広域系統整備委員会は、系統整備の社会的便益を説明しやすくするため、現行の費用便益評価の見直しを提案した。貨幣価値項目では燃料費・CO₂対策コストの想定や評価条件を更新し、非貨幣価値項目では定性的効果の説明を充実させる方向である。いずれも本資料では検討の方向性を示した段階で、具体的な評価手法や採用は未決定である。
現行評価は、系統整備の有無(With/Without)による燃料費、CO₂対策コスト、供給力確保(アデカシー)、送電ロスの変化を比較する。評価期間の費用・便益を割引率で現在価値に換算し、系統の安定性、再エネ出力制御率、CO₂排出量などは別途、定性的に示している。
| 検討案 | 内容・状態 |
|---|---|
| 燃料費等の単価更新 | 2021年の発電コスト検証WGが参照したWEO2020からWEO2024への更新や、国の第7次エネルギー基本計画に向けた検討を踏まえ、最新想定を反映する案である。 |
| 実勢価格の反映 | 燃料関係諸経費とCO₂輸送・貯留費用について、評価時点までの実勢価格を反映する方法を検討する案である。 |
| CO₂価格の幅 | これまで燃料費の幅の中で影響を確認していたが、複数シナリオを踏まえ、CO₂価格にも幅を設ける案である。発電コストWGでは国内制度や海外価格を用いる考え方が検討中であり、確定値ではない。 |
| 作業時の系統制約 | 平常時に加えて作業時の系統制約をシミュレーションに反映し、作業時の送電制約緩和効果を便益として算定する案である。事故時の制約は発生確率が低く影響が小さいとの整理である。 |
市場分断の緩和は市場支配力の抑制や事業者間の競争促進につながり得る。ただし、競争による関係者間の金銭移転自体は社会便益ではなく、燃料費低減などの社会便益とは区別して説明する。再エネ出力制御量やCO₂排出量に加え、制御時間・回数の情報も提示を続け、事業予見性や投資促進との関係を説明する案である。
例として、関門連系線を1GW増強するシミュレーションでは、九州の出力制御時間率は2030年頃に10.9%から8.2%へ低下する見通しである。2050年は53.2%から52.3%への低下であり、いずれもシミュレーション値である。大規模災害時の供給信頼度向上も、数値を用いた具体的な説明方法を継続検討する。
新たな定性効果として、系統整備により再エネの発電量が増えて火力の比率が下がることで、燃料費等の単価変動が電気料金に及ぼす影響を抑える可能性が示された。電気料金の安定化効果として示す方法は、中長期的な検討事項である。
審議会では、B/Cだけでは捉えきれない再エネ導入やレジリエンス、産業・社会構造の変化を考慮すべきとの意見がある一方、定性的効果でB/Cの結果を補う場合も、費用上振れリスクを含めて透明性の高い説明が必要との指摘があった。また、便益単価にも物価・為替の変化を反映すべきとの意見が示された。
本資料は検討項目や視点の追加について委員会に議論を求めている。事務局は意見を踏まえ、次回以降に具体的な検討内容を提示する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「費用便益評価の精緻化等について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。