エネットは、小売事業者の調整手段とリスク回避手段が十分に整わず、広域予備率も実態を示すシグナルとして機能していないとして、これらの課題が解決するまでC値・D値の見直しを急がず、現行のC値200円、D値45円を継続するよう提案している。これは事業者の意見であり、審議会の決定ではない。
| 論点 | エネットの提案・見解 | 根拠・条件 |
|---|---|---|
| 見直し時期 | 調整手段と広域予備率の課題を解決してから検討 | 広域予備率が実態に即するまでC値200円を継続 |
| C値の水準 | 600円は妥当でないと主張 | 過去の条件で算定された値。390円案も2024年度容量市場の特異な実績価格を参照しており、単純な採用は適切でないとの見解 |
| D値の水準 | 45円据え置きを提案 | 小売事業者は価格にかかわらず計画値同時同量に向けて調整しており、引き上げによる追加インセンティブはないとの見解 |
小売事業者には計画値同時同量の義務がある一方、通告変更オプション付き電源がないエリアが大半で、常時バックアップも廃止された。電力先物市場は直近月や半年先の商品で改善が見られるものの、より先の期間は売り札が不十分であり、ベースロード市場もリスク回避手段として十分に活性化した状態ではないとする。エネットは、内外無差別の商品拡充や電力先物市場の活性化を、料金見直しに先行させるよう求めている。
需給調整市場の調達不足、事業者間の需要想定の違い、電源の起動停止主体の変化などにより、広域予備率は実態と乖離し、シグナルとして機能していないとの認識である。このため、予備率を基に高値でDRや電源を確保しても、実需給で需給が緩和して余剰となり、損失が生じる場合がある。広域予備率の適正化と情報開示を先に進めるべきだとしている。資料では、予備率の課題について関係委員会で検討中とされている。
C値引き上げの根拠となる需給ひっ迫の価格シグナルには課題がある。2024年1月の北海道では、上げ調整単価200円/kWhの蓄電池が発動され、インバランス料金単価が200円/kWhとなった事例が示されている。また、現行の補正料金カーブでも実際の調整力の限界的なkWh価格を上回る場合があり、余剰インバランスを出す事業者に必要以上の対価が支払われる可能性を指摘している。
制度見直しの際は、C値の算定方法を改めて議論するよう提案している。候補として、2025年度以降の発動指令電源価格の加重平均、上下または高値の一定範囲を除いた価格による算定を挙げる。C値600円や390円案をそのまま妥当とするものではない。D値は、2019年時点の電源ⅠのkWh価格を基に全国平均45円/kWhとされた経緯を踏まえ、計画値同時同量のインセンティブとして引き上げる必要性に否定的である。
発動指令電源の発動回数は東京エリアで2024年度上期に9回、他エリアでも4~5回程度とされ、従来より増加している。容量拠出金は年度や電力会社による差があり、事前推計・検証が難しいうえ、2025年度以降も事業環境の不安定さが続くとの見通しを示す。高いインバランス料金は小売事業者の負担に加え、発電事業者のリスクや電源調達コストを高め、需要家の電気料金にも影響し得るとしている。
長期間の価格高騰に備え、小売事業者の責によらない事象も考慮した除外規定などのセーフティーネットを提案する。試算では、需要規模200万kW、1日8時間、14日間、インバランス発生率3%、C値200円の前提でインバランス料金影響は約13億円となる。スポット価格も200円に張り付く場合、市場調達率10%などの前提による追加影響は約45億円である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「インバランス料金制度について ~小売電気事業者の視点から~」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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インバランスとは、電気事業者が事前に届け出た発電・需要の計画値と、実際の発電量・需要量との差を指します。この差は送配電網を運用する一般送配電事業者が調整力で埋めるため、その費用を差を生じさせた事業者へ事後に精算する必要があります。その精算単価がインバランス料金であり、実需給時の電気の価値を反映する設計が取られています[DOC:ae9147dc-df56-49b2-931a-2c8b856e959d]。
補正インバランス料金の上限(C値)を200円/kWhから300円/kWhへ引き上げる見直しは制度として確定しているが、その適用開始時期は2026年4月から2026年10月への変更案が審議会に示された段階にある[DOC:b1ff5888-8cda-4f5f-9c30-ea428d0c950b][DOC:7fda28d9-433e-4693-922e-1d4d38ca1a63]。
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