系統用蓄電池は中国・米国・欧州で導入が急増する一方、日本では普及が低迷し、日本製システムの海外導入も少ない。NITE資料は、安全性の高さに加えて価格低減と価値の増大が必要であり、2024年に電力市場が出揃うことを背景に、複数用途を組み合わせるマルチユースの仕様と評価方法を整理する取り組みを示す。
NITEのワーキンググループは、需要家、系統運用者、小売・アグリゲータ、メーカーなどのニーズと国内外の動向を踏まえ、用途の組合せとシステム類型を整理した。成果として2024年3月に「蓄電池システムのマルチユース導入ガイド」を公開している。主な整理事項は、ユーザーが求める機器構成・運転機能の明確化と、ユーザー・メーカーが一体で性能指標を定める必要性である。
導入時に見積もる運用メリットと実運用の差が大きい場合、保証上の事業リスクとなる。マルチユースを有効にするには、蓄電池の余力を含めた性能把握が必要である。資料は、容量・効率、劣化、使用可能期間、充放電波形を共通指標の例として示すが、メーカー間で定義や換算の差があるとしており、統一済みとはしていない。
| 指標 | 資料が示す確認点 |
|---|---|
| 容量・効率 | 電力用途ではAC端の値が必要。DC端からAC端への換算や補器損失の扱いにメーカー差がある。放電可能深度を考慮した実質容量も必要である。 |
| 劣化・使用期間 | 経年・サイクル劣化による容量低下、定格容量を示す時点、使用可能期間の条件を明確にする必要がある。長期脱炭素電源オークションは20年間の使用を前提とする。 |
| 充放電波形 | 基準となる1日1サイクルの波形に加え、マルチユースでは充電・放電中やゼロクロスでの変動を考慮する必要がある。 |
大型蓄電池の導入拡大に伴い、世界各地で火災事故が発生している。NITEが関与した標準化のうち、系統接続型蓄電システムの初期安全性を扱うIEC 62933-5-2は2020年4月に国際標準として発行され、対応するJIS C 4441は2021年3月に制定された。JIS C 4441は消防関連規則・省令にも追加されている。
運用中の安全性を扱うIEC 62933-5-3も、2023年10月に国際標準として発行された。蓄電池の類焼試験ではレーザー照射手法を取り入れたJIS C 8715-2が2019年に発行され、詳細な試験手法を含むIEC 62619第2版が2022年に発行された。非破壊安全性診断は概念がIEC 62933-5-3附属書Aに記載された段階であり、手法の詳細は個々の企業技術に委ねる扱いである。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「蓄電池システムのマルチユースと安全性国際標準化の取り組み」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/index.html)をもとに当社作成
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