分散型電源のサイバーセキュリティ対策として、系統連系技術要件(グリッドコード)にJC-STAR★1を要件化する方針で検討を進めることが、本検討会への提案である。確定事項ではなく、意見を求めている段階である。実施する場合、国と電力広域的運営推進機関が協力し、適用開始時期などを本検討会で調整する。
この提案は、2025年3月の電力・ガス基本政策小委員会と同年6月の再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で示された、普及状況を踏まえた官民検討の方針を受けたものである。対象を50kW未満の小規模太陽光に限定せず、分散型電源全般での活用も検討対象となっている。
系統連系技術要件は2020年10月から、規模を問わず系統連系する発電設備に、①ネットワーク接続点の保護、②機器・端末のマルウェア対策、③系統運用者へのセキュリティ管理責任者と緊急連絡先の通知を求めている。一方、電気事業法上、50kW未満の設備にはサイバーセキュリティに特化した明確な技術基準規定がない。
小規模太陽光のリスク分析では、PCSやネットワーク機器への不正アクセス・操作、高負荷攻撃、不正機器接続、サプライチェーン攻撃などが高リスクとされた。複数設備の発電停止や、出力制御指令を受けられず系統に影響するシナリオが示されている。2024年には、出力制御機能を持たない太陽光設備向け遠隔監視機器約800台が攻撃され、不正送金の踏み台に使われた事例もある。
設置者に高度な対策を直接求める負担を避ける手段として、系統連系手続きでJC-STARラベル取得済みPCSの使用を確認する案が示されている。★1はIoT製品全般の最低限の統一基準であり、認証取得により想定脅威への一定の対策があると見なせる可能性がある。ただし、太陽光設備固有の脅威をすべてカバーするものではなく、一部PCSには★1項目に必要な機能がない。
| 論点 | 資料で示された内容 |
|---|---|
| メーカー対応 | 現行製品で準拠可能なメーカーと困難なメーカーがある。特にデフォルトパスワード、保存データ保護が課題である。 |
| 対応負担 | 準拠困難な場合、製品開発・販売まで2年以上、または3.5〜4年程度かかる可能性が示され、相当の費用を要する例もある。 |
| 補完策 | JC-STAR以外の対策も排除されず、ラベル取得に加え、閉域網などセキュリティを確保した通信サービスの利用が推奨される。 |
| 高度基準 | 分散型電源固有の脅威・特性とPCSに必要な機能を踏まえた、PCS独自の★2以上の基準整備も検討対象である。 |
JC-STAR★1の申請受付は2025年3月下旬に開始された。要件化の検討では、ラベルの普及状況とメーカー負担を考慮する必要がある。
関連する動きとして、ERABサイバーセキュリティガイドラインは2025年5月に改定され、制御対象へ新たにIoT製品を導入する際、JC-STAR★1以上の製品選択を勧告・推奨する要求が示された。また、長期脱炭素電源オークションでは、蓄電池と太陽光・風力設備のPCSにJC-STAR★1取得を新要件とする案が検討されている。いずれも本資料のグリッドコード化提案とは別の制度上の動きである。
本検討会では、まずJC-STAR★1を系統連系技術要件に位置づける方針で検討を進めることへの意見を求めている。方針が進む場合は、国と電力広域的運営推進機関が協力し、適用開始時期などを調整する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「分散型電源のサイバーセキュリティ対策の要件化に係る今後の対応について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/gridcode/)をもとに当社作成
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