各社の試算をまとめた結果、DACの電力需要は2040年に0〜70億kWh、2050年に0〜120億kWhの幅となる。ただし、これは確定した需要見通しではなく、採用するシナリオによって幅が異なる。中位ケースの最大・最小を採る案①では2040年0〜10億kWh、2050年10〜30億kWh、高位・低位ケースも含める案②では2040年0〜70億kWh、2050年0〜120億kWhである。
| 想定幅の案 | 2040年 | 2050年 |
|---|---|---|
| 案①:中位ケースの最大・最小 | 0〜10億kWh | 10〜30億kWh |
| 案②:高位・低位を含む最大・最小 | 0〜70億kWh | 0〜120億kWh |
電中研は回収量と消費電力量を置いた試算で、中位ケースでは消費電力量500kWh/t-CO₂、回収量を2040年1Mt、2050年5Mtとする。高位ケースは2050年ネットゼロを想定するIEAシナリオを参考に回収量を推計し、低位ケースは回収・利用・貯留コストが下がらず、計画済み規模の実証にとどまる想定である。
RITEは日本のGHG排出量をDAC以外で90%削減する前提で、2050年のDAC回収量を50〜55Mt/年、回収電力を201kWh/t-CO₂とする。系統に接続しない太陽光発電による電力供給分(101〜109億kWh/年)は、電力需要の数値に計上していない。
デロイトは2050年CO₂排出ゼロ、CCS貯蔵量上限1.80億トンなどを共通条件とし、原子力設備容量をケースごとに変え、コスト最小化のもとで導入量を計算している。電中研、RITE、デロイトで前提や計算方法が異なるため、各社の数値は同一条件での比較ではない。
DACは大気のような低濃度のCO₂を回収するため、一般に高濃度排出源からの回収より費用が高い。回収方式には化学吸収・吸着、膜分離、電気化学、物理吸着・吸収などがあり、方式に応じて熱や電力を要する。海外メーカーの現在の電力消費量は160〜450kWh/t-CO₂であり、必要な熱も電力で賄う換算では合計約1,400〜3,000kWh/t-CO₂となる。
稼働中の設備では地熱、工場排熱、天然ガス、再エネ電力など熱・電力の供給方法が異なる。太陽熱などの低温熱でCO₂を分離できる吸収材の開発も進められているが、資料は消費エネルギーや費用の大幅な低減を普及の条件として挙げる。
作業会では、国内は貯留適地や再エネポテンシャルなどの面で課題があり、大規模導入が進まない可能性、適地の多い海外でDACを実施しクレジットで相殺する選択肢が示された。国内で導入する場合は、系統電力よりオンサイトの熱源・電源が経済的に合理的との意見もあった。ネットゼロに向けたネガティブエミッションの必要性は指摘された一方、1億トン超の削減をDACだけで担うのは難しく、BECCSや植林などとの併用が必要との意見である。これらは作業会での意見であり、資料中で政策決定されたものではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「技術検討会社の将来想定を踏まえた方向性について(DAC ~Direct Air Capture~)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/shorai_jukyu/)をもとに当社作成
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