大阪ガスは、2026年度の前日取引化後も揚水随意契約を続ける場合、エリア特性を踏まえて当初の契約規模を小さくし、市場の競争状況に応じて見直すよう提案している。前日取引では揚水のポンプアップ時間帯を考慮できる可能性があるため、運転計画に即して募集量を控除し、市場募集量への影響を抑えることも求めている。
国の作業部会資料では、前日取引化に合わせ、一次・二次①・複合商品の募集量を3σ相当から1σ相当に削減し、上限価格を19.51円から15円/ΔkW・30分に引き下げる案が示された。競争改善がなければ10円、7.21円へ段階的に引き下げ、競争が確認されれば募集量を増やし、それ以上の上限価格引下げを行わない案である。競争状況は取引開始後の一定期間の実績で検証する整理だが、資料時点では提案段階である。
資料は、募集量削減と安価な揚水随契・余力活用への置換が進むと、新規リソースの約定機会と収益性が損なわれ、投資停滞を通じて中長期の調整力確保に影響し得ると指摘する。大阪ガスの認識では、TSOはRC承認時の調達単価(概ね1円台)を下回る総合単価を目指して募集量を削減している一方、蓄電池の投資判断基準は概ね10円前後であり、両者に差がある。
試算では、応札価格が5円の場合、設備費4万円/kWhでも10年IRRは4.1%、8万円/kWhではマイナス7.8%である。10円の場合は設備費6万円/kWhで10.3%となる(2ブロック、1日6時間約定の前提)。また需給調整市場は安価な応札から募集量まで約定するマルチプライス方式であり、募集量を絞ると、投資回収分を価格に含める新規リソースが相対的に約定しにくくなるとの説明である。
余力活用契約では、ゲートクローズ後に残る調整余力をTSOがΔkW対価なしで利用できる。市場で不落札となった余力も利用対象となるため、募集量削減が余力活用を計画段階からの無対価調達手段として増やす形になると、既存リソースの参加インセンティブを損なうおそれがあるとして、大阪ガスはコスト削減目的での組み込みに否定的な見解を示す。
調整力の全量市場調達から揚水随契等を組み合わせる調達へ方針転換するなら、その方針を明確にして制度の予見性を確保するよう要望している。特に2028年度以降のRC第2規制期間では、短期のコスト抑制と中長期の調整力確保・新規投資を両立させ、事業者が投資し金融機関が融資できる仕組みの検討を求める。
蓄電池事業者は、募集量・上限価格などの制度変更が頻繁で将来収益の見通しを示しにくく、プロジェクトファイナンスの組成が困難だとする。需給調整市場ガイドライン上、固定費回収のための合理的な額は当年度固定費から他市場収益を差し引いて算定するため、市場収入は固定費回収の一部として位置づけられている。さらに調整力kWh収益は広域メリットオーダーにより、単価の高いリソースほど稼働機会が少ないため、資料はΔkW約定収入が収益の大部分を占める構造と説明する。
大阪ガスは、RC制度では調整力費が事後検証費用に区分され、規制期間中の費用変動を調整しにくいとの認識を示す。また、制度検討時には電力需要減少が想定されていた一方、現在の需要想定はデータセンター・半導体工場の新増設等を背景に増加し、2034年度は8,524億kWh、2024年度比約5.8%増の見通しである。これらを踏まえた新制度の決定内容や導入時期は資料では確定していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「揚水随意契約 および調整力のポートフォリオ調達について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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