2022年度以降のインバランス料金は、実需給における電気の価値を反映するため、調整力の限界的なkWh価格を基本とし、需給ひっ迫時には補正料金と通常料金の高い方を適用する制度である。需給ひっ迫時補正は、送配電事業者が活用できる供給力の余力を示す「補正料金算定インデックス」を用いて算定する。制度の基本設計は既に審議されているが、本資料では昨冬の実績を用いた妥当性の検証が今後の課題として示されている。
| 項目 | 制度上の扱い |
|---|---|
| 通常時 | 稼働した調整力の限界的なkWh価格を料金に反映 |
| 需給ひっ迫時 | 通常料金と補正料金の高い方を適用。Cは原則600円/kWhだが、2022~2023年度は暫定的に200円/kWh、Dは45円/kWh。インデックスの基準点はA=3%、B’=8%、B=10% |
| 市場価格補正(P補正) | 系統不足時は不足料金が市場価格を下回らず、系統余剰時は余剰料金が市場価格を上回らないよう補正する設計 |
Cの600円/kWhは、追加DR確保費用の試算と、BGの負担への配慮を踏まえた原則値である。2022~2023年度の200円/kWhは激変緩和の暫定措置であり、期間終了後は600円/kWhへの変更を原則とする。ただし、期間中のインバランスや料金、リスク回避手段の整備状況を確認し、延長や段階的変更を必要に応じて検討する扱いである。
2020年度冬季には、スポット市場の売り切れ状態などを背景に市場価格とインバランス料金が急騰し、一部の時間帯では調整力コストや需給ひっ迫の程度と異なる動きがあった。事務局は、昨冬のひっ迫期間に新制度の補正料金を当てはめ、料金が電気の価値を適切に反映するか、現行設計でよいかを分析する方針を示している。特に、kWh不足を現行の補正料金が十分に捉えられるかが未検証の論点である。
補正インデックスは、広域エリアの供給力と需要から算定する。水力は設備出力と貯水量等を使った統一的な算定方法とした一方、火力は起動・並列中の最大出力を計上する設計である。昨冬、燃料制約を供給力に反映するかについて一般送配電事業者間で扱いに差があったため、kWh不足時の指標として十分かを、広域機関で検討中のkWh余力率も参考に検証する。kWh余力率は、1週間のkWh余力を同期間の日電力量合計で割る指標で、確保水準として3%が設定されている。
事務局は、卸電力市場価格補正(P補正)を廃止する案を提示し、会合での議論を求めている。P補正は、調整力価格が電気の価値を反映しない場合に備えた予防策であり、系統不足時に市場価格よりインバランス料金が低くなることで需給一致の誘因が失われる事態を防ぐ目的を持つ。
一方、Pは実需給に近い時間前市場取引から異なる5事業者の5取引の平均を用いるため、昨冬のように需給状況とは異なる市場高騰が再発すれば、その価格を料金に反映し、実需給の価値と乖離するおそれがある。事務局は、需給ひっ迫時には補正料金で需給一致の誘因を確保できることなどを理由に廃止が適切と提案している。制度開始後、系統不足時に料金が市場価格を下回る等の事象がどの程度起きるか注視する考えも示されている。
需給ひっ迫時に追加対策が発動した場合は、そのコストを料金に反映する設計である。電源Ⅰ’はkWh価格を通常料金カーブに算入し、緊急確保した自家発は自家発がなかった場合のインデックスを基に補正する。電力使用制限は100円/kWh、計画停電は補正料金のC価格を限界価格として扱う。節電要請には料金へ反映する特別ルールを設けない。
太陽光・風力の出力抑制中に系統余剰となった場合は、抑制した電源を限界費用0円/kWhとみなし、料金を0円/kWhとする。ブラックアウトからネットワーク機能の復旧まで卸市場を停止し、料金は発生日には直前のスポット価格、翌日以降は発生直前1週間の各コマ平均価格を用いる。設備損壊などで物理的に通電できない地域は復旧対象から除く。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2022年度からの新たなインバランス料金制度の今後の検証等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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