経済産業省 第29回料金制度専門会合の報告
本資料は、経済産業省が2022年12月19日に開催した第29回料金制度専門会合における報告であり、消費者庁から提出された資料に基づく考え方の整理を目的としている。
検討の背景
- 消費者委員会の意見: 2022年11月29日に消費者委員会公共料金等専門調査会が提出した意見を受け、河野消費者担当大臣から西村経済産業大臣に対し、電力送料料金に関する見解が報告された。
- 追加資料の提出: 消費者庁から提出された追加資料に基づいて、料金制度専門会合とし再整理を行った。
主要な検討事項
1. 統計的手法による査定
- 全事業者に対して工事単価の分析を実施。
- 過去及び2023年度以降のコスト上昇要因を各事業者別に分析。
2. 地域ごとの配電工事に関するコスト分析
以下は、各電力会社の配電工事に関するコスト動向のまとめである。
| 電力会社 | コストの動向 | 主な要因 |
|---|
| 北海道電力 | 2017年度比5%低下 | 労務費上昇(+2%)、工事規模縮小影響(-10%) |
| 東北電力 | 2017年度比10%上昇 | 労務費上昇(+1%)、夜間工事比率上昇(+8%) |
| 中部電力 | 2017年度比26%上昇 | スマートメーター導入に伴う平均工事規模の拡大(+19%) |
| 北陸電力 | 2017年度比25%上昇 | 工事規模の縮小影響(-25%)、労務費の上昇(+7%) |
| 関西電力 | 2017年度比20%上昇 | 労務費上昇(+2%)、工事規模拡大影響(+13%) |
| 中国電力 | 2017年度比31%上昇 | 労務費上昇(+9%)、設備増強工事比率の上昇(+16%) |
| 九州電力 | 2017年度比18%上昇 | 労務費上昇(+23%)、設備増強工事比率の低下(-5%) |
| 沖縄電力 | 2017年度比4%上昇 | 労務費上昇(+15%)、工事の規模縮小影響(-12%) |
3. 効率化に向けた取り組み
- 各事業者が提出した経営効率化計画に基づき、約2,812億円の効率化額が見込まれている。
- モニタリングの枠組みについては今後検討予定。
4. 賃金の適正性の確保
- 賃金の実態把握と価格転嫁状況について、中小企業庁と連携し調査を実施予定。
- 電気事業は下請振興法違反とは評価されていないことが確認された。
業種別価格転嫁状況
概要
全般的なコスト上昇分の価格転嫁状況を業種別に評価した結果を示す。
ランキング
| 順位 | 業種 |
|---|
| 1位 | 化学 |
| 2位 | 機械製造 |
| 3位 | 金属 |
| 4位 | 食品製造 |
| 5位 | 電機・情報通信機器 |
| 6位 | 建材・住宅設備 |
| 7位 | 紙・紙加工 |
| 8位 | 卸売 |
| 9位 | 石油製品・石炭製品製造 |
| 10位 | 造船 |
| 11位 | 飲食サービス |
| 12位 | 建設 |
| 13位 | 繊維 |
| 14位 | 印刷 |
| 15位 | 小売 |
| 16位 | 広告 |
| 17位 | 自動車・自動車部品 |
| 18位 | 製薬 |
| 19位 | 情報サービス・ソフトウェア |
| 20位 | 鉱業・採石・砂利採取 |
| 21位 | 電気・ガス・熱供給・水道 |
| 22位 | 不動産・物品賃貸 |
| 23位 | 金融・保険 |
| 24位 | 放送コンテンツ |
| 25位 | 廃棄物処理 |
| 26位 | 通信 |
| 27位 | トラック運送 |
評価方法
-
評価概要:
- 受注側企業からの回答を基に、直近6ヶ月間の費用上昇分に対する価格転嫁割合を業種別に評価。
- 各業種の回答を集計し、平均点を算出してランキング付けを行った。
-
採点基準:
- 質問内容: コスト上昇分に対する価格転嫁割合
- 10点: 10割
- 8点: 9割〜7割程度
- 5点: 6割〜4割程度
- 2点: 3割〜1割程度
- 0点: 0割(価格据え置き)
- −3点: マイナス(減額された)
注: サンプル数が50以下の業種については評価から除外されており、同点の場合は企業の回答を基に平均点で順位を決定した。
まとめ
本資料は、消費者庁の意見に基づく料金制度専門会合の考え方の整理を行い、電力会社各社の配電工事に関するコスト動向とその分析、効率化の取り組み、賃金の適正性について言及した。今後の課題としての検討が進められることが期待される。