合成メタンの排出削減価値を事業者別排出係数に反映する際、託送制度の利用有無に応じて根拠資料の確認方法を分ける案が示された。託送制度を使わず、調達事業者自身が小売供給する場合は、係数提出事業者と調達事業者が同一であり、根拠資料を提出できる。
託送制度を使う場合、調達費を負担して排出削減価値の分配を受ける事業者が、機微情報を含む根拠資料を取得できないことがある。このため、係数提出事業者(合成メタンの調達事業者を除く)は、託送分配合成メタン等相当量を係数に用いる際、根拠資料の提出を不要とする案である。その確からしさは、調達事業者が根拠資料を国に提出し、託送負担合成メタン等量と注入地域を報告すること、分配を受ける係数提出事業者が託送分配合成メタン等相当量と小売供給地域を報告することにより確認する。
複数地域で小売供給する事業者が一つの係数を用いると、合成メタン等が注入された、または調達費が託送料金で負担された地域の排出削減価値が、該当しない地域の需要家にも及ぶ可能性がある。証書制度が確立していない現状では、熱量価値と排出削減価値を一緒に扱う考え方に基づき、合成メタンの価値は注入または調達費負担のあった地域内でのみ主張可能とする案が示された。バイオガスも同様の扱いとする提案である。
このため、複数地域に供給する事業者は、合成メタン等が注入または調達費負担された地域の係数を、その他の地域の係数と分けて算定・提出する案である。いずれも本資料で議論を求める提案であり、決定事項とは記されていない。
2025年7月の関係法令等改正を経て、高度化法では2030年度に各事業者の小売供給量(熱量ベース)の1%相当の合成メタンまたはバイオガスを調達・導管注入する目標が設定された。また、効率的な経営の下で合理的に利用可能な範囲内で5%相当を目指す基準があり、注入量は各事業者のカーボンニュートラルへの取組状況を考慮する。前年度の可燃性天然ガス製品供給量が900億MJ以上の事業者は計画作成対象である。
託送料金原価には、高度化法の目標達成に必要な調達費まで算入可能と整理されている。費用負担に応じてネットワーク内の小売事業者に環境価値を分配し、特定需要家向けメニューに用いる仕組みである。2025年5月の係数検討会では、託送負担量とネットワークの小売販売量に応じて配分する相当量を定義し、係数への反映方法を整理した。通達は今回の議論を踏まえ、2025年度中に改正予定である。
託送分配量は年度終了後に確定する一方、現行のSHK制度では価値を注入年度内にしか需要家へ販売できない。このため、分配された価値の全量を希望する需要家に販売できるよう、注入年度以降の販売を可能にする方法と、年度をまたぐ二重計上を防ぐ保有量管理を今後検討する。
また、海外から合成メタン等を調達する場合のサプライチェーン管理要件・証跡も未整理であり、輸入燃料やクリーン燃料証書の実証事業などを参考に、次回以降の係数検討会で議論する予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「ガス事業者別排出係数の算出方法等について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/ontaiho_gas/index.html)をもとに当社作成
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