2025年3月末のデータに基づく競争状況の確認では、10区域すべてが現行の解除基準を満たさず、経過措置料金の指定解除が妥当な区域はないとの事務局評価である。これは審議会での確認に向けた評価であり、資料上、解除や基準変更が決定されたものではない。電力システム改革の検証とりまとめも、解除が妥当な区域はないと評価し、基準に基づく確認の継続を求めている。
| 判断要素 | 2025年の状況 | 評価 |
|---|---|---|
| 消費者等の状況 | 電力自由化の認知度は全国で約9割。スイッチングは全区域で進展しているが、足元では伸びが鈍化 | 全区域で一定の充足 |
| 競争圧力 | 低圧電灯の契約口数シェアで5%以上の競争者がいるのは北海道・東京・中部・関西・沖縄の5区域。いずれも2者以上はいない | 全区域で不十分 |
| 競争の持続的確保 | 内外無差別な卸売が担保されているとの評価は北海道・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄。東北・東京・中部は「合理的な理由なく差別した事例なし」との評価 | 東北・東京・中部は十分と認められず、他の7区域は認められる |
事務局は、燃料費調整額の上限によって規制料金と自由料金が逆転する問題と、経過措置料金の解除基準は分けて扱うべきとの考えを示す。前者は規制料金の価格設定の問題であり、その見直しで対応すべきで、解除基準を変更する理由にはならないという整理である。
第二要素(有力で独立した競争者の存在)についても、現時点で変更不要との考え方案を提示し、意見を求めている。根拠は、制度の目的が「規制なき独占」の防止であること、5%程度という目安は一般的な企業結合審査の10%より低く設定されたこと、電力は価格協調のリスクを踏まえて通常2者以上の有力競争者が必要とされたこと、これらの基礎となる状況に変化がないことである。5%未満でも、顧客基盤・営業範囲・電源・事業拡大方針などから同等の競争力が認められれば、第二要素を満たすと判断し得る余地は維持する。
燃料価格高騰時には、燃料費調整額が基準平均燃料価格の1.5倍という上限に達し、燃料費を料金に転嫁できない状況が生じた。2023年5月に規制料金を改定した7事業者では上限超過が解消した一方、改定しなかった事業者の一部では超過が継続し、自由料金単価が規制料金単価を上回る傾向がある。資料は、経過措置料金が競争を妨げるとの指摘と、料金上昇の速度・幅を抑えた効果の双方を紹介している。
燃料費調整額の上限を含む経過措置料金の在り方は、2025年中を目途に制度改正をまとめるため設置される電力システム制度改正の会議体で議論することが望ましいとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「経過措置料金の指定解除に係る 競争状況の確認について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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電気の小売全面自由化から8年以上が経過した今も、家庭や小規模事業者が契約する「従量電灯」などの料金メニューは、政府の認可を受けた規制料金の枠組みの下に置かれている。2016年に「経過措置」として設けられたこの制度は、当初2020年3月末に撤廃される予定だったが、競争が十分に育たないとの判断から存続が続き、撤廃の見通しは今なお立っていない。需要家にとっては「安全網」に見えるこの制度が、市場の競争促進を妨げているとの指摘もあり、制度の行方は小売事業者・需要家双方の戦略判断に直接影響する。
電力の切替手続きそのものは、2016年の全面自由化時に構築された共通システムでほぼ標準化され、実務上の争点は限られた残余論点に絞られてきた。一方で、審議会が公表する「スイッチング率」「新電力シェア」は指標として異なる現象を測っており、2026年には競争状況の測り方そのものが変更された。本稿では、制度の現在地と指標の読み違えを避けるための論点を整理する。
2016年4月の電気小売全面自由化から10年が経過した。需要家の認知は高まり、スイッチング率も全国平均で50%を超えた。しかし数字の内訳を掘り起こすと、依然として旧一電が各エリアで圧倒的なシェアを保持しており、制度的な競争促進策も限界に差し掛かっていることがわかる。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。