発電側基本料金の見直しに関する制度設計専門会合の概要
目的・背景
経済産業省が提出した資料は、発電側基本料金の見直しに関する制度設計専門会合に関連している。2021年1月25日に開催されたこの会合の主な目的は、カーボンニュートラルの実現を視野に入れた電力供給の効率化である。
主な目的
- 基幹送電線の利用ルールの見直しに伴い、発電側基本料金の整合的な仕組みを構築する必要がある。
検討内容
資料では、以下の主要な検討内容と論点が挙げられている。
- 今回の検討の背景・目的
- 前回会合の振り返り
- 発電側基本料金の導入自体
- kW課金の見直し
- 割引制度
- 小売転嫁、FIT・FIP電源の取扱い
- 議論の進め方
- 規制等の総点検タスクフォースの指摘
- 今回の論点
前回会合の振り返り
発電側基本料金の導入について
- 発電側基本料金の導入に対する反対意見は存在せず、再生可能エネルギーを主力電源化する効果が賛同された。
kW課金の見直し
- 事業者団体からはkW課金の維持を支持する意見があった。一方で、再エネ導入促進の観点からkWh課金の導入が必要との意見も見受けられた。
- 委員・オブザーバーの間では、kW課金とkWh課金の組み合わせが有効と考えられている。
割引制度
- 再エネの立地特性を考慮した割引制度の拡充が必要との意見が示された。これにより、配電系統における送電ロス削減の貢献が評価される必要がある。
小売転嫁、FIT・FIP電源の取扱い
- 発電側基本料金を適切に小売へ転嫁する仕組みが必要であり、特にFIT・FIP電源は課金対象外にする提案があった。
議論の進め方
- 具体的な制度案を提示後に意見聴取の場を設けることが求められている。
今後の予定
今後の検討においては、以下の4つの論点が重要視されている。
-
課金方法のあり方
- 契約kWに応じた課金の見直し
- kWh課金の導入の必要性や、両者の比率の議論
-
割引制度のあり方
このように、発電側基本料金の見直しに向けた検討は、再生可能エネルギーを主力とするエコシステムの実現に向けた重要なステップとなる。
課金方法の見直し
kW課金の維持の必要性
- 現在の送電設備は契約kWに基づいて整備されており、維持管理費用が発生するため、kWの概念は残ると見込まれる。
- 基幹系統に焦点を当てた送電線利用ルールの見直しが行われるが、特別高圧以下の系統でも契約kWに基づく整備が続く。
- kW課金は、発電電力量に関係なく一定料金を求めるため、発電事業者に送電設備の最大限利用を促す。
この理由から、引き続き契約kWに対する課金を維持することが合理的とされる。
kW課金とkWh課金の比率
- 2023年度時点では、発電側基本料金の導入によりkWhも考慮した整備が一部で行われるが、その割合は低いと予想される。
- 再生可能エネルギーの導入が進むことで、kWhを考慮した整備の割合は増加すると考えられるため、kW課金とkWh課金の比率を1:1に変更する提案がなされた。
現行案と見直し案の比較表
| 課金項目 | 現行案 | 見直し案 |
|---|
| 契約kW課金 | 約5,300億円 | 約2,650億円 |
| kWあたり単位 | 約150円/kW・月 | 約75円/kW・月 |
| kWh課金 | なし | 約2,650億円 |
割引制度の見直し
割引制度の趣旨
- 割引制度は、電源が送配電設備の整備費用に与える影響を反映し、公平な負担を促進することを目的としている。
- 現行の割引制度としては、基幹系統投資効率化や送電ロス削減のための割引が提案されている。
割引の新たな設定
- kW課金への割引導入が提案されており、特に基幹系統や特別高圧系統に対する割引が拡充される方向性が示されている。
- 基幹系統分の費用負担を0とする割引A-1の新設や、割引Bの対象地域の拡充も検討されている。
割引の具体的な見直し案
| 割引区分 | 条件 | kW負担額のイメージ(割引前) | 割引後 |
|---|
| 割引A-1 | 限界送電費用が0以下 | 37.5円/kW月 | kW課金による基幹系統費用の負担を0とする |
| 割引B-1 | 代表的な断面で逆潮流がない | 150円/kW月 | 75円/kW月 |
割引制度の価値
- 割引制度は、発電設備の立地最適化や投資効率化に寄与するための見直しが必要であり、便益と費用のバランスを考慮した割引単価の設定が重要である。
まとめ
発電側基本料金の見直しにおいて、kW課金の維持が合理的とされ、kW課金とkWh課金の比率の見直しが提案されている。また、割引制度の導入と拡充が電源に与える公平性を担保し、持続可能な電力網の構築に寄与することが期待される。