が増加する可能性がある。
毎年度、過去3年平均で改定しても約款値と実績値の乖離は残り、実績ロス率は外生要因等により年度ごとに大きく変動し得る。したがって資料は、現行の改定方法を直ちに見直さない案を提示する。直近データでも乖離の方向は電圧・エリア・年度で異なり、単一の傾向にはまとめられない。
低圧スマートメーターの設置完了は東京PGが2020年度末、他エリアは計画どおりなら2022~2024年度末の見込みであり、全体の計算方法統一は2024年度までの見込みである。資料は、未設置事業者について設置完了まで毎年度改定し、完了後は規制期間の残りに直近値を適用する例として、沖縄電力では2024年度まで改定し、2025~2027年度は2024年度設定値を用いる案を示す。
レベニューキャップ制度では5年間の規制期間を設け、調整力可変費などを事後検証する方向で検討されている。本資料の案は、この費用区分を踏まえて約款ロス率の乖離に伴う変動を検証し、翌期調整につなげるものである。なお、参考資料では、送電ロス率のみを変更する約款改定について、託送料金・経過措置料金の原価を洗い替える必要はないとの整理が示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「約款上の送電ロス率の扱いについて」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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