この回のダイジェスト
改善計画の実効性確認や卸売評価案、需給調整市場の価格規律案などが示された。
この回で示されたこと
- 5事業者の改善計画は、業務改善命令のチェックポイントとの照合で現時点の明白な不足はなく、今後1年間を集中改善期間として社長面談や実地確認などで実施状況と実効性を確認する方針である。資料1
- 旧一電の域外進出は2023年6月時点で全国平均約3.5%であり、域外の新規需要獲得、営業人員や販路、電源調達上の課題が示された。業務提携時の情報交換、電気・ガスセット販売、域外調達電源の内外無差別卸売上の扱いなどは今後の検討案である。資料2
- 長期卸の内外無差別評価について、単年卸と同様の定期評価を行い、重要項目がすべて◎、その他も○以上なら担保とする案が示された。JERAの2026年度以降向け第1回長期卸は、販売量上限がグループ内小売に実質有利となりうるため、全体として担保とは評価できない案である。資料3
- 2024年度以降の容量市場関連費用の監視案として、容量市場収入の卸価格からの控除が社内外で無差別か確認し、小売価格の確認式に容量拠出金を加える考え方が示された。発電側課金は転嫁ガイドラインに沿った協議と、卸取引条件・小売価格への反映を確認する案である。資料4
- 補正インバランス料金のC値は、2024年度も200円/kWhを継続し、2025年度以降を別途検討する案が示された。将来の引上げ方針は維持するが、会合での了承・決定は資料本文に記載されていない。資料6
- 需給調整市場では、ΔkW一定額をA種0.33円/ΔkW・30分とし、固定費回収が困難なB種は必要額を上限に個別協議する案、週間取引の上限価格を毎週見直す案などが示された。いずれも決定ではない。資料7
- 三次調整力①向け連系線確保容量βについて、2022年度の状況等を踏まえた月・3時間ブロック・連系線方向別の見直し案が示された。βの下限値導入は今後検討し、上限値は今回導入しない案である。資料8
- 2023年度第1回ベースロード市場の1年固定価格取引は合計443.1MWが約定し、東日本116.5MW・16.99円/kWh、西日本324.6MW・11.05円/kWh、九州2.0MW・13.03円/kWhであった。燃料費見積りの適切性は事務局が確認中である。資料9
- 2023年度のスポット市場システムプライス平均は9月29日まで10.14円/kWhであった一方、9月20日16時30分~17時に年度最高52.94円/kWhを記録した。事務局は作業停止の計画変更など供給力確保の取組と、必要量を超える買い入札の事実関係・市場影響を継続確認する方針である。資料10
- 2023年4~6月期のスポット市場約定量は592億kWh、平均システムプライスは8.6円/kWhであった。6月の新電力シェアは15.4%、旧一般電気事業者からの相対供給は総需要の6.63%であり、事務局は市場モニタリングを継続する方針である。資料11
前回からの変化
- 需給調整市場のΔkW価格規律案は、前回の全応札電源向け一定額の提示から、A種0.33円/ΔkW・30分、固定費回収が困難なB種は個別協議とする案に具体化した。資料7
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この回の資料と要約
- 1
小売電気事業者に対する業務改善命令に係る改善計画について
- 5事業者の改善計画をチェックポイントと照合した結果、現時点で明らかに不足する点は見受けられなかった。各社は監査、競合他社との接触統制、会議モニタリング、研修、社内リニエンシー・内部通報制度の整備を計画している。 - 外部人材が過半数を占める監督組織は各社で設置済みだが、実際の提言や経営層の検討状況は今後確認する段階である。 - 内部監査、重要会議のモニタリング、研修など、今後実施予定の取組が多く、規程整備に加えて実行と実効性の確認が課題である。 - 委員会は今後1年間を「集中改善期間」とし、社長との面談・意見交換や実地確認を含むフォローアップを行う方針である。
- 2
旧一般電気事業者の域外進出に係る ヒアリング結果について
- 旧一電の域外進出割合は関連会社を含めても2023年6月時点で全国平均約3.5%であり、沖縄を除く全地域に実績がある。 - ヒアリングでは域外の新規需要獲得が主な課題とされ、知名度、営業人員、販路・提携先の確保が営業上の障害として挙がった。 - 電源調達は大きな障害とは認識されていないが、価格逆転や市場リスク、域内需要への優先配分などが課題となりうる。 - 情報交換、電気・ガスのセット販売、域外調達電源の扱い、市場価格リスクのヘッジ促進を今後検討する案が示された。
- 3
長期の卸取引における内外無差別な卸売の評価方針(案)等について
- 長期卸にも定期的な内外無差別評価を導入し、重要項目がすべて◎、その他が○以上なら担保とする評価方針案が示された。決定ではなく審議対象である。 - 常時バックアップの廃止と経過措置料金の解除基準③は、来年度以降、長期卸・単年卸の双方で内外無差別が担保されたエリアに限る案である。 - JERAの長期卸第1回販売は、販売量上限がグループ内に有利となりうるため、総合評価では担保と認めない案となった。第2回では上限が解除され、後続販売を含む評価更新の余地がある。 - 23年度単年卸の追加確認では、沖縄が○評価となり、北海道とともに全体として担保との評価案になった。一方、複数社で小売価格が調達価格を下回り、状態が続く場合は全体評価に影響しうる。
- 4
容量市場関連費用等における不当な内部補助防止策の考え方について
- 2024年度の容量市場関連費用を踏まえ、旧一電の卸売・小売における不当な内部補助を防ぐ監視の考え方を示した提案である。<br>- 容量市場収入の控除が社内外で無差別か、標準メニューと個別取引に分けて確認する案である。<br>- 小売価格の確認に容量拠出金を加え、調達費用として適切に認識されているかをフォローアップする方向である。<br>- 発電側課金は相対契約で卸価格へ転嫁する想定であり、卸取引の無差別性と小売価格への調達費反映を確認する考え方である。
- 5
2022年度以降のインバランス料金制度について(中間とりまとめ)
- 2022年度以降は、調整力の限界的kWh価格、kW需給ひっ迫補正、kWh需給ひっ迫補正のうち最も高い額をコマごとのインバランス料金とする制度設計である。 - kW補正の上限は2022~2023年度に暫定200円/kWh、以降は600円/kWhを原則とし、kWh余力率3%未満では暫定的に80円/kWhを適用する。後者はシステム改修後に導入する。 - 卸市場価格補正は廃止し、ブラックアウト時は市場を停止して直前のスポット価格等を料金に用いる。通常の需給ひっ迫時は市場を原則開場する。 - 需要・発電、料金、調整力等の関連情報をタイムリーに公表し、需給調整と料金算定の透明性を確保する方針である。
- 6
[インバランス料金制度の見直しについて(補正インバランス料金のC及びDの値)]
- 事務局は、需給逼迫時のDR促進に向けた将来のC値引き上げ方針を維持しつつ、2024年度は暫定値の200円/kWhを継続する案を提示した。了承・決定の有無は資料に記載されていない。 - 2023年夏、補正料金算定インデックスが10%以下となったのは84コマ(全体の約2%)で、3%以下はなく、スポット市場価格も前年同期より低く、需給は全体に落ち着いていた。 - DR促進効果への期待がある一方、引き上げ効果の定量試算はなく、小売事業者からは容量拠出金負担などを理由に慎重意見が多かった。 - 中間とりまとめの改定案では、広域予備率の参照、2024年度のC値継続と2025年度以降の再検討、5分ごとの指令を反映する記載を盛り込む。
- 7
需給調整市場の運用について
- ΔkW価格規律は、固定額0.33円/ΔkW・30分を基本とし、固定費回収が困難な電源に個別協議を設ける案であり、未決定である。 - 週間取引の上限価格は三次②の加重平均単価+1σを目安に毎週設定する案で、費用削減と調達未達の両面が示された。 - 起動費はΔkWへの算入を当面2回分まで認め、取り漏れ分は先々の取引に計上する案である。 - 取引所は2024年3月開始予定の障害時Webリカバリ案を提示し、事務局は技術面で問題ないとの見解を示した。
- 8
三次調整力①向けの連系線確保容量について
- 三次調整力①向け連系線確保量βを、2022年度の状況や設備増強等を踏まえ、月・ブロック・方向別に見直す案が示された。審議中であり、決定済みではない。 - βは卸電力市場向けに残す容量割合で、三次調整力①の調整力コスト削減メリットと卸電力市場の分断デメリットを合算し、社会的便益が最大となるよう設定する。 - βの下限値は今後検討し、上限値は今回導入しない案である。時間前市場向け容量αは次回以降に審議予定である。 - 提案値は4月から翌年3月までの各月8ブロック、連系線方向別に提示されている。
- 9
ベースロード市場について:2023年度第1回オークション結果概要
- 2023年度第1回ベースロード市場の1年固定価格取引は、約定量443.1MWで前年度第1回の約6割となり、約定価格は全エリアで低下した。東日本の約定量は増加した一方、九州は限定的であった。 - 2年商品は196.6MWが約定し、約定割合は東日本・西日本で1年商品を大きく上回ったが、価格は全エリアで1年商品より高く、資料は主因を需要側にあるとみている。 - 石炭燃料費見積りの平均乖離は先物価格比+55%、貿易統計価格比+39%へ縮小したが、一部事業者では先物価格比+154%と大きな乖離が残った。入札の適切性は事務局が確認中である。 - 委員会で今回の入札を審議し、第2回・第3回も厳格に監視する方針である。燃料費事後調整付の1年商品は第3回のみのため、リスクプレミアムの最終評価は第3回結果まで確認する予定である。
- 10
スポット市場価格の動向について
- 2023年度(9月29日まで)のシステムプライス平均は10.14円/kWhで、LNG価格低下等を背景に前年度平均を下回った。 - 9月18~21日は夕方に30円/kWh超の高騰コマが発生し、9月20日に年度最高の52.94円/kWhを記録した。 - 高騰時は需要・買い入札量に大きな変化がない一方、売り入札量が約2割減り、9月19、20日に売り切れコマが発生した。提出データでは入札可能量の全量供出が確認された。 - 事務局は作業停止の計画変更等による供給力確保の状況と、一部事業者の必要量超過買い入札の事実・市場影響を引き続き確認する方針である。
- 11
~自主的取組・競争状態のモニタリング報告~(令和5年4月~令和5年6月期)
- 2023年4~6月期のスポット市場は約定量592億kWh(前年同期比0.9倍)、平均価格8.6円/kWh(前年同期18.6円)で、資料はLNG価格低下を背景に挙げる一方、時間前市場の約定量は1.8倍に増加した。 - 中部北陸間・中部関西間の市場分断率が前年同期から大幅に上昇し、6月はそれぞれ65.6%、72.6%となった。売りブロック約定率は前年同期平均25.3%から8.1%に低下した。 - 6月の新電力シェアは総需要の15.4%で減少傾向にあり、低圧のスイッチング率も直近で低下している。旧一般電気事業者からの相対供給は総需要の6.63%であった。 - ガスの相対卸供給は都市ガス小売供給量の約11%、新規参入者向けは約0.4%である。本資料は実績報告であり、事務局は今後も市場モニタリングを継続する方針である。
要約は AI が作成したものです。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
制度設計専門会合
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