東京電力パワーグリッドは、2026年度の揚水随意契約(揚水随契)を120万kWとし、準備を進める考えを示した。現契約量60万kWの2倍である。資料上は契約決定ではなく、契約条件を精査し、準備が整い次第契約する段階である。判断の軸は安定供給、電源等の参加機会、コストの適切性・透明性である。
| 観点 | 資料が示す根拠・見通し |
|---|---|
| 安定供給 | 120万kWを考慮しても一次調整力は多くのコマで市場未達が続く見込み。必要量の一部を随契で予約確保する意義があるとする。 |
| 市場参加・競争 | 120万kWとしても、随契を反映した2026年度の募集量は2025年度より多い見込み。複合では約定率100%以上を維持し、競争環境を保てるとする。 |
| コスト | 一次では未達時の費用高騰リスクを抑え、複合では高価格札を不落とすることで費用低減を見込む。 |
2025年度は契約量60万kWで、随契単価は0.47円/ΔkW・h、需給調整市場のRC申請単価2.19円/ΔkW・hを下回った。2025年10月~2026年1月の調整力調達では、市場調達が34.2%、揚水随契・余力活用等が65.8%で、総合単価は2.75円/ΔkW・hだった。市場調達単価は6.68円/ΔkW・h、余力活用は5.28円/ΔkW・hである。
2025年度の競争状況は商品で異なる。一次は調達未達が続き、適切な競争が働かず、不落札はなかった。複合は競争が働き、一次の未達による全量約定のもとでも、安価な随契によりRC単価以上の高価格札を不落として費用を抑えた。一部のRC単価以下の札も不落となった。
2026年度の募集量には、自然体余力の控除終了と原子力再稼働による必要量増加が上向き要因、一次等の募集量を3σから1σへ見直すことが下向き要因となる。原子力再稼働により単機最大ユニット容量が100万kWから136万kWとなり、3月7日受け渡し分から緊急時対応分の募集量が増えた。資料の試算では、これらを踏まえても随契量を120万kWとした後の募集量は2025年度を上回る。
一次の未達量がすべて上限価格30円/ΔkW・hで約定するとの仮定では、未達対応の費用試算は随契量60万kWの場合で約1,097億円、120万kWの場合で約733億円となる。これは2025年10月~2026年1月の応札実績を基に1年分へ換算した試算であり、実績額ではない。
2026年度の複合調達ポートフォリオの想定は、需給調整市場44%、揚水随契41%、余力活用15%である。随契量を増やしながら一定の市場規模を確保し、新規リソースの参加や応札動向の変化に備える構成としている。前日取引・30分化後は応札量が増加した一方、一次は未達が大半のコマで続き、複合は競争環境が維持されたとの実績も示された。ただし、約定結果の判明から実需給までが短くなると、電源によっては起動が間に合わず、余力活用で未達を補えない可能性がある。
同社は120万kWで準備を進める方針を示す一方、調整力機会の公平性に配慮し、取引状況に応じて随契量や対象リソースを見直す考えも示した。例として、RC単価以下など一定条件を設けた問い合わせ窓口や公募調達を検討対象に挙げている。契約条件を精査し、準備が整い次第契約する予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「東京エリアにおける 2026年度の揚水随意契約について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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