第84回広域系統整備委員会 資料 説明
概要
本資料は、2024年10月25日に発表された第84回広域系統整備委員会における「費用便益評価の精緻化等」に関する検討内容をまとめたものである。資料は広域系統整備委員会事務局によって作成された。
目次
- 本日ご議論いただきたい事項
- 現在のマスタープラン・計画策定プロセスにおける費用便益評価
- 費用便益評価の精緻化に係る検討の視点
- マスタープランにおける燃料価格と費用便益評価
1. 本日ご議論いただきたい事項
- 2022年7月より、東地域及び西地域の計画策定プロセスが開始され、現在も続けられている。
- 2024年4月には再エネ導入拡大や電力のレジリエンス強化を考慮した系統整備の判断が行われる予定。
- 国民負担を抑えつつ、系統整備の社会的便益を適切に説明する重要性から、費用便益評価の精緻化に関する方向性について議論を求めている。
2. 現在のマスタープラン・計画策定プロセスにおける費用便益評価
- 費用: 系統整備及び維持に係る費用。
- 便益: 社会全体で得られる便益を評価期間にわたって想定し、割引率により将来の貨幣価値を現在価値に換算した合計。
評価項目
3. 費用便益評価の精緻化に係る検討の視点
貨幣価値項目
- シミュレーションに用いる変数の見直し。
- シミュレーションの設定条件の精緻化。
非貨幣価値項目
今後の進め方
- 費用便益評価の精緻化については、貨幣価値項目と非貨幣価値項目に分けて意見を整理し、それに基づいて具体化を進める方針である。
4. マスタープランにおける燃料価格と費用便益評価
1. 費用便益評価の概要
- 費用便益評価は、燃料費及びCO2対策コストを考慮したものである。
- 燃料費は世界情勢により変動するため、単一の燃料単価を用いるとシナリオが乖離する可能性がある。
- 各シナリオに幅を持たせ、将来の系統増強の可能性を適切に評価する。
2. 燃料価格の幅の設定
燃料価格については、次の3つのケースを設定する。
- 現状の燃料価格水準
- 燃料価格が低下したケース
- 燃料価格が高騰したケース
3. CO2対策コストの考慮
- CO2対策コストも変動する可能性があるが、燃料費の幅を参照してその影響を確認する。
4. 燃料費およびCO2対策コストの範囲
| 燃料タイプ | 最低価格 ($) | 最高価格 ($) |
|---|
| 石炭(CCS) | 7.7 | 12.5 |
| LNG(CCS 1500℃級) | 7.9 | 14.6 |
| LNG(CCS 1350℃級) | 8.0 | 14.8 |
| 水素(燃料) | 9.0 | 16.3 |
| LNG(CC 1100℃級) | 9.3 | 17.2 |
| LNG(CT コンベンショナル) | 10.9 | 20.1 |
| 石油 | 16.6 | 29.4 |
5. 発電コストにおける燃料価格
- IEAの「World Energy Outlook 2020」のシナリオに基づき、価格トレンドが推計されている。
- STEPSとSDSの価格トレンドが参照され、標準ケースに設定されている。
6. CO2対策コストの設定
- 燃料費と同様にCO2対策コストも変動するため、幅を設定して評価することが検討中である。
7. CO2対策費用の考え方
- CO2対策費用は、2050年カーボンニュートラル実現に向けての負担として位置づけられる。
- 排出量取引制度に基づく市場価格を用いた推計を行い、他国の事例を参考にしながら国内のCO2価格の見通しを示すことを検討している。
8. 今後の検討事項
- 開示された情報に基づき、費用便益評価の精緻化に関する意見や視点を収集し、相応しい方向性を検討していく。
重要な議論の視点
- 再エネ大量導入や電力のレジリエンス強化における系統整備の必要性を国民に説明することが求められている。
- 計画策定プロセスを進める中で、国民への説明責任を果たすために、定性的便益等の説明を強化する必要がある。
このように、費用便益評価の精緻化を通じて、再エネ導入の拡大や社会的ニーズへの対応を図ることが求められている。