2025年1~3月期は、スポット市場の約定量が727億kWh(前年同期比1.2倍)、平均システムプライスが12.51円/kWh(同10.06円から上昇)となった。価格が30円/kWhを超えた日は前年同期の2日から10日に増加し、3月4日には37.55円/kWhを記録した。資料は、LNGスポット価格・為替の上昇に加え、3月の気温低下による需要増と火力発電所の定期検査等による供給力低下を要因として挙げる。
| 指標 | 2025年1~3月期 | 前年同期比・比較 |
|---|---|---|
| スポット売り・買い入札量 | 1,179・909億kWh | いずれも1.1倍 |
| 時間前市場約定量・平均価格 | 17.5億kWh・13.32円/kWh | 量は1.0倍、価格は前年10.96円から上昇 |
| 先渡市場約定量 | 0 | 約定実績なし |
| 先物市場約定量 | 371.8億kWh | 2.2倍 |
スポット市場の売買入札量増加と価格帯構成の違いが、約定量増加の背景と推定される。旧一般電気事業者と新電力その他はいずれもスポット市場で買い越しであり、旧一般電気事業者の買い約定量が売りを上回る状況、新電力その他も2024年1~3月期以降買い約定量が売りを上回る状況が続く。時間前市場では旧一般電気事業者の売り約定が前年同期比1.3倍となり、供給力提供通知を受け、スポット市場の売り未約定分を時間前市場に供出したことが一因とされる。
市場分断率は10連系線中7か所で前年同期より上昇した。関西・四国間は平均50.3%、中国・四国間は47.7%で、前年同期の約1%から大幅に上昇し、2024年11月以降継続している。四国からの潮流増加、関西・四国間の作業に伴う運用容量低下と中国・四国間への潮流偏りが要因として推定され、3月下旬には山林火災の影響で中国・四国間連系線が保安停止した。
エリア価格は全地域で前年同期を上回ったが、分断状況により地域差が生じた。3か月平均では北海道・東北・東京・中部が13円台、北陸・関西・中国が12円台、九州が11円台、四国が10.08円/kWhである。3月は東京・中部間の分断率上昇と西エリアの価格高騰を受け、中部・北陸・関西・中国の平均価格(12.13円/kWh)が東エリア(11.76円/kWh)を上回った。四国は本州との分断率上昇と連系線停止の影響を受け、低い価格が続いた。
価格の高い日には、旧一般電気事業者の自社供給力に対する入札可能量は7~9%程度であり、価格の低い日の11~16%程度を下回った。売りブロック入札は、価格高騰日に入札量が減り約定率が上がる傾向があり、3月4日は約定率41.4%であった。一方、グロス・ビディング休止後の売りブロック約定率は3か月平均約5%である。余剰電力の一部を0.01円/kWhで売る方式から限界費用での供出に変更したため、ブロック札が約定しにくくなったと説明される。
電源開発電源の切出しは設備総出力約1,200万kWのうち約61.9万kW(約5%)で、前年同期から進展はなく、各社の追加切出しは未定である。公営水力は総設備容量約231万kWのうち約141万kW(61.3%)が競争入札等による契約であり、2024年度に長期契約が終了した自治体の移行により前年同期比約75万kW増加した。旧一般電気事業者からの相対供給は2025年3月時点で総需要の11.4%(80.4億kWh)、うちグループ外向けは8.4%で、新電力需要の42.4%に相当する。
2025年3月の新電力シェアは総需要の19.8%(特高・高圧16.6%、低圧24.2%)で、前年よりやや上昇した。低圧では、規制料金から自由料金または新電力への累積スイッチング率が49.9%、旧一般電気事業者から新電力等への移行率が23.3%である。年度のスイッチング率は2024年度に3.9%となり、前年度から約1.3ポイント上昇したが、グループ会社間の大型事業移管が大きく影響しているとの留意が示される。低圧料金は、2023年の規制料金改定後、全エリアで規制料金が自由料金を上回るか同程度の水準である。
2025年3月末、旧一般ガス事業者9社の相対卸供給は全国都市ガス小売供給量の約9%で、新規参入者向けは約0.6%である。スタートアップ卸は2020年度に開始した自主的取組で、累計120件の問合せに対し、契約締結済み24件、交渉中13件、交渉終了83件である。資料は今後も電力市場のモニタリングを継続するとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「自主的取組・競争状態のモニタリング報告(2025年1月〜3月期)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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JEPX(日本卸電力取引所)は、電気を売りたい事業者と買いたい事業者が集まって取引する日本で唯一の卸電力取引所です。2003年に設立され2005年に取引を開始し、電力自由化の下で発電事業者と小売電気事業者が公平に電気を売買できる場を提供しています[DOC:583b350c-f52d-4d57-8025-9c594f6b1bd0]。
日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
2026年度向けの卸売では、四国エリアを除くすべての評価対象エリアで常時バックアップの休止が決まった(決定済み)[DOC:53305f48-3af2-4d14-b90f-8fd6ee66f863]。同時に、電力先物の四半期約定量は2025年10〜12月期に471.1億kWhへ達し、同期のスポット市場約定量680億kWhの約7割の規模になっている [DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。中長期の価格リスクをどこで処理するか、という問いの答えが実務上すでに移動している。
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