需要抑制によって小売事業者Aは調達した電気の一部を需要家に供給できず、ネガワット事業者はその分を活用するため、両者の費用と便益の不一致を調整する必要があるとして、「売上補塡金」を「ネガワット調整金」と改称する案を提示している。海外事例ではフランス・ドイツとも小売事業者への補填がある一方、資料は米国PJMで補填を行わないとの前回指摘も紹介している。
小売事業者とネガワット事業者の直接のやり取りをなくし、匿名性を保って協議コストを下げる仕組みとして、情報と調整金を別々の主体が仲介する案を提示している。情報仲介者は、託送・計画業務に関わらないJEPXを候補から外し、一般送配電事業者または電力広域的運営推進機関(OCCTO)を検討対象とする。一般送配電事業者案は10社それぞれにシステム・体制整備が必要であり、OCCTO案は一元的なハブ構築が可能とされる一方、人員の追加投入が必要とされる。仲介対象にはベースラインを含め、小売事業者にも通知する案である。
調整金の支払いは、匿名性の確保とクリアリング実績を理由に、JEPXを介する案である。インバランスは、需要抑制を行う需要家に関する分をネガワット事業者側に切り分ける方式2のみとする案を示す。また、小売事業者がベースラインを踏まえて需要計画を作成し、計画とベースラインの差を埋める案が示されている。ベースラインの算定方法の仲介や妥当性担保も検討事項である。
部分供給を受ける需要家のうち、横切り型・通告型は供給責任範囲の事前調整やインバランス切り分けが複雑になるため、直接協議スキームに限って特定卸供給の対象とする案である。縦切り型は30分単位で全量供給と同様に扱えるとして、3スキームすべてで対象とし、条件は当事者間の協議・契約で整理する案である。複数のネガワット契約を結ぶことは妨げず、同時発動時の需要抑制量の仕分けルールは、需要家が関係事業者と協議して事前に定める案を提示している。
ネガワット事業者に求める4要件(適時適切な指令、需給・情報管理体制、需要家情報の管理、小売事業者への必要な措置)を電力量調整供給契約で明確にし、未充足時は契約解除で担保する案である。国は一般送配電事業者に報告徴収を行い、要件の具備や取引業務、インバランス供給の状況を確認する案を示している。
| スキーム | 提示された実施時期 | 主な条件・留意点 |
|---|---|---|
| 直接協議 | 2017年4月1日 | システム整備が間に合わない可能性を踏まえ、需要抑制計画を手作業でやり取りする暫定対応を含む。 |
| 確定数量契約 | 2017年中を目途 | OCCTO・関係事業者のシステム改修とテストが必要。 |
| 第三者仲介 | 2017年中を目途 | 仲介者側のシステム改修とテストが必要。制度の実施状況も勘案する。 |
いずれも資料時点の提案であり、確定事項とはされていない。情報仲介者、仲介情報の範囲、調整金の支払い方法・水準、インバランス処理、需要地近接性評価割引への対応などが残る。割引対象外とする現行整理を前提に、需要抑制計画を小売事業者へ通知して小売側が計画を直す案と、一般送配電事業者またはOCCTOが計画を修正する案を比較している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第8回 制度設計専門会合 事務局提出資料 ~ネガワット取引について~」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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