2023年6~8月は前年同期に比べ、中部関西間の分断率が大きく上昇し、中部北陸間も同様に上昇した一方、中国九州間は大幅に低下した。調査では、分断率の上昇が特に大きかった同期間を対象とし、中部以西の需給・市場状況を比較した。
| 連系線 | 2022年6~8月 | 2023年6~8月 |
|---|---|---|
| 中部関西間 | 15.3~17.1% | 58.6~76.1% |
| 中部北陸間 | 15.3~17.4% | 56.3~75.8% |
| 中国九州間 | 35.5~88.8% | 3.8~22.4% |
2023年の分断時の潮流は、中部関西間では関西から中部、中部北陸間では北陸から中部への方向に限られ、いずれも夜間、とりわけ22時~8時に分断コマが増えた。中部関西間の中部向け運用容量は昼間250万kW、夜間200万kWであり、資料は昼夜の容量差が夜間の分断増加の要因になったと考察する。運用容量は、連系線故障時にも周波数を安定維持できる潮流の限度であり、需要が小さく調整力が低下する夜間は限度値も低くなる。
中部の需要は前年同期比でほぼ横ばいだったが、供給力は約100万kW減少し、需給がタイトになった可能性がある。一方、スポット市場では中部の売り入札量が80GWh増え、買い入札量は105GWh減っており、市場の入札状況から需給バランスがタイト化した事実は確認されなかった。
関西では需要がやや減る一方、供給力が約250万kW増加し、原子力の稼働ユニットも2022年の1~2基から2023年の5基へ増えた。売り入札が増え、買い入札が減ったことと合わせ、相対的に価格競争力のある供給力が増えた可能性が示されている。中国では需要が前年同期より1日平均約7GWh減少し、買い入札の減少が売り入札の減少を上回った。九州では供給力が増加した一方、売り越し量は月平均で4億kWh以上減少しており、資料は九州電源の相対的な価格競争力低下の可能性を挙げる。
資料の主な説明は、中国の需要減少等を背景に九州から中国への卸取引が減って中国九州間の分断率が下がり、関西の原子力稼働増などで中部以西の相対的に価格競争力のある供給力が増えた結果、中部へ向かう潮流が増えて中部関西間・中部北陸間の分断率が上がった、というものである。これは調査結果に基づく要因の考察であり、需要・供給力や入札変化からの説明である。
太陽光・風力の発電量は各エリアで大きく変化しておらず、増加幅は中部が最大であった。このため、関西・北陸以西の再エネ発電量増加が分断率上昇に寄与したとは認められない。また、市場分断コマのうち、関西・北陸以西の価格が0.01円/kWhとなるコマは限られていた。
資料は、背景が直ちに変わるとは想定されず、当面同様の分断傾向が続く可能性を示す。ただし、電源稼働状況や市場価格水準など環境が変化すれば分断傾向も変わり得るため、引き続き注視するとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中部関西間及び中部北陸間連系線の分断率の上昇について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
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