再エネ導入の拡大、2022年度からのFIP制度・新インバランス料金制度の開始を背景に、前日スポット市場後からゲートクローズ(GC)までの需給調整ニーズが増す見通しである。資料は、大口取引と買い札・売り札のマッチングを強化するため、現行のザラバ方式にシングルプライスオークション(SPA)を導入することが望ましいとの考えを示す。ただし、導入時期・頻度、三次調整力②との関係、SPAの仕様はいずれも検討段階であり、導入決定ではない。
従来、時間前市場はスポット市場後の細かな需給調整の場とされ、随時約定するザラバ方式が用いられてきた。再エネ予測の変動分をGC直前まで調整するニーズが高まる一方、ザラバではアイスバーグ方式による小分け入札が中心となり、大量取引に必要な流動性を確保できない懸念がある。SPAはブロック入札を可能にし、火力電源の追加起動を市場取引に反映する手段として検討されている。
SPAの実施時期には二つの条件がある。実需給に近づくほど太陽光の予測誤差は小さくなるが、新たに起動できる火力電源は減少する。したがって、予測精度の向上と電源起動に必要な時間を両立させるタイミング・頻度の設定が必要であり、三次調整力②の取引時期や事業者の実務負担も考慮する必要がある。
スポット市場と時間前市場で入札が分散し、スポット市場の流動性が低下する懸念について、資料は、前日12時の計画提出に向けた取引は引き続きスポット市場で行われ、制度・他市場との関係からも一定の流動性が保たれるとの見方を示す。時間前市場は、スポット時点以降の再エネ予測誤差などの変動や、スポット市場で売買・調達先が決まらなかった分を扱う場として想定されている。
現行制度では時間前市場に先立って三次調整力②が調達され、FIT特例①③の予測誤差に備える電源が確保される。SPA導入後も順序を変えない場合、調整力確保により時間前市場の売り札が不足する、または両市場での調達により火力の起動台数が過大になる懸念がある。資料は、この調整力全体の最適化とBGの供給能力確保義務とのバランスを課題として示す。
| 案 | 主な変更・仕組み |
|---|---|
| 1 | スポット市場を含む市場全体を後ろ倒しし、三次調整力②を時間前市場後に実施 |
| 2 | スポット市場は維持し、三次調整力②を時間前市場後に移し、FIT特例①を再通知 |
| 3 | スポット市場・FIT通知は維持し、三次調整力②を時間前市場後に移動 |
| 4 | タイムラインは維持し、FIT特例①の再通知で余剰となった分を時間前市場に入札 |
| 5 | タイムライン・FIT通知を維持し、三次調整力②の余剰電源を時間前市場に入札 |
FIT特例①を再通知すれば、BGの計画に予測更新を反映し、予測誤差の縮小を三次調整力②の必要量に反映できる可能性がある。一方、BG・TSOの実務対応が必要となる。確保電源の一部を時間前市場に入札する案は、予測精度の改善などで不要となった比較的安価な電源を活用し、メリットオーダーに沿った発動につなげる考えである。五案は選択肢であり、決定案ではない。
SPAのブロック入札には、①スポット市場同様にブロック入札を可能とする案、②SPAをザラバのオープニングセッションとし、売れ残り札をザラバに残す案が示される。価格予想に基づく現行型の入札では、予想が外れてブロックが未約定となり、電源が稼働可能な時間帯でも起動されず、システム全体で非効率となる場合がある。電源諸元を用いる約定アルゴリズムや、複数条件を組み合わせるブロック方式を含め、海外事例も参照して仕様を検討する方針である。
今後は、スポット市場の実施時刻、三次調整力②との前後関係、FIT特例①再通知、三次調整力②確保電源の時間前市場への入札を検討軸とする。市場全体のタイムライン変更はBG、広域機関、TSOの実務や他制度・市場にも影響するため、資源エネルギー庁の検討と連携し、実務面も踏まえてSPA導入と詳細設計を引き続き検討する提案である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「時間前市場等のあり方について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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