この回のダイジェスト
第9回は下げ調整力の調達案や参入・計量の方向性を示し、広域化の既定方針と未決事項を整理した。
この回で示されたこと
- 下げΔkWは当面市場で事前調達せず、平常時は余力活用契約、供給超過時は優先給電ルールに基づく抑制で確保する案が示された。いずれも制度・運用が機能することを前提とする提案である。資料1
- 市場参入時の商品別事前審査、落札ΔkWの供出可否と指令応動の評価、計量器・データ送信頻度・VPP等の集約ルールについて検討方向が示された。制度の詳細、評価方法、ペナルティは今後の検討事項である。資料2
- アグリゲーターは事前審査までに需要家リストとリソースの組合せパターンを提出し、合格したパターンで応札する案が示された。市場開設時のパターン上限は10とし、変更は四半期ごと、原則3か月前までの申請・再審査とする案である。資料3
- 単価登録は1日あたり1単価を前日まで変更できる対応案①を実施する方針である。30分ごとの単価をGCまで変更できる対応案②の導入は未決で、2021年4月導入には改修に約2年を要するため2019年3月末までの仕様確定が必要とされた。V1/V2単価は中給でabc定数相当に変換し、現行運用を続ける。資料4
- 直流設備の制約を踏まえた広域運用可否が商品別に整理された。三次②は多くの設備で可能だが新信濃1FC・佐久間FCは困難、二次①・一次は直流設備を用いた広域運用が全設備で困難とされた。三次①・二次②も東京中部間の一部設備で制約がある。資料5
- 広域調達は三次①を2022年度から電源Ⅰ-b相当量で年間確保し、2024年度以降は週間調達、二次②は2024年度から週間調達とする方向である。二次①の広域調達・運用時期、一次の調達方法、連系線容量確保、複合約定、情報公開、ペナルティ等は継続検討事項である。資料6
前回からの変化
- 下げΔkWについて、平常時・供給超過見込み時とも当面は事前市場調達しない案が新たに示された。平常時の余力活用契約への発電事業者の応諾と、供給超過時の優先給電ルールを前提とする。資料1
- 参入・事前審査、計量、アセスメントの検討が具体化し、商品別の試験、落札ΔkW供出可否と応動実績の二段階評価、需要家リスト・パターン登録の案が示された。詳細制度は未決である。資料2資料3
- 前回は単価登録等の改修方法を整理する段階だったが、今回は1日1単価を前日まで変更する対応案①を実施する方針が示された。GCまで変更可能な対応案②は引き続き未決である。資料4
- 前回の広域調達の方向性に加え、直流設備ごとの商品別運用可否と制約条件が整理された。また、三次①・二次②の調達時期や契約・資格要件、トラブル時の代替調達方針が議論の整理として再掲された。資料5資料6
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この回の資料と要約
- 1
下げ調整力の調達の必要性について
- 事務局は、下げ調整力のΔkWを当面市場で事前調達しない案を示している。これは決定ではなく、運用上の前提を置いた提案である。 - 平常時は、発電計画で自然に生じる下げ余力を余力活用の契約に基づいて使う整理である。契約の実効性には、発電事業者が応じるインセンティブの検討が必要である。 - 供給超過見込み時は、優先給電ルールに沿って電源の抑制可能量を確保し、残余を自然変動電源の出力抑制で調整する。 - 供給超過時の整理は優先給電ルールの存在を前提とし、その前提を変える場合は国の審議会での検討が必要である。
- 2
海外事例を踏まえた事前審査・アセスメントに関する検討の方向性について
- 需給調整市場への参入に際し、商品要件を満たすかを商品別に事前審査する方向が示されたが、具体的方法は未決定である。 - アセスメントは、落札ΔkWの供出可否と、指令に対する応動実績の確認に分ける案であり、基準点や追従性評価、ペナルティは今後の論点である。 - 応動評価には細かな粒度のkW計測が必要とされ、計量器の仕様、計測地点、不正防止、分散リソースの集約ルールが検討課題である。 - 委員意見を踏まえ、2021年度の市場開設に向けて、次回以降に三次②の事前審査・アセスメント方法を検討する予定である。
- 3
需給調整市場の参入にあたり 提出が求められる需要家リストについて
- アグリゲーターは、個々のリソース情報(需要家リスト)と応札・発動に使う組み合わせ(パターン)を一般送配電事業者へ事前提出する案である。 - 事前審査に合格したパターンで応札し、上限は試験で確認したΔkW供出可能量とする案である。 - リスト・パターンの変更は四半期ごと、対象四半期の3か月前までの申請・再審査とし、落札後は供出量が落札量を下回らないパターンへの差し替えを需要計画の締切まで認める案である。 - 市場開設時のパターン数上限は10とする提案であり、審査方法やシステム化などは今後の検討事項である。
- 4
中給システムの抜本的改修が必要となる項目に関する検討結果について
- 単価登録は、前日まで変更できる「対応案①」を実施する方針であり、GCまで変更できる「対応案②」は市場開設時の必要性を審議する未決事項である。 - 対応案②は30分ごとの単価認識に対応するが、抜本改修が必要で、改修規模の大きい会社では数億円規模となる見込みである。2021年4月導入には2019年3月末までの仕様確定が必要である。 - V1/V2単価の直接運用はリプレースまで行わず、提出された単価を中給側でabc定数相当に変換して運用する。 - 中給の制御数上限は接続申込状況に応じて改修し、少なくとも約1年を要するため、事業者には早期連絡を求めている。
- 5
直流設備における調整力の広域運用可否について
- 直流連系では両端エリアの調整力発動量の調整だけでは広域運用できず、設備制約に応じた潮流配分が必要である。 - 三次②は多くの設備で運用可能だが、新信濃1FCと佐久間FCは困難である。 - 三次①・二次②は設備制約を考慮すれば一部で運用可能だが、二次①・一次は直流設備を用いた広域運用が全設備で困難と整理された。 - 南福光BTB・阿南紀北連系設備は交流迂回ルートを使えば二次①・一次の広域運用に支障はない。
- 6
本小委員会における議論の方向性と整理
- 需給調整市場は商品ごとに段階的に広域化する方針で、三次①は2022年度から年間で設備を確保し、2024年度以降は週間調達、二次②は2024年度から週間調達とする。 - 一次・二次①の広域調達の可否や開始時期は未確定であり、連系線、電源の偏在、中給システム改修などを踏まえて継続検討する。 - 市場契約はTSO間と属地TSO・調整力提供者間で結び、提供者には落札量の供出可能状態の維持と指令応答を求める方向である。 - 電源トラブル等の不足時は代替調達を行い、オンライン電源を優先してエリア内、エリア外の順に確保する。
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需給調整市場検討小委員会
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