低圧ベースラインに関する検討結果報告
概要
本資料は、低圧ベースラインに関する調査・検討結果と、ERABガイドラインへの記載に向けた方向性を整理したものである。低圧ベースラインの検討のための分析対象およびその評価方法に関する内容が含まれている。
目次
- 議題
- 低圧ベースラインの検討
- 分析対象のベースライン
- ベースラインの計算方法
- 精度評価と結果
- 次のステップ
- 精度分析結果の概要
- 公平性評価に関する分析
- ユースケース③(発動指令前)
- ユースケース④(発動指令後)
- 予見性・実現性の横比較
- 必要コストの比較
議題
低圧ベースラインの検討
分析対象のベースライン
低圧ベースラインの検討では、以下の5種類のベースラインが分析対象として挙げられ、平日と休日で異なる場合がある。
| ベースライン | 平日 | 休日 |
|---|
| 10 in 10 | 10 in 10 | 4 in 4 |
| 7 day Types | | 7 day Types |
| High 4 of 5 | High 4 of 5 | High 2 of 3 |
| Highest 5 in 10 | Highest 5 in 10 | 5日間加重平均値 |
| 10日間中央値 | 10日間中央値 | 10日間中央値 |
ベースラインの計算方法
- 当日調整ありの場合、以下の手順で計算を実施する。
- DR実施日当日の需要量と、ベースライン算出日に用いる日の需要量の差分を求める。
- この差分をもとに、当該ベースラインの各コマに加算する。
特に、算出された値がマイナスになる場合、その時間帯のベースラインはゼロに補正される。
精度評価と結果
精度評価は以下の評価軸に基づいて行われた。
個別管理におけるRRMSE(相対平均二乗誤差)の比較
個別管理の場合、全ての需要家区分でERABガイドラインが求める誤差水準に達していない。
| ベースライン | 東京都 | 岩手県 | 鹿児島県 |
|---|
| 10 in 10 (PVなし) | 148.7% | 170.3% | 195.9% |
| 7 day Types (PVなし) | 156.3% | 187.0% | 208.4% |
| High 4 of 5 (PVなし) | 159.8% | 183.2% | 213.2% |
| Highest 5 in 10 (PVなし) | 159.2% | 183.7% | 211.2% |
| 10日間中央値 (PVなし) | 155.3% | 174.4% | 199.8% |
群管理におけるRRMSE比較
群管理の精度は高く特に電灯PVなしの群は全てのベースラインでERABガイドラインの誤差水準に達している。
| 地域 | 10 in 10 当日調整あり | 10 in 10 当日調整なし | 7 day Types 当日調整あり | 7 day Types 当日調整なし | High 4 of 5 当日調整あり | High 4 of 5 当日調整なし |
|---|
| 東京都 | 11.9% | 14.3% | 12.9% | 17.1% | 12.7% | 14.4% |
| 岩手県 | 11.5% | 13.7% | 12.7% | 15.6% | 11.8% | 13.1% |
| 鹿児島県 | 13.9% | 17.0% | 14.9% | 19.1% | 14.7% | 16.5% |
次のステップ
- ステップ1:各評価軸ごとの評価結果を踏まえた総合評価
- ステップ2:ERABガイドラインへの記載方針の整理
精度分析結果の概要
本資料では、電力需要の管理手法に関する精度分析結果が示されている。
1. 個別管理の精度分析
誤差水準の問題
- 全ての需要家区分において、ERABガイドラインの要求する誤差水準に達していない。
RRMSE平均値
| ベースライン/シナリオ | 東京都 | 岩手県 | 鹿児島県 |
|---|
| 電灯 PVなし | 99.1% | 125.5% | 151.5% |
| 電灯 PVあり | 127.2% | 110.4% | 218.4% |
| 動力 PVなし | 193.8% | 586.5% | 554.1% |
| 動力 PVあり | 108.9% | 785.6% | 2333.4% |
2. 群管理の精度分析
精度の向上
群管理のケースでは、個別管理より精度が高いが、ERABガイドラインの要求する誤差水準に達している群は一部に限られる。
群管理におけるRRMSE平均値
| ベースライン/シナリオ | 東京都 | 岩手県 | 鹿児島県 |
|---|
| 電灯 PVなし | 11.9% | 11.5% | 13.9% |
| 電灯 PVあり | 32.9% | 30.6% | 40.8% |
| 動力 PVなし | 15.3% | 20.0% | 18.6% |
| 動力 PVあり | 30.3% | 42.7% | 69.6% |
3. 分析の要約
- ERABガイドラインでは、誤差水準として20%以下を求めている。
- 個別管理ケースでは誤差が大きく、群管理ケースでも一部は誤差水準に満たないことが確認された。
- 定期的なモニタリングを行い、ゲーミングの可能性を排除する必要がある。
公平性評価に関する分析
この資料では、経済的需要応答(DR)における公平性評価の結果が示されている。
ユースケース③(発動指令前)
- 目的: 卸市場価格を予測し需要を上昇させる。
- 評価項目:
- 予見性: 2週間前~: ○, 1~2週間前: △, ~1週間前: ×
- 実現性の評価: 増分kWhの条件による評価
| ベースラインタイプ | 平日 | 休日 | 評価結果 |
|---|
| 1. 10 in 10 | 10 in 10 | 4 in 4 | △ |
| 2. 7 day types | 平日・休日 | 7日タイプ | ○ |
| 3. High 4 of 5 | 平日 | High 4 of 5 | × |
| 4. Highest 5 in 10 | 平日 | 5加重平均 | △ |
| 5. 10日間中央値 | 平日・休日 | | △ |
ユースケース④(発動指令後)
- 目的: 前日経済DR実施の指令を受けた後の需要調整を行う。
- 評価項目: 同様に予見性と実現性の評価(すべてのベースラインについて評価結果は同様で、×評価)
予見性・実現性の横比較
| 評価内容 | 平日 | 休日 | 平日・休日 |
|---|
| 予見性 | 10 in 10 | 4 in 4 | 7 day types |
| 実現性 | High 4 of 5 | High 2 of 3 | Highest 5 in 10 |
必要コストの比較
| ユースケース | 10 in 10 | 7 day types | High 4 of 5 | Highest 5 in 10 | 10日間中央値 |
|---|
| ユースケース①前 | 5kWh | 2kWh | 1.5kWh | 2.5kWh | 1.5kWh |
| ユースケース②後 | 1.5kWh | 1.5kWh | 1.5kWh | 1.5kWh | 1.5kWh |
この資料により、低圧ベースラインに関する各種分析と結果が整理され、今後のガイドライン作成に向けた考え方が示されている。