CMAは2016年の最終報告で、英国の発電・小売一体型事業者が直ちに競争を損なっているとは言えないと判断した。独立事業者への悪影響を特定できず、垂直統合の効率性が消費者に利点をもたらす可能性もあるためである。ただし、財務情報の透明性には競争阻害の可能性があるとし、Ofgemは発電・小売事業者の行動や各部門の貸借対照表・損益計算書の報告を改善する措置を示した。
| 論点 | CMAの検証結果 |
|---|---|
| 市場流動性 | 統合により取引量が減る可能性はあるが、英国の統合事業者は市場取引を活用しており、流動性を低下させていない。マーケットメーカー制度により独立事業者もヘッジ商品を確保できる。 |
| 市場閉鎖 | 発電部門の出し惜しみで小売競争を妨げる可能性はあるが、S&P等の仕組みにより実行できず、費用面の誘因もないと評価した。 |
| 財務情報 | 統合事業者に多い財務情報の不透明さが競争阻害を生む可能性を認めた。 |
| 価格ヘッジ | 発電・小売の一体保有による市場価格変動リスクの軽減効果は、原子力等の保有比率が低いBig 6では小さいとした。 |
| 資金調達等 | 統合事業者には財務健全性の利点があるが、容量市場等により独立事業者も同様の利点を得られるとした。 |
CMAの判断は、英国の市場環境を踏まえたものである。2011年後半のBig 6によるグロスビディング開始後、取引所取引が拡大し、資料では英国需要の60%超が取引所で取引され、2016年第3四半期の取引所シェアは62.8%とされる。チャーンレートは約4倍であり、相対取引を含む市場の流動性も高い。Secure & Promote(S&P)ライセンス条件ではBig 6に先渡商品の売買入札が義務づけられ、独立事業者のヘッジ調達を支えている。
また、事業者ごとに発電量と需要量が異なり、統合事業者の間にも売り・買い双方のポジションがあるため、市場取引の必要性がある。Big 6の一部では発電事業の売却など統合形態からの離脱も進み、容量市場は独立発電事業者の資金調達を支えている。
資料掲載時点で、日本のJEPX取引量シェアは2017年12月に7.8%(同年10~12月平均8.2%)であり、英国の2016年第3四半期の取引所シェアとは水準・時点が異なる。旧一般電気事業者による相対取引の供給量は、2017年12月時点で総需要の1.68%であった。日本では旧一般電気事業者の自社供給力と自社需要がおおむね均衡し、自発的な取引の必要性が薄いと資料は説明する。これらは英国の判断をそのまま日本に当てはめる根拠ではなく、市場環境の違いを示す参考情報である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第7回 競争的な・電力ガス市場研究会 ~垂直統合が市場へ与える影響の評価~」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_studygroup.html)をもとに当社作成
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