2024年5月1日受渡分から二次調整力②・三次調整力①の前日追加調達が一時中断され、三次調整力②の需給バランスは一定程度改善した。一方、5月中旬までの確認でも高額約定や一部商品の調達未達が残り、揚水発電の応札減少と火力事業者間の供出差が続いている。資料は、揚水発電の公募調達や需給調整市場ガイドラインの価格規律見直しを検討課題として示すが、いずれも実施決定ではない。
2024年4月以降、水力(揚水を含む)の応札量は大きく減少し、日中の供出が減る一方、夜間は増加傾向となった。背景として、揚水の運用主体が一般送配電事業者からBGに移り、卸電力市場で安値時にポンプアップし高値時に発電する値差取引が始まったことが考えられる。火力の応札量は増加したが、増加幅や稼働中の供出頻度には事業者間で大きな差がある。
サンプル電源の計画・実績分析では、市場約定の有無にかかわらず余力活用契約に基づき調整力指令が行われていた。また、事後的には余力があったように見えるのに市場供出がない時間帯も一部で確認された。ただし、計画値は市場取引前のBG余力を示すものではなく、3時間ブロックの供出制約や起動費の回収リスクもあるため、供出可能だったとは断定できない。
| 対応案 | 期待される効果 | 主な留意点・状態 |
|---|---|---|
| 調達募集量の見直し | 調達未達を直接抑制 | 対象商品と削減水準の検討が必要。短期対応案 |
| 揚水発電の公募調達 | 市場募集量を一定程度削減し、揚水を調整力にも活用 | 卸市場での活用や公募終了との整合、容量・期間・連系線制約などを考慮し、条件を柔軟に見直す案。未決定 |
| 火力等の公募・その他調達 | 揚水調達が難しい場合に供出電源を確保し、起動費等の回収リスクを軽減 | 価格規律や対象要件の設計が必要。公募実施は未決定 |
| 価格規律の見直し | 応札インセンティブを高め、供出量増加を促す | 調達コスト増や調整力としての実効性低下の可能性があり、検討継続 |
ガイドライン見直しについては、起動時の持ち上げ・持ち下げ分へのインセンティブ加算などが検討対象として示された。一方、現行規律で費用取り漏れや余力活用契約より不利となるリスクが大きいとは言いにくく、それだけで火力事業者が応札しないことが経済合理的かには疑問が残るとの整理である。非予約電源のkWhマージン引下げは、余力活用電源や新規参入の減少につながるおそれから慎重な検討が必要とされた。
会合の議論を踏まえ、揚水発電の公募やガイドライン見直しを引き続き検討する。応札行動を継続して確認し、市場状況が一部の支配的事業者による恣意的な応札に起因する場合は市場支配力行使の疑いにも留意する。前日追加調達の一時中断後も高値案件や未達が残っており、現時点で恒久策が決まったわけではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給調整市場の運用等について:第97回 制度設計専門会合 事務局提出資料」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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