資料は、2040・2050年の需給バランス検討に向け、需要項目ごとのロードカーブとデマンドレスポンス(DR)の想定方法を示すものである。確定した将来予測ではなく、事務局が設定した想定について審議会で意見を求める段階である。将来のkWバランスには、kWh需要の増減だけでなく、電化やDR、太陽光の拡大による時間帯・季節別の需要形状の変化を反映する。
将来カーブは、2019年度の需要実績を基礎に、需要特性に応じた各項目の増減を加除して作成する。基礎的需要と省エネは総需要の実績カーブに連動させる。民生電化(主にヒートポンプ給湯)は22時~翌8時、運輸電化(EV充電)は19時~翌6時を中心に需要を置き、季節差も反映する。産業電化・化学・自動車は平日昼間の稼働を想定し、半導体・鉄鋼・水素製造・DAC・ネットワークは年間一定の需要とする。データセンターは、サーバー需要を年間一定、空調需要を季節別一定とする。
DRは、需要の多い夏冬のピーク抑制と、再エネ余剰が生じやすい春秋・休日昼間への需要移行を想定する。想定上は、DRを促す制度・インフラが十分に整備されることを前提としている。
| 対象 | 想定する移行 | DR率・時間帯 |
|---|---|---|
| 民生電化 | 夜間から昼間へ。夏冬は平日夜間分の一部を休日昼間へ | 夏冬40%、春秋80%。下げは夏冬平日を除く22~8時、上げは8~16時 |
| 運輸電化 | 夜間充電の一部を当日または休日昼間へ | 夏冬30%、春秋70%。下げは19~6時、上げは昼間 |
| 産業用需要 | 平日稼働の一部を土日祝の昼間へ | 5%。下げは平日8~19時、上げは休日9~17時 |
| データセンター | 夏冬平日昼間分の一部を休日または春秋昼間へ | 20%。下げは夏冬平日8~19時、上げは昼間 |
鉄鋼は電炉化等で自家発が減るとDR余地も小さくなる可能性があるため、試算ではDRを見込まない。DRを反映した代表例では、5月の平日・休日や8月・2月の休日に昼間の需要増、8月・2月の平日に昼間の需要減を置く。ヒートポンプ普及がさらに進むケースでは、冬の夜間需要が昼間を上回る可能性が示され、夜間から昼間への追加DRでピークを抑える案も提示されている。
民生ヒートポンプとEVについては、2016年の調査にある2030年のDR参加率30%を参照しつつ、2050年には価格差などのインセンティブ拡大を想定する。ヒートポンプのDR対応機器普及や、EVの充電シフト実証も促進要因として挙げる。産業DR率は2011年調査の工場負荷削減率約5.86%を参考にしている。データセンターはAI学習需要を停止・再開可能な負荷とみなし、推計上のAI学習分(全体の約13~25%)を踏まえてDR率20%を設定する。
作業会では、給湯機やEVの充電時間を動かせる可能性、工場自動化・蓄電の進展が指摘された一方、従業員の労働環境、連続操業、工程上の制約、送電線容量、経済性などから、産業の昼夜・季節間シフトは難しいとの意見もあった。水素製造では安定・安価な供給が必要で、余剰電力活用を前提にしたDRは難しいとの見方も示された。EVは冬の暖房で電費が悪化すること、充電設備容量やV2Hの普及条件も留意点である。これらは見通しの不確実性を示す意見であり、資料のDR率・時間帯設定は今後の意見を踏まえて検討する想定案である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「ロードカーブ想定に関する検討状況について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/shorai_jukyu/)をもとに当社作成
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