平成28年度の事後評価では、値下げ命令の基準に該当する事業者はなかった。実績収入は北陸を除く9社で想定原価を下回り、実績費用は6社で想定原価を上回った。費用超過には人件費・委託費等の増加が、費用減少には設備関連費の減少が主に寄与した。
10社から報告された効率化の代表例は計122件であり、削減率が大きい取組は61件、他社への展開性・汎用性が大きい取組は36件であった。主な取組は設備関連費に関する調達合理化や設備保全の効率化である。各社は他社事例も参考に導入を検討し、取組の具体化・実施状況を対外公表することが期待されている。
設備仕様は、共通性が高いと考えられるものでも各社で差があった。仕様の差が調達市場を小さくし、コスト上昇につながる可能性があるとして、仕様の必要性を精査し、標準化・共通化や国際調達可能な仕様を検討するよう求めている。調達単価の低減事例では共同調達、新規取引先の開拓、競争発注の拡大などが確認された。競争発注比率は上昇傾向にある一方、平成28年度は70%以上の社があるのに対し、東北・四国は約30%にとどまった。仕様差のため同年度の各社間価格水準は評価できず、工事費を含む比較可能な情報の提供・公表と、実質的な競争状況の確認が今後の課題である。
全社が3~10年程度の設備投資計画を策定し、計画に沿った投資を実施していた。高経年化対策でも、各社が設備特性に応じた客観的指標で修繕・更新を判断し、中長期計画を作成していた。今後は需要減少や再生可能エネルギーの連系拡大を踏まえて計画を見直し、グループ全体の収支にかかわらず送配電に必要な投資を行うこと、修繕先延ばしの影響を継続確認することが課題である。IoT・AIを含むアセットマネジメントの活用も促されている。
大規模災害を除く停電回数・時間は低水準で安定していた。研究開発では他社との共同開発や外部比較を評価視点に加える必要があるとされた。情報セキュリティ・システム信頼性については全社で経営層の関与が確認されたが、担当者の専任化や、第三者評価を含む管理の継続が論点である。
本資料は平成28年度託送収支の事後評価のとりまとめ案であり、記載された対応の多くは今後の確認・検討事項である。次年度以降、各社の費用削減策、調達価格・仕様・競争発注の実態、設備投資と高経年化対策の計画・実施状況をフォローアップする。あわせて、系統連系工事費負担金の情報分析、送配電部門の効率化目標、サービスレベルの多角的評価、効率化と将来投資を促す託送料金制度(インセンティブを含む)を検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「平成28年度託送収支の事後評価とりまとめ(案)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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