低圧DR向けとして検討した5種類のベースラインは、精度・公平性・簡便性・事前性を総合すると大きな差がなく、資料では採用方式を確定していない。精度は管理方法や需要家構成に左右され、個別管理では全方式がERABガイドラインの誤差水準(RRMSE 20%以下)に達しなかった。一方、群管理では方式と群の作り方によって基準に達するケースがあった。この結果を踏まえ、ガイドラインへの記載方式と留意事項について検討会で議論する段階である。
| 管理方法 | 主な結果(RRMSE 20%以下) | 適用上の条件・留意点 |
|---|---|---|
| 個別管理 | 全ベースラインで基準未達 | 個別設定では精度が低いことに留意する必要がある |
| 群管理(需要家区分ごと) | 電灯・PVなしでは全方式が基準内。その他の区分では基準内は一部 | 電灯・PVあり、動力・PVなし、動力・PVありでは精度が低い区分が多い |
| 群管理(エリアごと) | 10 in 10、High 4 of 5、Highest 5 in 10は当日調整の有無を問わず3エリアすべて基準内。7 day typesと10日間中央値は当日調整なしの鹿児島県で基準内と有意に確認できず | 群の規模や地域ごとの電灯・動力、PV有無の構成により精度が変わりうる |
分析は東京都・岩手県・鹿児島県の需要家を対象とし、電灯/動力、PV有無を組み合わせた36,000件のサンプルで実施した。群管理の分析では1群100需要家とし、エリア別の群は実際の需要家構成に合わせた。鹿児島県ではRRMSEが相対的に高い傾向があったが、恒常的に電力を使わない需要家の割合が影響している可能性があり、資料は単純に精度が悪いとは断定していない。
公平性については、下げDRで容量市場・経済DRそれぞれの発動指令前後を想定して評価した。どの分析対象方式も、現行の高圧標準方式であるHigh 4 of 5よりゲーミングしやすいとは評価されなかった。ただし、どの方式にも一定のゲーミング余地があるため、採用方式にかかわらず定期的なモニタリングと、問題が観測された場合の対応検討が必要である。低圧リソースは制御量に対する制御コストが高い傾向にあり、ゲーミングのメリットが小さいとの整理も示された。上げDRは運用実績が限られるため、実績の増加後に再評価する。
簡便性では、High 4 of 5と比べ、10 in 10、Highest 5 in 10、10日間中央値は除外日対応が不要などの理由で算出しやすいと評価された。7 day typesは同程度であり、いずれも外部パラメータを使わない。事前性は、全方式でDR時間帯前に得られるデータからベースラインを算出できるため満たされる。
資料は、選定した低圧ベースラインをガイドライン上で「低圧のベースライン」として扱い、管理方法や群の生成方法に応じた留意事項を併記する案を示す。具体的な記載方式は未確定であり、記載する方式に応じて留意事項の詳細を調整する予定である。
検討会で分析結果を提示し、ERABガイドラインへの記載方式・内容を議論する。需要家が保有するリソースの特性に応じたベースラインの検討とガイドラインの再更新は、事業者の要望やデータ取得の可否を踏まえ、必要に応じて来年度以降に行うとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「低圧ベースラインに関する調査・検討結果及び ERABガイドラインへの記載に向けた方向性」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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2026年3月14日受渡分から、需給調整市場は全商品が前日取引化され、入札単位時間が30分に移行した(開始済み)[DOC:3e77bc52-8b6a-4fd8-95e4-cc566342a559][DOC:21690b2a-d72a-4827-91b3-b012b62f0db9]。同じ2026年度には、低圧リソースの市場参入と機器個別計測の制度も立ち上がる[DOC:e7217d17-3eb5-442f-9723-253c616ca568]。参入の間口が広がる一方で、複合商品の約定単価は前日化直後に半減しており、「参入できること」と「稼げること」が別問題になりつつある。
デマンドレスポンス(DR)をめぐる制度設計は、この2〜3年で「市場に参加できるかどうか」から「どの計測点で、どの粒度で調整力を評価するか」へと論点が移っている。2026年度は低圧リソースの需給調整市場参入と機器個別計測の開始が予定された年度であり、同時にインバランス料金のC値・D値見直しが効き始める年度でもある。本稿は、この転換が事業者の投資判断にどう効くかを整理する。
Policy Scope
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