2024年度以降は、揚水発電の池全体の水位管理を調整力提供者が担い、一般送配電事業者は需給調整市場で調達したΔkWの範囲内で運用することを基本とする案である。資料は事務局提案であり、決定事項ではない。現行の需給調整市場規程にはポンプアップ指令の定めがなく、電源Ⅰ・Ⅱ契約も2023年度で終了するため、運用の契約上の根拠を余力活用契約等で整える必要がある。
現状は、ポンプアップと池全体の水位管理を一般送配電事業者が行うエリアと、調整力提供者が行うエリアがある。前者では一般送配電事業者がBG計画によらず池全体を運用でき、後者では提供者が水位を管理し、一般送配電事業者は原則、連絡を受けた利用可能水量の範囲で調整力を計画する。ただし、後者でも必要時にはその範囲を超える指令が可能であり、現状はいずれの方式でも下げ調整力を確保できている。
| 論点 | 資料上の整理 |
|---|---|
| 市場価格 | ポンプアップを一般送配電事業者が行う場合、提供者の登録kWh価格にポンプアップコストが含まれない。提供者が行う場合は同コストが含まれるため、エリア間で価格形成に差が生じうる。 |
| 市場制度 | 2024年度以降は需給調整市場による広域調達・運用となる。一般送配電事業者がΔkWの契約範囲を超えて池全体を自由に運用できると、市場調達を要しない状態につながり、制度趣旨に沿わないとの懸念が示されている。 |
| 運用主体 | 発電コストの適切な価格登録、調達の透明性、発電所の所有者が運用権を持つこと、蓄電池との整合性を理由に、提供者が水位管理を担う案を提示している。 |
提供者主体に移ると、提供者が利益の大きい時間帯に発電できるよう水位を運用し、再エネ余剰時の下げ代が不足する可能性がある。これに対し、再エネ出力抑制の回避などで一般送配電事業者が必要と判断した場合は、一時的に池全体の水位を運用できる案を示す。需給ひっ迫時の周波数維持に必要な場合も対象とする考えである。
この例外運用で提供者に不足インバランスが生じても、現状と同様にインバランス扱いせず、調整力の稼働として整理する案である。需給調整市場のペナルティも免除する方向で資源エネルギー庁が検討することを提案している。中長期的には、事前契約で下げ調整力を確保し、その価値を評価する仕組みも選択肢として挙げている。
現行の電源Ⅰ・Ⅱ契約では、調整力の指令やポンプアップが規定される一方、実水位の管理主体は規定されず、当事者間の協議で決まっていると資料は整理する。2024年度以降、需給調整市場の規程・契約は約定ΔkWの範囲内の運用を定めるが、ポンプアップ指令は規定していない。余力活用契約での具体的な取り扱いも資料時点では未確定である。
運用主体を変更する場合、一般送配電事業者側のシステム改修に最短でも約2年を要する。2024年度の本格取引に間に合わせるには2022年度から着手が必要とされ、本論点を2021年中に整理する必要があるとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2020年度冬季の需給ひっ迫を踏まえた調整力の調達・運用の改善等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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