東京電力パワーグリッドは、首都中枢負荷と火力発電所群への早期送電を目的に、東京湾東岸・西岸・太平洋沿岸の火力発電所密集地帯へ火力ブラックスタート機を各1箇所、計3箇所増置する案を審議事項として提示した。これは提案段階であり、設置地点・容量は発電事業者と調整して今後整理する。
既設の揚水ブラックスタート機は山側に分散し、首都中枢負荷から遠いため、現状では系統を拡大して火力機を起動した後に首都中枢へ送電する。首都中枢には防災対策本部など社会活動上重要な負荷が含まれ、停電の長期化は全国に影響するおそれがある。
火力機だけを設置して揚水機を廃止すると、首都中枢への送電は早まる一方、50万V系統の拡大に火力機の再並列を待つため、エリア全体の復旧は遅れる見通しである。このため、系統拡大を担う揚水機と、首都中枢・火力所内へ早期送電する火力機の双方が必要とする。
| 指標 | 火力BS設置前 | 火力BSを3台設置した場合 |
|---|---|---|
| 首都中枢負荷への送電開始 | 火力機の系統復帰後、約10時間 | 試送電開始後、約1.5時間(8.5時間短縮) |
| 東京23区の負荷送電完了 | 約30時間 | 約25時間(5時間短縮) |
| エリア全体の停電復旧 | — | 17時間短縮と試算 |
試算は各35万kWの火力BS機を3台設置し、ブラックアウト時に設備被害がない前提である。火力機の早期起動により供給力を確保し、揚水ポンプアップを増やすことで、復旧過程で必要な揚水発電量を減らし、その後の高需要帯にも供給できるとする。資料では、24時間後の東京23区復旧率を設置前約2割、設置後約9割としている。
既設火力機は負荷追従性の面でブラックスタート後の負荷送電が困難と見込まれるため、新設またはリプレース予定機に負荷追従機能を備える形態を想定する。機種は立ち上がりの早いシンプルサイクルガスタービンであり、周波数運転限界を下回らず、出力帯によらず負荷送電に応じて出力を追従できることが要件である。
設置地点は首都中枢負荷・火力機群への近さ、燃料系統、敷地などを踏まえて選定し、容量は復旧早期化の効果と設置費用から検討する。複数台設置は、復旧効果に加え、地震による設備損傷や作業停止のリスクを考慮した必要性として示されている。
発電事業者からは、単年公募では翌年度以降の落札を見込めず投資回収が難しいこと、通常約4年かかる環境アセスが公募落札から機能提出開始までの約4年に間に合わないおそれが課題として挙がった。東京電力パワーグリッドは、複数年公募やTSO保有を含む調達方法と環境アセス対応を国に相談している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「東京エリアにおけるブラックスタート機能の必要量見直し」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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