旧一般電気事業者及びJERAの内外無差別な卸売の評価結果
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が作成した「現時点における旧一般電気事業者及びJERAの内外無差別な卸売の評価結果」に関する報告である。この報告は、2025年6月27日に開催される第10回制度設計・監視専門委会において、旧一電等の相対卸契約に関する評価を含む重要な内容を含む。
主要な検討内容・論点
1. 25年度受渡しの相対卸契約に関する状況
- 旧一電等の供給力の行き先の推移および社外・グループ外向け取引の内訳について報告される。
- 第2回制度設計・監視専門委会で、内外無差別な卸売の次回フォローアップは、25年度上半期に実施されることが整理された。
2. フォローアップの評価内容
評価の中心は以下の二点である:
- 24年度に締結された、25年度以降を契約期間とする単年卸及び長期卸
- 24年度に締結された期中契約の評価
3. 評価方針
事務局による確認結果に基づいて、内外無差別な卸売が担保されているか否かを、エリアごとの評価で確認する。
重要な数値・データ
旧一電等の供給力の行き先別内訳推移(kW)
| 内訳 | 2020年8月 | 2021年1月 | 2021年8月 | 2022年1月 | 2022年8月 | 2023年1月 | 2023年8月 | 2024年1月 | 2024年8月 | 2025年1月 | 2025年8月見積値 | 2026年1月見積値 |
|---|
| 社内グループ内向け千kW | 121,195 | 116,011 | 118,781 | 114,934 | 118,202 | 113,255 | 109,206 | 109,738 | 86,113 | 97,951 | 91,050 | 90,283 |
| 社外グループ外向け千kW | 8,339 | 9,448 | 12,847 | 13,810 | 12,237 | 12,806 | 7,022 | 7,977 | 11,508 | 11,250 | 9,659 | 8,919 |
社外・グループ外向け取引の内訳推移(kW)
| 指標 | 2020年8月 | 2021年1月 | 2021年8月 | 2022年1月 | 2022年8月 | 2023年1月 | 2023年8月 | 2024年1月 | 2024年8月 | 2025年1月 | 2025年8月 | 2026年1月 |
|---|
| 相対卸千kW | 7,914 | 9,051 | 11,434 | 10,374 | 8,565 | 9,536 | 5,752 | 6,275 | 9,651 | 9,346 | 8,589 | 7,849 |
| 常時バックアップ千kW | 208 | 179 | 1,277 | 3,300 | 3,008 | 2,606 | 420 | 852 | 981 | 1,027 | 745 | 745 |
| ベースロード千kW | 218 | 218 | 136 | 665 | 665 | 850 | 850 | 876 | 876 | 876 | 325 | 325 |
スケジュール・今後の予定
- 次回のフォローアップは、2024年10月の第2回制度設計・監視専門委会において実施される予定。
- 2025年度に向けて、各社による契約を評価し、内外無差別の担保が求められる。
課題・リスク
- 旧一電等の卸売プロセスの透明性が求められており、内外無差別が担保されていない場合は早急に改善を行う必要がある。
- 特に、既存の長期契約がある場合は、その影響を考慮した取引が必要である。
評価結果サマリ
各エリアの総合評価
| エリア | 総合評価 | 卸売プロセス評価 | 小売価格と調達価格評価 |
|---|
| 関西電力 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 中国電力 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 四国電力 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 九州電力 | 〇 | 〇 | 〇 |
各エリアにおいて、内外無差別の原則が担保されているという評価がなされている。
関西エリア(関西電力)
- 総合評価: ◎(内外無差別が担保されている)
- 評価の要点:
- 単年卸に関して、販売量の2/3は購入量上限が解除され、自社小売と社外小売の契約価格において、自社小売が安価であることが確認された。
中国エリア(中国電力)
- 総合評価: 〇(内外無差別が担保されている)
- 評価の要点:
- 入札回数および長期卸の合理的配分プランが確認された。
四国エリア(四国電力)
- 総合評価: 〇(内外無差別が担保されている)
- 評価の要点:
- 公平基準での相対交渉が実施され、自社小売のみ有利でないことが確認された。
九州エリア(九州電力グループ)
- 総合評価: 〇(内外無差別が担保されている)
- 評価の要点:
容量確保契約金の控除方法
容量確保契約金控除の考え方
| 事業者 | 容量確保契約金の控除の考え方 |
|---|
| JERA | プライスベースの交渉のため容量確保契約金は別途控除しない |
| 北陸 | プライスベースの交渉のため容量確保契約金は別途控除しない |
| 関西 | 最低価格から容量確保契約金相当額は控除しない |
| 中国 | プライスベースの入札制のため容量確保契約金は別途控除しない |
| 四国 | プライスベースの交渉のため容量確保契約金は別途控除しない |
| 九州電力 | 卸価格から容量確保契約金相当額を控除 |
各社の与信評価の概要とその評価
与信評価の目的
各社が自社小売を対象外とした与信評価の基準を検討し、評価への合理性及び社外向けの与信評価基準の厳しさについて確認した。
事業者別の与信評価基準
| 事業者 | 与信評価基準の概要 | 前払い保証金等の選択肢 | 契約不可の判断根拠 | 自社小売が対象外の理由 |
|---|
| 北海道電力 | 外部機関の評価に基づく | 保証金親会社保証も選択可能 | 契約不可事例なし | 自社を信用できないため |
| 関西電力 | 外部機関評価及び最大貸倒損失想定に基づく | 保証金・前受金・第三者保証のいずれかを選択 | 契約不可事例なし | 精算行為が発生しないため |
非化石証書の内部取引分に係る各社のコスト認識
概要
各社が非化石証書の内部取引の費用をどのように認識しているかについての説明があり、グループ内の長期契約の範囲内で取引されることが定められた。
各社のコスト認識と対応状況
| 事業者 | 非化石証書の内部取引の単独でのコスト認識 | 単独でコスト認識していない理由 |
|---|
| 北海道 | 有市場の約定価格連動 | - |
| 東北 | 有社外小売との相対取引価格の年平均直平均価格 | - |
| 東電HDRP | 無 | グランドファザリングの制度に則り、電気の価格と区分することなくセットでグループ内に販売 |
| 中電HD | 無 | 既存の長期契約において電気と非化石価値をセットで受渡すことが定められているため |
今後の予定
次回以降のフォローアップに向け、必要に応じて取引ログの提出や、個別協議の説明が期待される。