資料の概要
本資料は、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会による「スポット市場への限界費用価格での供出」に関する検討をまとめたものであり、2026年3月30日の第19回制度設計・監視専門会合で発表された。
市場区分の見直し経緯
- **適正な電力取引についての指針(適取ガイドライン)**に基づき、2022年11月から市場支配力を持つ事業者を対象とした基準を判定。
- 2025年1月30日の第5回会合において、市場分断率の変動を踏まえ、本則および経過措置における市場概念を見直し、2023年3月に適取ガイドラインが改定された。
改定内容
- 本則:
- 改定前: 市場を4区分に固定(北海道、東日本、西日本、九州)
- 改定後: 年平均分断率が**10%**を超える年が3年以上継続する場合に分断扱い
- 経過措置:
- 改定前: 1か月平均の分断発生率が**5%**を超える月があれば分断扱い
- 改定後: 1か月平均値が**10%**を超える月が1回でも存在し、直近5年間で該当年が1年でもあれば分断扱い
画定された市場
本則に基づく市場
改定により、市場は4区分から5区分に変化し、2021年3月〜2026年2月の年平均分断率に基づき以下のように分けられた。
| 区分 | 年平均分断率(%) |
|---|
| 北海道・東北 | 12.6, 16.2, 7.2, 20.2, 29.0 |
| 東北・東京 | 6.8, 12.4, 20.9, 24.8, 26.0 |
| 東京・中部 | 33.5, 36.7, 32.9, 41.9, 45.0 |
| 中部・北陸 | 6.1, 19.5, 43.1, 39.4, 28.3 |
| 北陸・関西 | 8.0, 19.7, 48.4, 43.4, 35.4 |
| 関西・中国 | 1.9, 0.3, 5.4, 4.4, 7.6 |
| 中国・四国 | 0.7, 2.2, 1.2, 0.9, 9.8 |
| 九州 | 39.1, 50.9, 13.9, 23.6, 36.4 |
経過措置に基づく市場
経過措置では、前回と同様に9区分として市場を画定し、月平均分断率が**10%**を超えた月数は以下の通り。
| 期間 | 北海道-東北 | 東北-東京 | 東京-中部 | 中部-北陸 | 中部-関西 | 北陸-関西 | 関西-中国 | 中国-四国 | 中国-九州 |
|---|
| 21年3月22年2月 | 5 | 3 | 11 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 11 |
| 22年3月23年2月 | 8 | 7 | 11 | 9 | 9 | 0 | 1 | 2 | 12 |
| 23年3月24年2月 | 2 | 10 | 12 | 12 | 12 | 2 | 0 | 2 | 6 |
| 24年3月25年2月 | 10 | 10 | 12 | 12 | 12 | 2 | 0 | 7 | 9 |
| 25年3月26年2月 | 11 | 11 | 12 | 12 | 12 | 3 | 4 | 12 | 8 |
対象事業者の判定基準
対象事業者は以下の基準に基づいて判定される。
| 判定項目 | 基準 |
|---|
| シェア | 発電容量 / 市場内総発電容量 * 100 (基準: 20%、経過措置では50%) |
| PSI | 供給力 / 市場内総供給力 / 年間最大需要電力 |
注意事項
- 発電容量は2025年度供給計画に基づき、契約に基づくものを含むが無差別保証が維持されている場合のみ適用される。
- 年間最大需要電力は系統情報サービスから取得したデータを基にしている。
対象事業者一覧
2026年4月1日から2027年3月31日までの間、対象事業者は以下の11社となる。「中部電力株式会社」が前回から追加された。
| 地域 | 現在の対象事業者 | 今回判定された対象事業者 |
|---|
| 北海道 | 北海道電力株式会社 | 北海道電力株式会社 |
| 東北 | 東北電力株式会社 | 東北電力株式会社 |
| 東京 | 東京電力エナジーパートナー株式会社、JERA | 東京電力エナジーパートナー株式会社、JERA |
| 中部 | 中部電力ミライズ株式会社、JERA | 中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社、JERA |
| 北陸 | 北陸電力株式会社 | 北陸電力株式会社 |
| 関西 | 関西電力株式会社 | 関西電力株式会社 |
| 中国 | 中国電力株式会社 | 中国電力株式会社 |
| 四国 | 四国電力株式会社 | 四国電力株式会社 |
| 九州 | 九州電力株式会社 | 九州電力株式会社 |
以上が、スポット市場における限界費用価格での供出に関連する資料の要約である。