本資料は、RITEの世界エネルギーシステム最適化モデルDNE21+で、将来の電力需給と供給力を試算した結果である。結果は設定した前提に基づくモデル分析であり、政策決定や設備導入の確定値ではない。モデルは需給が一致するように計算するため、供給不足の有無は別途検討が必要である。また、各国固有の社会・物理的制約を十分に扱わず、コスト最小化により現実より急な技術転換を示す場合がある。
主な分析は、世界全体1.5℃目標、日本・G7各国がNDCに加えて2050年排出量を2013年比90%削減する設定である。電力需要は中位・低位・高位、再エネ導入はコスト・ポテンシャルと年間拡大制約を変えて設定した。排出削減水準の比較では、日本の2050年削減率を80%、90%、100%とするケースも試算している。
| 比較軸 | 主な試算結果 |
|---|---|
| 再エネ導入幅(2050年90%削減) | 再エネ比率は2040年35~36%、2050年38~40%。需要・再エネ条件に応じて変動する。 |
| 排出削減水準(再エネ中位) | 2050年のCO₂限界削減費用は、80%削減ケース452、90%削減ケース735、100%削減ケース870 US$/tCO₂。 |
| 電力費用(再エネ中位) | 2050年の電力限界費用は、90%削減ケース254 US$/MWh、80%削減ケース232、100%削減ケース258 US$/MWh。 |
2050年90%削減では、CCS付き石炭・LNG、アンモニア発電、BECCSがモデル上で経済合理的な対策として選ばれる。再エネ設備容量は各ケースで大きく増加し、とりわけ太陽光が拡大する試算である。LNG発電容量は現状比で微増、石炭は2040年にかけて微減し、2050年には大幅に減る。
削減率を80%に緩めると、エネルギーシステムコスト増分は2050年に年780億ドルとなる一方、90%では年1,250億ドル、100%では年2,180億ドルである。100%削減ケースではBECCS・DACCSが優先され、90%ケースより石炭・LNG発電のCCSが減り、アンモニア専焼が増える。国内CO₂貯留は全ケースで上限まで使う試算であり、上限は2040年5,100万トン、2050年9,600万トンである。
再エネの導入量はモデル内でコストと需給から決まる。試算上、太陽光・陸上風力のポテンシャルには地域共生制約を含む実際的な上限を置き、年間拡大率にも低位・中位・高位の幅を設定した。洋上風力は、着床式・浮体式のコストや離岸距離、海底深度、設備利用率を前提化し、海外との価格差を考慮するケースも設けている。これらは導入可能量の確定を意味しない。
系統統合費用は、国内5地域・1時間刻みで発電設備、蓄電、地域間連系線等を評価した別モデルの推計をDNE21+に反映した。VRE比率が高まるほど限界統合費用が上がる傾向であり、出力抑制や蓄電、送電線、設備利用率低下を考慮する一方、地内送電網・配電網、予測誤差、稀頻度の曇天・無風リスク等は含まない。
モデル試算では、まず国内貯留を使う石炭火力CCS、次いでLNG火力CCSが導入される。国内貯留量が限られ、回収率も100%ではないため、削減制約が厳しくなると、発電量当たりの貯留効率が相対的に高いLNG火力が石炭火力より使われる。その後、海外輸送・貯留を伴うCCSや輸入水素・アンモニアの混焼が入り、専焼はさらに厳しい削減目標で導入される試算である。
水素とアンモニアの費用優位は海外再エネのコスト見通しや各国の削減状況に左右される。今回の前提では専焼にブルーアンモニアが選ばれたが、日本と海外のCO₂限界削減費用の差が小さい場合は、輸入燃料の利用可能性にも影響する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「供給力編: 将来の電力需給シナリオに関する検討会」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/shorai_jukyu/)をもとに当社作成
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