発電設備の並列時許容周波数に関する検討結果
この資料は「発電設備の並列時許容周波数」に関する検討結果を示しており、技術要件、系統側の対策、関連団体からの意見、影響評価などが含まれている。全体の構成は以下の通りである。
目次
- 個別技術要件の検討
- 遡及適用検討結果
- 他の規程への影響
- 運用・市場コードの観点からの検討
- 詳細検討資料
- 海外グリッドコードの詳細
1. 個別技術要件の検討
論点整理
-
現状の対応状況
- 特別高圧または高圧で連系する発電設備にはルールが存在するが、低圧では事前連絡なしでの並列が可能である。
-
課題
- 2030年には、系統周波数が適正範囲を超えることで発電機会損失が懸念される。
-
要件化の必要性
- 周波数の逸脱を防ぎ、発電機会損失を軽減することが可能である。
発電側の対策
-
目標
- 発電設備が並列時に系統周波数を適正範囲内に収める装置の導入および機能確認が提案されている。
-
許容周波数
- 特別高圧及び高圧では、並列時許容周波数(60.1Hzや50.1Hzなど)が満たされる必要がある。
発電側関連団体の意見
| 団体 | 意見 |
|---|
| 火原協 | 事前に仕様が明確であれば、追加負担は無い |
| JWPA | +0.1Hzの基準は厳し過ぎるのではないか |
系統側の対策
- 一般送配電事業者の対応
- 特別高圧・高圧・低圧ともに、系統側の対策が実施されることは考えにくいとの見解が示された。
比較・検討結果
| 評価項目 | 発電側対策 | 系統側対策 |
|---|
| 費用 | 数百万円~数千万円程度必要 | - |
| 公平性 | 担保されていると判断 | - |
| 実現性 | 現実的に実施可能 | - |
2. 遡及適用検討結果
- 適用の判断
- 現状、系統運用に支障がなく、既存設備が対応することで発生する費用から基本的に遡及適用は行わないと整理されている。
3. 他の規程への影響
| 規程 | 現行記載 | 影響 |
|---|
| 電力品質確保ガイドライン | 変更なし | 未記載 |
| 系統アクセスルール | 記載なし | 影響なし |
4. 運用・市場コードの観点からの検討
- 並列時許容周波数の必要性
- 系統周波数を適正値に維持するため、標準周波数+0.1Hz以下とすることが提案されている。
5. 詳細検討資料
定量評価
- 2019年度の実績データから、並列時許容周波数条件が不成立となる事例は極めて稀であると示された。
系統連系技術要件の改定案
| 現行 | 改定案 |
|---|
| - | 特別高圧・高圧・低圧共通で並列時許容周波数が設定される |
この資料は、発電設備における周波数管理と新たな技術要件に関する背景、目指すべき方向性、現状の課題、外部意見の分析を通じて将来的な実施計画を明確に示している。
6. 海外グリッドコードの詳細
この資料では、主要な海外のグリッドコードに関する情報がまとめられており、特に欧州各国における自動再接続に関する規定が中心となっている。
1. 自動再接続に関する規定
1.1 定義と評価基準
国別の自動再接続に関する主要な規定は以下の通りである。
| 国名 | F 範囲 | 時間遅延 | 勾配P |
|---|
| 英国 | 49.5 Hz 〜 50.5 Hz (自動再接続) | 5分 (同期時間) | P 300 MW 制限なし、P 300 MW、P 1,000 MW |
| アイルランド | 49.8 Hz 〜 50.2 Hz (提案) | 5分 (提案) | 10 %/min (提案) |
| ドイツ | 47.5 Hz 〜 51.0 Hz (標準:10分) | 30分 (標準:10分) | 0.33 %P/秒 0.66 %P/秒 |
注:Pは出力を示す。
1.2 自動再接続の条件
国ごとの自動再接続条件は以下の通りである。
| 国名 | 内容 |
|---|
| 英国 | SOからの指示なしでの再接続不可。ただし、設備と人員の保護要件が満たされていれば自動的に再接続が可能。 |
| アイルランド | 個別設定可 |
| ドイツ | Type Aで定められた周波数範囲で自動再接続可能。ただし、Type B, Cの場合はネットワーク運営者の許可が必要。 |
2. 欧州規格 EN50549に基づく要件
EN50549では、配電網に接続される発電所の要件が示されている。自動再接続に関しては以下のようなパラメータが示されている。
| パラメータ | 範囲 | デフォルト設定 |
|---|
| 下限周波数 | 47.0 Hz 〜 50.0 Hz | 49.5 Hz |
| 上限周波数 | 50.0 Hz 〜 52.0 Hz | 50.2 Hz |
| 下限電圧 | 50% - 100% Un | 85% Un |
| 上限電圧 | 100% - 120% Un | 110% Un |
| 観測時間 | 10秒 - 600秒 | 60秒 |
| 活性電力増加勾配 | 6% - 3000%/分 | 10%/分 |
3. 米国規格 IEEE 1547
米国では、IEEE 1547が分散型エネルギーリソースの接続要件として利用されている。主な要件は以下の通りである。
| 接続の要件 | デフォルト設定 | 値 | 許容設定範囲 |
|---|
| サービスの許可 | 有効 | | 有効/無効 |
| 電圧範囲 | 最小値 | 0.917 p.u.* | 0.88 p.u. 〜 0.95 p.u. |
| 最大値 | 1.05 p.u. | 1.05 p.u. 〜 1.06 p.u. |
| 周波数範囲 | 最小値 | 59.5 Hz | 59.0 Hz 〜 59.9 Hz |
| 最大値 | 60.1 Hz | 60.1 Hz 〜 61.0 Hz |
4. 確認事項
資料の最終部では、発電側の対応意見や提案が示されている。特に以下の論点が重要である。
- 対象電源の種別、電圧階級、容量
- 技術的実現性
- 費用
この資料は、海外の電力システムにおける規定を理解する上での貴重な参考資料である。